先週、笠間日動美術館へ行った際には分館へも立ち寄りました。

この分館は春風萬里荘といい、もともとは、

江戸時代中期に現在の神奈川県厚木市近郊の地の豪族で

大庄屋でもあった伊東家の母屋であったものを昭和の初めに

北大路魯山人が、北鎌倉へ移築し、自らの住居としたものです。

昭和39年に洋画家朝井閑右衛門と小説家の田村泰次郎が

長谷川仁日動画廊社長と笠間を訪れた折、

笠間にアトリエを作りたいという作家たちの要望から、

「芸術の村」構想ができ、昭和40年に笠間へ移築されました。

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入母屋の立派な茅葺屋根をあまり下から見る機会はないので、

今回見上げてみて、その厚みに圧倒されました。

さすがにこれくらい厚ければ雨の侵入も防げそうです。

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龍安寺を模して造られた枯山水による石庭もあり、

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龍安寺程の静謐さは望めませんが、名残の紅葉が楽しめました。

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高低差を生かした広大なお庭には池があり、

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その奥へと散策をしていると豪農屋敷の長屋門がありました。

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長屋門によって切り取られた景色もたいへん美しく、

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冬のお庭も木々の枝ぶりが面白く、中々いいものだと思いました。

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これでお天気が良くて、日差しがあれば最高でした。

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喫茶室に灯った明かりがとても暖かそうでしたが、

もう1カ所立ち寄りたかったので、次へ急ぎました。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

10月1日から開催されていました企画展

『孤高の画家  熊谷守一と朝井閑右衛門展』

招待状をいただき、ずっと見に行きたいと思っていたのですが、

会期が今週末に迫り、慌ててお休みをいただき

本日出掛けてきました。

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銀座にある日動画廊創業者の長谷川仁・林子夫妻の

金婚式を記念し長谷川家のゆかりの地、笠間に創設されました。

日本を代表する画商の系列美術館と言うこともあり、

所蔵品は3千点を超え、親交のある画家たちから譲り受けた

パレット340点余りは、世界に例のない貴重なコレクションで、

パレットが壁一面に展示されたパレット館は圧巻でした。

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また、企画展の熊谷守一、朝井閑右衛門は、

ともに相当な自由人であり、

熊谷は「守一様式」、朝井は「閑右衛門様式」と

独自の世界を切り拓いた二人です。

特に朝井閑右衛門の作品は多くを横須賀美術館で

所蔵しているのですが、今回展示のあった『牡丹』は

個人所有のため中々見ることができない作品ですので、

この素晴らしい作品を観ることができたことは、しあわせでした。

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「鴨居玲の部屋」には、鴨居玲の没後アトリエに残されていた

未完の作品やデッサン帳、大切にしていたアンティーク家具、

身の回りの愛用品などが展示されていて、その中に立つことで

画家の狂気に少しだけ触れられたような気がしました。

終わりかけでしたが、庭園の紅葉もきれいでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

早いもので明日から12月です。そこで今日は、

11月の内に秋の夜長に女性ボーカル その3ということで、

フランス人ボーカリスト ZAZ(ザーズ)の公演のことです。

公演が行われたのは、パリで起こったテロ事件直後、

少しの不安と心配な気持ちで会場へと向かいました。

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その内容は圧巻で、不安や心配は取り越し苦労でした。

ZAZの力強く魅力的なボーカルは言うまでもなく、

サポートバンドも素晴らしく、特にギターが好みの音で、

本当に質の高い、良質な音楽を聞くことができました。

ウッドベースにピアノはグランドピアノで、

そこへ日本人ホーンが加わり、ビックバンドのような編成あり、

天才バンドの奇妙礼太郎さんとアコースティックでデュエットあり、

堪能させていただきました。

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途中、着替えて黒いスーツでステージへ出てきたZAZは、

キャンドルに火を灯し、日本語で「パリへの灯火」といい、

会場全体も共に祈りを捧げました。

当然のことなのですが、ZAZはフランス語で話しをするため、

その内容への会場の反応は、英語の時のような訳にはいかず、

決して理解できているとは言えない雰囲気でしたが、

それでも、双方の思いは通じているような、

そんな空気が感じられる、いい公演でした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。