今日は少し時間が空いてしまいましたが、
7月に木造建築物の防耐火設計について学ぶ講習会で
最後に見学をした所沢市民体育館のご紹介です。
緩やかな美しい曲線が印象的な体育館の設計は、
鎌倉の旧神奈川県立近代美術館の設計を手掛けらえれた
板倉準三さんが創設した板倉建築研究所によるものです。
前面道路には圧倒されるような美しいケヤキ並木があり、
この並木を生かし、その自然のイメージを
体育館の内部へ取り込みたいとの思いから、
無垢の木材を使った大規模構造に取組むことになったそうです。
基本構造はRCですので、柱や壁はコンクリート製です。
各ディテールへの心配りが随所にみられ、
建築全体の美しさを造り上げていることがわかります。
屋根は秩父地方のスギを無垢材で使用した構造です。
鉄骨と役割分担をし、これだけの大空間を支えています。
体育館の屋根に無垢の木材を使用することが出来たのは、
木材に着火しない性能設計によります。
それは、火源と木材を必要な距離離すことで、
火災時に木材に着火しないようにするということです。
沢山の人が集まる空間ですので、大切な性能です。
今回の見学会で、拝見させていただいた4件は、
各々が違うタイプの防耐火設計をしていましたので、
タイプによる見え方の違いなど、大変勉強になりました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。