数年前に自分用に写真の雛人形を買い求めました。
やさしいお顔と素朴な彫りに金箔のハレっぽさが
気に入っています。
手のひらサイズですので、出すのも片づけるのもあっという間、
そんな手軽さも自分用ならではです。
東京生まれ神奈川育ちの私の雛人形の飾り方は、
男雛が右(向かって左)、女雛が左(向かって右)が自然です。
京都では大嘗祭などの宮廷儀礼の伝統に順っており、
<男=陽=左><女=陰=右>という
陰陽説の組み合わせを守って東京とは逆に飾るそうです。
江戸の風俗画にはどちらも描かれていることから、
江戸町民の多くはそれほど意に介していなかったと考えられ、
むしろ明治23年以降、欧米の列強諸国に追いつくために
国際化しなければならず、
欧米によってつくられた国際儀礼に倣い、
明治天皇が昭憲皇太后の右に並ぶようになり、
東京の雛人形業界がこれに従ったことで標準となったそうです。
ただ、男雛女雛を右上位に並べながらそれ以外については、
左上位に飾っていることから、こんなところにも
和洋折衷の現代世相が現れているとは、面白いです。
『陰陽で読み解く 日本のしきたり』より
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。