芸術の秋を楽しむ その3は、『音楽のある週末』

ということで、無伴奏ヴァイオリン・リサイタルへ行って来ました。

向かったのは、晴海トリトンスクエアにある、第一生命ホールです。

今回が初めてのホールでした。

内装はスッキリとシンプルな木質系で、

オーバル形状をしたホールは最新の音響設計を駆使し、

全767席という贅沢な座席は、神奈川県立音楽堂のように

前の席に膝が付いてしまうような事は無く、座席に座っていても、

人の通り歩きが可能な余裕がしっかりと確保されていました。

ただ、晴海トリトンスクエアというロケーションは

オフィスビル感が強く、ホールへと向かう道中が、

やや無味乾燥な造りなのが、ちょっとさみしく感じました。

005

NEMANJA  RADULOVICさんのコンサートには、

実は、去年もおととしも直前に行くことができなくなりまして、

泣く泣く、昨年は野上に、おととしは木童の西田さん

代わりに聴きに行ってもらっていました。そのため、今回は、

3度目の正直でやっと生の音を聴くことができました。

その、念願が叶って聴くことができたその演奏は、

とても若さあふれるエネルギッシュな演奏も良かったですが、

アンコールで、全ての照明を落とした暗闇の中、

マケドニアの伝統音楽を演奏してくれた際の、

そのやさしい調べの美しさが、とても印象に残りました。

ラドゥロヴィッチさんのヴァイオリンの弦から生まれる、

その巾のある響きを堪能することができて、

とても幸せな時間でした。

昨日は、午後からお休みをいただいて、

芸術の秋を楽しむ その2でフラメンコを堪能してきました。

ロシオ・モリーナ

3歳から踊り始め、17歳でマリア・パヘス舞踏団へ入団。

2010年には26歳でスペイン舞踏会最高の栄誉と言われている

「Premio Nacional de Danza2010(スペイン舞踏家賞)」

を受賞した、トップ若手バイラオーラのお一人です。

表現力豊かなしなやかな腕や

己の肉体を自在に操るその身体能力の高さ、

卓越したリズム感、そして、

グラスを効果的に使った演出の新鮮さ。

フラメンコと言うと土の匂いのするようなイメージもありますが、

この舞台は、洗練されたとてもセンスのいいフラメンコでした。

001

会場は、新宿文化センター。

お隣に新しいく新宿イーストサイドスクエアという

商業施設を含めたオフィスビルが完成していました。

013

ガラスがフラットに並べられているのではなく、

面を違えてあるので、光が当たるといろいろな方向に

反射して、キラキラとミラーボールのようです。

002

ビルの足元には、ちょっと変わった建物もあって、

目を引きました。

芸術の秋にちなんで、今日は展覧会のお話です。

とは言いましても、実は8月の暑い盛りに

NHK朝の連続テレビ小説 『梅ちゃん先生』の

オープニングに使用されていたジオラマが

展示されているという  『昭和幻風景ジオラマ展』を

横浜高島屋まで観に行った時のことです。

079

ジオラマ作家の山本高樹さんの昭和の町並みを描いた作品、

30点あまりが展示されていました。

良く作り込まれた作品群は大変見応えがあり

存分に楽しめる内容でした。

ここ10年くらいは、古い木造の建物に手を加えたお店が

人気を集めたりしていますが、現在の日本では、

昭和の町並みは、すっかりファンタジーの世界なのです。

ジオラマで再現された町並みから切実に感じました。

梅ちゃん先生の時代(昭和30年ころ)を描くには、

このジオラマが無くてはならなかったのだと思います。

いつも家づくりのことを考えて日々を過ごしていますが、

出来れば輸入住宅のような家ではなく、

どこかに日本の香りのする家を造りたいと思っています。

それも、段々難しくなっていくのかも・・・と

深く考えさせられるジオラマ展でした。