今日は、耐力壁ジャパンカップの決勝トーナメント準決勝、

最初の対戦です。

2011_1010BI

左側、東京都市大学 大橋研究室の耐力壁『初代ユキヒロ』。

右側、小松組+安井杢の耐力壁『数寄檗(スキバク)』。

どちらも金物を使わず、木だけの戦いになります。

2011_1010BL

結果は、写真では判りにくいのですが、

前半劣勢だった、左の『初代ユキヒロ』が逆転して勝ちました。

勝敗は、どちらかの耐力壁が破断するか、

破断するより前に、水平変位の合計が450mmに達した場合には、

その水平変位が大きい方が負けになります。

この対戦の場合は、右側の耐力壁のほうが

変位が大きかったことにより、勝敗が決定しました。

2011_1010BO

また、近づいてみますと、敷き土台にもダメージを受けていました。

この壁『数寄檗』、今回一番注目されていた耐力壁です。

そのため解体にも注目が集まります。

2011_1010BV

解体後に見ることが出来る、接合部。

こんな形に、加工され土台や梁と接合してありました。

今日は、耐力壁ジャパンカップの決勝トーナメント1回戦、

最後の対戦についてです。

2011_1010BD

写真左側は、毎回優勝争いを繰り広げている、

株式会社ポラス暮しの科学研究所チームの

とにかく強さを追求した壁です。

大会のレギュレーション枠を最大限に利用して、

金物もしっかり使用し、木の筋違いを追求している点が特徴です。

写真右側は、滋賀職業能力開発短期大学校の

国産の天然乾燥材を使用した貫き工法による耐力壁です。

特徴は、貫を斜めに交差させ、より多く貫を組んだ点です。

2011_1010BE

結果は、殆んど動いていない、左側の壁の勝利です。

左側の壁は剛性が相当高く、貫き工法による柔かい右の壁は、

大きく変形するコトになりました。

2011_1010BG

結果、右の壁の足元はかなり破断していました。

しかし、これだけ変形できると言うことは、

柔らかいけれども、強い壁と言うことで、

それはそれで凄いことです。

そして、単純なつくりで見た目にも美しい点も良かったと思います。

次は、準決勝につづきます。

今日は、耐力壁ジャパンカップ2011の

決勝トーナメントの3試合目の対戦についてです。

2011_1010AU

写真が遠くて、見難くて、すみません。

向かって左は、早稲田大学新谷研究室の

通常面材として使用する合板(6ミリ)の幅を割いて、

編んで留めている耐力壁です。

施工精度はあまり求められず、接合が簡易なところが特徴です。

向かって右は、前年に引き続き今年も総合優勝を狙っている、

㈱アキュラホーム+東京大学木質材料科学研究室+篠原商店の

間柱を桁と平行に配置して、帯材を2本中間に配置した、

金物を使用していない耐力壁です。

土台にウリンを使用しているところが特徴です。

2011_1010AW

結果は写真の通り、傾きの少ない右の壁が勝ちました。

2011_1010AX

近くで見てみましたら、向かって右から2枚目の合板の端部が

上下共に破断していました。

2011_1010BB

この合板、編むために曲げベニヤを使用したことで、

ベニヤの繊維方向が不利に働いたような気がしました。

4試合目は、また次回に。