今日は少し時間が空いてしまいましたが、

7月に木造建築物の防耐火設計について学ぶ講習会で

最後に見学をした所沢市民体育館のご紹介です。

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緩やかな美しい曲線が印象的な体育館の設計は、

鎌倉の旧神奈川県立近代美術館の設計を手掛けらえれた

板倉準三さんが創設した板倉建築研究所によるものです。

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前面道路には圧倒されるような美しいケヤキ並木があり、

この並木を生かし、その自然のイメージを

体育館の内部へ取り込みたいとの思いから、

無垢の木材を使った大規模構造に取組むことになったそうです。

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基本構造はRCですので、柱や壁はコンクリート製です。

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各ディテールへの心配りが随所にみられ、

建築全体の美しさを造り上げていることがわかります。

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屋根は秩父地方のスギを無垢材で使用した構造です。

鉄骨と役割分担をし、これだけの大空間を支えています。

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体育館の屋根に無垢の木材を使用することが出来たのは、

木材に着火しない性能設計によります。

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それは、火源と木材を必要な距離離すことで、

火災時に木材に着火しないようにするということです。

沢山の人が集まる空間ですので、大切な性能です。

今回の見学会で、拝見させていただいた4件は、

各々が違うタイプの防耐火設計をしていましたので、

タイプによる見え方の違いなど、大変勉強になりました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

先週末は、木造建築物の防耐火設計について学ぶ講習会で

防火木造建築の見学に埼玉県まで行って来ました。

見学した建物は4棟、今日は最初に見学をしました

春日部の『東部地域振興ふれあい拠点施設』のご紹介です。

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一見、木造建築と言われても本当?と思うような外観の

この建物、地上6階建ての上層2層が木造です。

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開口部が、ガラスと耐力要素である木質パネルで出来ており、

木造を感じさえてくれる意匠になっていますが、

柱梁などの木質構造部分はすべて耐火ボードで覆われ、

目で見て感じることはできません。

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ただ、体感としましては、木造の床の階は、

歩くと足触りの違いで、それを感じることが出来ました。

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建築されたのが、2010年8月~2011年9月で、

「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」

が施行される以前に計画が採択されていたこともあり、

まだまだ、ビルを木造で造るということの珍しさと

一見木造と分からない仕上がりになっていることから、

写真のように実寸大模型が展示されていてるホールがあり、

木質部分を見ることが出来るようになっていました。

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こうした取り組みを重ねることで、木質構造への

社会の理解が進んで来ていることが判るような

そんな建物でした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今日の午前中は、明治期に建てられたという建物の

現調でした。とてもしっかりと造られており、

まだまだ十分な耐力を持った建物です。

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窓は1本のレールの上に、左に雨戸、中央にガラス戸、

右に網戸と並んでおり、戸締りをするときは雨戸を

光を取り入れる際はガラス戸、暑い季節は網戸を

その時々でスライドさせるだけです。

とてもシンプルな造りは、新鮮に写ります。

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細部まで、神経が行き届いた仕事に惚れ惚れしたり、

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工夫を凝らした造りに感嘆したり、

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なるべくこの建物を損ねないように手を加える方法を

考えたいと思います。

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最後は、ご近所で始まった古家の解体工事です。

手刻みの骨組みが解体され横たわっているのを見た

棟梁松田は、手刻みならではの手のかかる仕口を見て

あれ、大変なんだよなぁ・・・とつぶやいていました。

残る家、壊される家、悲喜こもごもございます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。