長らくお伝えしてしてきました耐力壁ジャパンカップのことも

今日で最終回にしたいと思います。

最終回は、総合優勝についてです。

松匠創美のメルマガをご購読いただいている方には、

本日配信号で、大会ルールについて書いて居りますので、

お時間ございましたらこちらも是非。

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大会には、トーナメント優勝だけではなく、

各部門賞が設けられています。

● 耐震部門賞:耐震評点が一番高い壁

● デザイン部門賞:デザイン評点が一番高い壁

● 加工・施工部門賞:加工費+施工費が一番低い壁

● 環境部門賞:環境負荷が一番低い壁

そして各部門の総合評点が最も高いチームに

ジャパンカップ優勝が与えられます。

そして、もう一つ、審査員特別賞は、他の賞には該当していないが、

特に健闘をしたチームについて、審査員で決める賞があります。

今年の総合優勝は、

滋賀職業能力開発短期大学校の「二代目ダイアゴナル」でした。

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対戦相手が「BONE」という強い相手に恵まれたこともあって

高い耐震評点を得て(強い相手に粘ると耐震評点は上がります)、

加工費施工費や環境負荷費は、

低く抑えられていたことが良かったようです。

実際の加工についてもプロの指導を受けながら、

学生さんが自分たちで行っていたそうで、素晴らしい結果です。

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今回は、いつも海越しに眺めている富士山の

お膝元まで行ったにも拘らず、

暑い雲に阻まれ少しも拝むことができずに、

少々残念ではございましたが、

大会は、新しい風が吹く、充実した内容で

たいへん実りある一日になりました。

今年も熱い戦いを見せて下さった各チームの皆様、

どうもありがとうございました。

耐力壁ジャパンカップについて、

昨日は、決勝戦についてお伝えしましたので、

今日は、優勝をしました

チーム匠(アキュラホーム+東京大学木質材料研究室+篠原商店)

「紬~evolution~」の単体での加力について書きたいと思います。

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決勝戦後、さすがに少々の変形は見られましたが、

その姿は、まだまだポテンシャルを感じさせてくれましたので、

最大耐力更新の期待感が高まります。

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いよいよ加力開始、最後とあって、テンポよく加力されて行く中、

ついに桁が割裂してしましました。

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残念ながら、記録の更新はならずでした。

桁以外は、樫という堅木でしたので、会場では

「こうなったら桁も堅木か!?」などの声が飛び交っていました。

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割裂した桁の木口です。

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土台にもダメージは現れていました。

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込み栓は無事でした。

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解体後の込み栓です。かなり簡単に外れていましたし、

多少めり込みで変形はしていますがきれいなものでした。

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間柱部分は、ほぼ無傷。

そのため、桁と土台を交換すれば、再利用も可能な様子です。

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この、強さとしなやかな粘り強さを併せ持つ美しい耐力壁は、

これからの木質構造の耐力壁が目指すところを

示しているようでした。

耐力壁ジャパンカップのことも、

2回戦、準決勝と書いてきましたが、

いよいよ今日は、決勝戦についてです。

決勝戦は今年も、

株式会社ポラス暮らし科学研究所の「BONE」対、

チーム匠(アキュラホーム+東京大学木質材料研究室+篠原商店)

「紬~evolution~」の横綱対決になりました。

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非木材は使用していない耐力壁同士の対戦です。

結果は、プレゼンテーションタイムに

壁のネーミングの由来は「ボーン!」と壊れることにも

かかっていることを説明してくれました「BONE」が、

まさに、気持ちいいくらい派手に「ボーン」といって破壊しまして、

「紬~evolution~」が勝利を納めました。

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この桁の破壊具合からしますと、

この壁には相当の強度があることが想像されます。

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土台に使用していますイペ材は、

松匠創美では時々、ウッドデッキなどに使用することのある

大変重くて硬い木なのですが、こちらも割裂していました。

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決勝戦の後に優勝した耐力壁は、単体で加力します。

その結果、総合優勝が決定するのですが、

こちらにつきましては、明日書きたいと思っております。