松匠創美では、設計者が初回の打合せからお引渡しの日まで一貫して住まい手の皆様に寄り添い、
実際に無垢の木で家を建てる大工はじめ多くの職人たちへ、その思いをつなげます。
出会い・つながる・木の住まい

経年美化する家

はだしで暮らすのに気持ちの良い素材を使い、なるべく化粧せず、素材の持つ色をそのまま生かし、変化を楽しむ。

年を重ねた時、目じりにしわがないよりも深く刻まれた“しわやシミ”がいい味出してると言われたい。若い頃、店舗の内装設計の仕事をしていて、完成した時点で既にいい味を出すために試行錯誤を繰り返していました。しかし、今ほどエイジングの技術も広く普及しておらず、思ったようになりません。一方で世はバブル期、店舗の内装は日々更新され、造っては壊しを繰り返し、山ほどの産廃が排出されていました。そんな状況を憂慮し、設計の仕事を辞めようかと考え始めます。そんなある日、実家の和室の柱を見ていて、手が触れ傷つき飴色に変色しても、飴色の鈍い艶を放つこの木の美しさが好きだったことを思い出します。

家づくりなら最初からいい味は出ないけれど、アンティークになる材料を使い家族と共に育つことで、年を経て美しさを増すことが出来るのではないか。長く愛し住み継がれ、それは炭素の固定化にもなり、環境負荷の低減にもつながる。

そんな時を経て、より美しくなるすっぴん、はだしの家
「経年美化する家」が私たちの目指す家づくりです。

五感を豊かに刺激してくれる無垢の木の家

無垢の木の家の良さは、住んでみて実感することがたくさんあります。以前住んでいた家は古い日本家屋でしたから、単純に考えると無垢の木の家とそれほどかわらないのではと思っていました。ところが、今の家に住み始めてその違いに驚いています。子供の頃からの喘息の発作はほとんど出なくなり、冬に風邪をひくことも無くなりました。体に悪いことはないどろうと確信はしていましたが、ここまで快適で健康的な暮らしが出来るとは思っていませんでした。

ではなぜ、無垢の木の家はひとを健康に出来るのか?

木はもともと「樹木」という生命活動をしています。大地にしっかり根を生やし、葉を青々と茂らせ、呼吸をし、色とりどりの実を実らせる。まさに生命体です。生命体である木は成長し伐採され建築材料としての「木材」へと姿を変えます。しかし、「木材」になっても、まるで生きているかのように特性として曲がったり、ねじれたり伸縮をしたり周囲の環境に合わせて変化します。変化を続けるということは、マイナス面を思い浮かべるかも知れませんが、悪い点ばかりでは無く良い点もたくさん有るのです。

例えば無垢の木は、梅雨の季節には水分をいっぱいに含んで湿度を調節したり、寒い季節には太陽の光をいっぱいに浴びて蓄熱をします。他にも音をやさしく反射し音響調整をしたり、いい香りや、やさしい手触りで和ませてくれたりと、私たちの五感を満足させてくれる素晴らしい力を持っています。だから人は無垢の木の家に暮らしていると健康になるのではないでしょうか?

 

梅雨の時期の
湿度の調整
寒い冬の
太陽光を蓄熱
反響音を
やさしく調整
いい香りで
癒してくれる
やさしい
手触り

 

だからこそ、私たちのオフィスも無垢の木の家と同じつくりになっています。打ち合わせの時に何度も体感いただき、良い点も悪い点もご理解いただきながら設計をすすめています。そうすることで、より強く無垢の木の家と共に暮らす楽しさ、幸せを実感していただきたいと思っています。

間取りで生まれる優しい関係

私たちは、家の中はゆるやかにどの空間もつながっている方がいいと考えています。

“つながっている”と言うことは音が聞こえてきたり、匂いが漂ってきたり、さらには、散らかっているものが目障りに感じたりするものです。だからこそ、「家の中ではドスドス歩かないようにした方がいいんだなぁ」とか、「使ったものは元の位置に戻しておこう」とか、なんとなく家族の気配を感じることで互いに思いやる気持ちが自然と身につき、より家族を知ることも出来るのではないでしょうか。

そして空間的に“つながる”ことは、家中の空気の循環がしやすく、自然に空気の入れ替えも出来ます。すると、家の中に温度差がなくなり生活はより活動的になり健康になる気がします。これは、ヒートショックを防ぐのに大切ということであり、冷え症の自分が毎年寒い冬に実感していることでも有ります。

また、住まいは美しいまちなみの一部と考えると、ご近所づきあいがしやすく、かつ近隣に配慮のある地域とつながる家にしたい。それには、外部に対して閉鎖的な家よりも、野外(自然)ともつながりやすい方が優しくなれると感じています。

例えば窓の配置も大切な要素です。ご近所へはここで生活している気配がわかるように、でもお邪魔はないように、暑い季節には、家の中を上下左右に風が通るように、寒い季節には、太陽の日差しが家の奥までふりそそぐようにと、いろいろ考慮して窓を設け、建物の配置と合わせて検討すると、心地よい程度にご近所や自然(季節)とつながった家になります。

また、空間のつなぎ方にもいろいろあります。それぞれのご家庭の住まい方、生活の変化に対応できるように考えています。そんな中で活躍するのが、日本では昔から多用されていた“引き戸”です。襖や障子だけではなく、開けたら大空間、閉じたら壁に見えるような大きな引き戸をうまく使って、空間をつなげたり区切ったりするご提案は、小さいお子様がいらっしゃるお家や、そろそろ子供が独立しそう・・・というお施主様にはとても喜んでいただけます。

このように、私たちはたくさんの工夫を凝らして、住みやすい、住み続けやすい家をつくっています。ぜひ、一度、モデルハウスにお越しください。