今日は浦賀ドックでの体験学習のことです。

本来は夏休みなどに、

小中学生を対象に行われているものらしいです。

まずは、浦賀ドックは煉瓦造と言うことで、

模型を使っての建築的実験。

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土圧が掛かることで、半円のアーチが保たれています。

この後、何処まで土圧を少なくしてもアーチが保たれるか

一つずつ積み木を取っていく実験をしました。

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これは、カテナリーアーチ。土圧がなくても崩壊しません。

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こちらは、アーチではなくフラットに積み自立出来ます。

人が乗っても大丈夫。

でも、ひとつの石に集中荷重がかかると弱いです。

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この実験はとても面白くてもっと時間が欲しいと思いました。

他にも、鉄製の船はどうして浮くのか、その理由を実験したり、

造船の基本は工具からと言うことで、ねじ切り体験をしました。

久しぶりの実験は、忘れていたことを思い出させてくれる

あっと言う間の楽しい2時間でした。

今日も引き続き浦賀ドックについてです。

昨日は「ドックはメンテナンスをするところです。」と書きましたが

実は次第にドックでも造船をするようになり

そのスタイルも壁が垂直に切り立ったものに変わるそうです。

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浦賀にはこの造船用のドックも残っています。

他にも、造船のための工場が当時のまま保存されていて

その工場内も見せていただくことができました。

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大空間なのですが、窓の工夫によって、

たいへん明るい空間になっています。

これなら細かい作業も大丈夫そうです。

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屋根を見上げてみますと天窓の角度が変えてあったり

大小があったりと細かい工夫が見て取れます。

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壁面の窓にも、明かりを取り入れるために

一部突出して光を反射させる工夫がみられます。

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現在のように照明でどの様にでも出来るわけではなかったことで、

このように複雑で、美しい建物が生まれたことを思うと

少々不便であることは、

いいエネルギーになるということを実感しました。

天窓好きとしては、とても楽しい見学でした。

先週の土曜日に「浦賀ドック」へ行ってきました。

以前見学に行ったスタッフの田中から話を聞いていて

一度行ってみたいと思っていたことが、実現しました。

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「ドックって何するところかご存知ですか~?」

う~ん、このスペースに船が納まることはイメージできるのですが、

何をするところかと聞かれますと・・・・・

「答えは、メンテナンスをするところです。

よくここで造っていると思っている人が多いんですが違います。」

なるほど~。この辺の境界線は意識していませんでした。

「人間ドックのドックもここから来ているんです。」

なるほど~。イメージしやすい説明です。

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ドックの深さはおよそ10m。

階段状の部分に立って、船底に付着した海藻や貝類などを

剥したり、塗装を補修したりするそうです。

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このドックの造りはレンガ積みになっています。

レンガ積みのドックは珍しく、殆んど現存していないそうです。

その積み方は、フランス積み。

(本来はフランドル積みが正解。いつの間にか

イギリス積みに対してフランス積みになってしまったようです。)

フランス積みは古い時代のものが多く

今では貴重な積み方のようです。

そういえば、あまり見かけたことがないような気がします。

今日はこの辺りで、長くなってしまいましたので、

明日につづくにしたいと思います。