先週は耐力壁ジャパンカップのお話をさせていただきましたが、

この大会、今年は埼玉県行田市にある

「ものつくり大学」で開催されました。

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大会当日はとても良い天気に恵まれ、

会場であるものつくり大学へと向かう途中には、

黄金色に輝いている大地が彼方此方に見られました。

その様子はきらきらと輝いて、なんとも美しい事に感動しました。

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周辺には既に刈取りが終わっているところも多く見られましたし、

刈取り作業真っ最中のところもありました。

日中はまだまだ少し動くと汗ばむような陽気ですが、

少しだけ秋の深まりを感じる道中を楽しむことが出来ました。

今日も引き続き耐力壁ジャパンカップのことになります。

この話題が長く続いてしまいましたがついに決勝戦です。

決勝戦に勝ち残った壁「あやめ-Ⅱ」は、

昨年トーナメント優勝した「あやめ」の改良型です。

通し貫きと構造用合板で、足元にはLVLを使用してあります。

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対する壁は、準決勝で触れました「東濃桧の壁」です。

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どちらも意匠性が高く、このまま見せても美しい耐力壁です。

さすが決勝戦、中々の好勝負で見応えがありました。

変形の仕方が比較的どちらの壁も似ているところが

興味深くておもしろいと思いました。

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結果、「あやめ-Ⅱ」がトーナメント2連覇を決めました。

どうも「東濃桧の壁」は、予選の対戦で桁にダメージを受けていて

そこが弱点に負荷が掛かってしまったようです。

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写真に点のように見えるものは木のこみ栓なのですが

この配置も全て計算された配置になっているそうです。

木質構造の広大な世界の一端が覗けたような一日でした。

今日は準決勝2つの対戦について書きたいと思います。

とは言いましても、準決勝の第一試合は

昼食を買いに出かけている間に対戦が終了してしまい、

どのような戦いであったか不明ですので、

実際は第二試合についてです。

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左「板壁1号」対右「東濃桧の壁」の対戦になります。

「板壁一号」はほぼ桧の3層パネルのみの壁を足元で

橋脚の耐震補強などでも使用されるアラミド繊維を使って

固定しています。

対する「東濃桧の壁」は貫きのみで構成された壁です。

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結果は「板壁1号」の桁が破断したことで決着が付きました。

パネル上部と桁との間にスリットを入れて

力が逃げるようにしていたようですが、

やはり壁があまりにも強いことと、足元のアラミド繊維が

伸びたことで桁が耐え切れず破断したのではないかと思います。

因みに田中は、「板壁1号」は反則な位強いと思ったようです。

この壁、写真では普通に柱があるように見えますが、

実はこんな感じにで中は空洞になっています。

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新しい発想が面白い壁でした。