松匠創美のメールマガジン「木の家を知る・建てる・暮らす」
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■ 第230号 ■ 家づくり雑記帖 「ヒートショックと住まいの性能」
□・・───────────────2021年12月29日
木の家を知る・建てる・暮らす (家づくり雑記帖)
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葉山・逗子・鎌倉を中心に無垢の木と自然素材で注文住宅とリフォームをしてきた工務店【松匠創美(まつしょうそうみ)】です。
今年の年末年始は冬将軍到来とのことで寒い日が続いています。
寒波で心配になるのが急な体調不良で引き起こすヒートショックです。
2021年最後の今日は「ヒートショックと住まいの性能」について書きたいと思います。
ヒートショックは、気温の急激な変化で血圧が上下に大きく変動する等によって心筋梗塞、不整脈、脳梗塞、脳卒中がおきる健康被害です。
家庭内で亡くなる原因の1/4と言われていて、朝方のトイレでも起きやすいのですが、特に体全体が露出する入浴時に多く発生します。
ヒートショックを起こしやすい状況としては、暖かいリビングから寒いトイレや洗面脱衣室に移動し、衣服を脱ぐとき、急激に体の表面温度が下がります。その際、体は寒冷刺激によって急激に血圧を上げるため、この時の血圧の急上昇で心筋梗塞や脳卒中等が起こりやすいと考えられています。
更に入浴をする場合には、浴槽の暖かい湯に浸かる事で今度は血管が拡張し、洗面脱衣室で一度上昇した血圧が急激に低下してしまい失神をお越し、溺れて亡くなるというケースが典型例だそうです。
WHOの調査では、日本は他国より家庭内溺死者数が多く、その多く3/4が高齢者です。
日頃元気な高齢者でも、血圧変化をきたしやすく体温を維持する生理機能が低下していることに原因がありますが、建築士の立場としては住まいの性能にも大きな原因があると思っています。
日本における住まいの性能の歴史を考えてみると、高齢者がお住まいの住宅の断熱性能は、現在の基準から考えますと低いと言えます。また、トイレ、洗面脱衣室、浴室は、1階の北側に配置されやすいですので、住まいの性能としてヒートショックを起こしやすい条件が揃っているのです。
高気密高断熱の性能の住宅の場合、リビングと、トイレや洗面脱衣室、浴室などの水廻りとの温度差を少なく保てるので、リスクが格段に下がるのです。
住まいは、一生に一度の買い物です。マイホーム計画をする時には、老後の事を考えて住まいの性能を考えるのがお勧めです。
また、中古の物件購入の場合でも、断熱改修工事をすることをお勧めします。
最後に、今できるヒートショック対策をお伝えします。
浴室、脱衣室、トイレに暖房機器を設置する
窓に断熱シートを貼る
高齢者の一番風呂を避ける
シャワーを活用したお湯はりで浴室全体を温める
生理機能の高い時間帯、夕食前や日没前に入浴をすませる。
血圧が下がりやすい食後1時間は入浴を控える。
入浴前に水分補給などをする
かけ湯やシャワーは心臓から遠い手足から
湯温は41度以下
トイレでは、いきまない
などです。
ヒートショックは、ある日、突然起こるものです。寒い日が続いていますので、油断などせずに注意してお過ごしください。
☆今年一年、お付き合いいただきまして ありがとうございました☆
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年末年始休業のお知らせ
今年もおかげ様で、一年を無事に終えることができ大変うれしく思っております。
勝手ながら、本日から、年明けまして1月6日(木)まで冬季休業とさせて頂いています。
冬季休業期間中にいただきましたお問い合わせにつきましては
2022年1月7日(金)以降、順次対応させていただきます。
来年も皆様にとって素敵な一年となるよう心よりお祈り申し上げます。
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■ 第229号 ■ 家づくり雑記帖 「木造住宅の寿命」
■ 第229号 ■ 家づくり雑記帖 「木造住宅の寿命」
□・・───────────────2021年11月23日
木の家を知る・建てる・暮らす (家づくり雑記帖)
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葉山・逗子・鎌倉を中心に無垢の木と自然素材で注文住宅とリフォームをしてきた工務店【松匠創美(まつしょうそうみ)】です。
近頃、木造住宅の対用年数や寿命に関する記事を目にすることが多かったので、今日は「木造住宅の寿命」について書いて見たいと思います。
検索サイトで、「木造住宅 対用年数」と検索すると、22年と書かれた記事が上位にずらりと出てきます。この「耐用年数」とは、国税庁の減価償却に使われる言葉で正確には「法定耐用年数」です。これは新築してから年々建物の価値が減少し、耐用年数に達すると価値がなくなるという考え方です。
この「耐用年数22年」は、税制上の価値と、その影響を受けて、建物を売却する時の不動産としての評価から来るもので、実際にその家が住むに耐えない、取り壊しもやむを得ないという意味とは違います。
例えば早稲田大学の名誉教授である小松幸夫教授の10年前の講演では、全国調査の結果、木造の専用住宅の平均寿命は、53.86年で、RC造共同住宅の45.17年を上回り、RC造専用住宅の56.76年と大きく変わらない結果だったことを発表しています。また、木造住宅の推定寿命では65年という見方もしています。
また、国土交通省の公表している勉強会資料でも、築30年以上の木造住宅の売買が年々増している事を調査報告として公表していますし、民間調査の記事でも、木造住宅の寿命は50年という意識調査結果が出ています。
では、これからの新築木造住宅はどうなって行くのでしょうか。
フラット35の想定年数が50年~60年です。劣化対策等級3の住宅で75年、長期優良住宅で100年の想定です。
実は二酸化炭素排出量の削減の観点から、木造住宅の省エネルギー性能が向上し、年々着工件数が増えていく裏で、長寿命化も増えるように着々と準備をしているのです。
かつてのスクラップアンドビルドから脱却し、優良な住宅のストックを増やし、戸建て住宅を従来の建て替える社会から第二世代、第三世代へと住み継いだり、住み替えたりしやすくする社会を目指しているのです。
長期利用ができる良質な住宅を増やし、適切に維持保全を推し進め、中古物件としての適切な評価、その価値を購入者が解りやすく明確にできるような仕組み作りを進めているのです。
ハウスメーカー10社も「優良ストック住宅推進協議会」を設立し取り組んでいますので、今後、中古物件市場でも、長寿命で良質な住宅の関心が高まることは間違いと思っています。
松匠創美では、住み継ぐ家づくりとして、耐震性能や省エネルギー性能、自然素材、家族が繋がる間取りを大切にしてきました。それは、そこに暮すご家族が安心して日々をおくり、次に住む人が壊すのには惜しい、勿体ないと思って頂けるような愛される家づくりをさせて頂きたいという思いからです。
☆最後までお付き合いいただきまして ありがとうございます☆
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■ 第228号 ■ 家づくり雑記帖 「省エネ性能義務化と樹脂サッシ」
■ 第228号 ■ 家づくり雑記帖 「省エネ性能義務化と樹脂サッシ」
□・・───────────────2021年10月11日
木の家を知る・建てる・暮らす (家づくり雑記帖)
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葉山・逗子・鎌倉を中心に無垢の木と自然素材で注文住宅とリフォームをしてきた工務店【松匠創美(まつしょうそうみ)】です。
最近のオンラインセミナーには、2025年に新築住宅の省エネ基準への適合義務化に向けての内容が多くなっているように感じます。その義務化へは、現在のところ樹脂サッシが大きなポイントとなっているため、今日は「省エネ性能義務化と樹脂サッシ」について書いてみたいと思います。
現在、住宅業界では、ウッドショックによる木材不足と価格の高騰、半導体不足による製品の納期の遅れに続いて、断熱性能が高く、冷暖房のランニングコストの削減に繋がる樹脂サッシの納期が大幅に遅れるという事態が起きています。
昨年の「2050年カーボンニュートラル宣言」を経て、2025年に新築住宅の省エネ基準適合義務化が進められている中で、政府の方針に沿ってなのかハウスメーカーが省エネ性能の高い樹脂サッシ導入に方向転換しました。その結果、サッシメーカーの生産力が追い付かず、納期2か月以上という大幅な遅延が起きているのです。
実は、この新築住宅の省エネ基準適合義務化は、数年前から検討と、見送りが行われています。
最初は、2015年に義務化を目指し、2013年頃から検討会が開かれましたが、設計事務所や工務店から「省エネ基準を満たしている住宅が少ないこと」「設計の自由度が失われる恐れ」、「省エネ住宅の経験値が少なく設計・施工共に対応できなく、倒産する設計事務所や工務店が増える恐れ」、「住宅の価格が上がり景気への影響の不安視」などの反対意見が多く見送られることになりました。
続いて、2020年に義務化を進めていましたが、同じ理由で見送られることになり、その代わりに、省エネ住宅について建築主への情報提供、意思確認などの説明の義務化が導入されました。
現在のところ、「2025年には義務化されるのでは」という声が多いように感じています。
今年に入り、有識者会議や、国土交通省、経済産業省、環境省の3省による検討会等を経て、来年には国会へ法案が提出される見込みになっていて、ハウスメーカーも樹脂サッシ導入など国の政策と足並みを揃えている印象ですので、義務化への準備が進んでいるように感じています。
私たちは創業以前から、省エネルギーを大切なテーマとして家づくりしてきましたので、その時代時代の省エネルギー性能の高いサッシを使用してきました。樹脂サッシについては、国が省エネ基準の義務化を検討している2013年から使い続けています。
樹脂サッシは、高い断熱性能や樹脂製ということもあって、少し骨太な印象はあるかも知れませんが、敷地周囲の環境を考慮して、窓の大きさ、種類、配置を検討することで、特殊なサッシを使用しないでも心地良い室内環境になるように設計しています。
☆最後までお付き合いいただきまして ありがとうございます☆
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