先週の土曜日は、木の建築フォラムの研究集会
熊本地震にみる木造住宅の被害
「私は見た そして 私は云いたい」へ行ってきました。
会場は、写真の東京大学農学部内
アネックスセイホクギャラリーでした。
熊本地震から8か月、前震直後から熊本にて、
木造関係者達が、それぞれの立場で、
見て、感じて、考えたことを語ってくれました。
最初に国立研究開発法人 建築研究所の
槌本敬大さんによる基調講演
「2016年熊本地震における実体験と木造被害の分析」
たくさんの現地写真を使い、全体像について話されました。
その後、6人のパネリストによる見て云いたいへ。
熊本城の城下町にお住いだった建築士 宮野佳輔さんは、
本震でご自宅が倒壊、被災地の生の声を聞かせてくれました。
現地では、木造住宅への信頼低下が激しく、
今後の信頼回復が課題となっているようです。
日頃、耐震診断、耐震補強に力を入れておられ、
各被災地を歩いて来られている金井工務店 金井義雄さんは、
効果のある耐震補強を広めるためにはどうすべきか
これからへの問題点を上げて下さいました。
熊本大学が被災してしまったことから、現地調査を行った
大分大学工学部 准教授 田中 圭さんは、これまでに
2,340棟の分析対象建物の調査を行っており、
現在も継続中とのことですが、2000年の
基準法の改正以降に建てられた建物で全壊と診断された建物は、
6%と引く抑えられているとの報告がありました。
耐震のスペシャリスト工学院大学名誉教授 宮澤健二さんは、
具体的な問題点を事例を上げながら解説してくださいました。
現行基準法の問題点や改善点についても触れておられました。
最後の東京都市大学 教授の大橋好光さんは、まず
震度は、1996年(阪神・淡路大震災の翌年)に改正されたので、
阪神・淡路大震災の震度7と熊本地震の震度7は
同じでないということをから、現代の木造住宅の耐震性能を
どのように考えていくかといった話までされていました。
各人のお話の後には、ディスカッションも行われ、
様々な立場からそれぞれの意見があるということが、
とても興味深く、4時間があっという間に感じられる会でした。
長くなりましたが、最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。