今日は、耐力壁ジャパンカップ2011の続きです。

決勝トーナメントの2試合目は写真の2体の対戦です。

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向かって左が、今回最も注目を集めていた壁です。

小松組(京都大学)+安井杢の

斜格子に組んだ京都らしい数寄のデザインで

金属、接着剤等を使用していない耐力壁です。

材にスギの圧縮木材を使用しているところが特徴です。

向かって右は、東京工業大学の

格子壁で、伝統工法の接合部を用いた耐力壁です。

あえて、ありふれた格子壁で新しい可能性に挑戦したそうです。

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結果は、写真では判りにくいのですが、

倒れの小さい左の壁の勝ちです。

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近づいてよく見てみますと、

右の壁の土台には割れが入っていました。

今年は、金物を使っていない壁が

決勝トーナメントに多く残っていましたので、

金物を使っていない壁同士の対戦の場合には、

中々破断に至らないので、一進一退が見応えありました。

 

次回につづく。

今年も、耐力壁ジャパンカップが開催されました。

10月の8、9日に予選、10日に決勝が行われました。

そこで、3連休最後の10日月曜日に決勝を観戦に、

静岡県富士宮市にある、日本建築専門学校まで行って来ました。

決勝のこの日は、予選を勝ち抜いた8体によるトーナメントです。

最初の対戦は、東京都市大学 大橋研究室の壁です。

「幸」と言う文字になっていることが特徴です。

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対する壁は、会場になっていました日本建築専門学校の壁です。

授業で1/10模型をつくって対戦して、

最終的に勝ち抜いた壁2体を複合したそうです。

耐力壁でも、窓として使えることが特徴です。

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初戦はどちらも金物を使っていない壁同士の対決です。

結果は、日本建築専門学校の壁の足元が破断して、

東京都市大学 大橋研究室の勝ちでした。

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破断したのは、下の写真の雇いホゾです。

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柱と土台を緊結する場合、一般的には金物を使用するのですが、

このような木を使った接合方法もあります。

つづく・・・。

今日も引き続き耐力壁ジャパンカップのことになります。

この話題が長く続いてしまいましたがついに決勝戦です。

決勝戦に勝ち残った壁「あやめ-Ⅱ」は、

昨年トーナメント優勝した「あやめ」の改良型です。

通し貫きと構造用合板で、足元にはLVLを使用してあります。

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対する壁は、準決勝で触れました「東濃桧の壁」です。

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どちらも意匠性が高く、このまま見せても美しい耐力壁です。

さすが決勝戦、中々の好勝負で見応えがありました。

変形の仕方が比較的どちらの壁も似ているところが

興味深くておもしろいと思いました。

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結果、「あやめ-Ⅱ」がトーナメント2連覇を決めました。

どうも「東濃桧の壁」は、予選の対戦で桁にダメージを受けていて

そこが弱点に負荷が掛かってしまったようです。

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写真に点のように見えるものは木のこみ栓なのですが

この配置も全て計算された配置になっているそうです。

木質構造の広大な世界の一端が覗けたような一日でした。