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■ 第60号 ■

■□・・―――――――――――――2011年11月23日

木の家を知る・建てる・暮らす

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□ 目次

【1】 こんな感じに過ごしています

【2】 「屋根の話し」

【3】 家づくりのことば 「 ネイレ 」

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【1】 こんな感じに過ごしています

こんにちは 田村です。

事務所から歩いて2~3分のところにある風早橋バス停。
その目の前に今月11月11日に可愛くて素敵なお店ができました。

「ガラス、琺瑯(ホウロウ)、かご、古い家具、キリムなどの布類」などアンテークとまではいかないけれど 小さい頃家にあったなぁ・・と思いだすような家具や雑貨が並んだ道具屋「wakka」さんです。

オーナーのIさんとは 葉山で保護犬活動をしているKDP(神奈川ドックプロテクション)さんを通じて知り合いました。
Iさんのお宅には 先住犬1匹の他に保護犬が2匹とちいさなお子さんが3人居て・・それはもう毎日がお祭りのような賑やかさの様ですが日頃から大好きで集めていたかごやホウロウを扱うお店をずっと出してみたかったと聞きましたので お家の事も大変そうなのに夢を叶えるなんて素敵だなと思いました。

オープン初日は生憎のどしゃ降りの雨でしたが オメデトウが言いたくて仕事の帰り お店が閉まる寸前に雨でびしょびしょになりながらお邪魔をすると そんな私にひるむ事もなくIさんは笑顔で迎えてくれました。
「オメデトウ」を伝えたのも早々 可愛らしい商品を前に興奮してしまい 目があちらこちらに行って落ち着きませんでしたが(笑)しばらくして目が慣れてくると 天井がとても高いことに気が付きました。

古い建物なので年季の入った色の梁が見えます。 Iさんに聞くと旦那さまが 低い天井の天板を取外したのだそうです。その効果あって ゆったりとして居心地のいいお店になったということです。また梁や柱が見えることで 並んでいる古い家具や器などがとてもしっくり合っていました。渋いなかにも キリムのクッションやラグ ホウロウの赤や緑の食器などがアクセントになって Iさんのセンスの良さを感じます。

アンティークや古道具はお値段が張るイメージですが Wakkaさんは ちいさな子供でも買えるモノが沢山ありました。
私も さっそくホウロウのお皿とカップをセットで頂きました♪

wakka1

震災後 葉山でも移転や閉店するお店がいくつかあり 少し寂しい時でしたので 心が温かくなる素敵なお店を開いてくれたIさんには 本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
「またきたの・・。」と呆れられない程度に顔を出そうと思っています。

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【2】 「屋根の話し」

こんにちは設計の田中です。

久保がブログで書いた様に、今、築30年以上経った実家の屋根の葺き替え工事をしています。
9月末の台風で屋根の一部が破損してしまい、これを機に屋根を全面葺き替える事にしました。
実家の屋根は今でも珍しいくらいの急勾配の屋根で印象的なデザインですが、実際に工事が始まり屋根の上に登って見ると屋根の形をちゃんと知らなかった事に気付かされました。
今日から2回に渡って印象に残り安い反面、意外にもちゃんと見ていない屋根について書いていこうと思います。
今回は、屋根の話し。次回は、屋根の設計です。

見ている様で、見ていな無かったと書きましたが、逆に言えばちゃんと見ていなくても印象に残るのが屋根です。
幼い子供に家の絵を描かせるとギリシャの子供は四角い箱を並べ、日本の子供は屋根を三角に描き、寒い地域の子供は屋根の上に煙突を描くと言います。

屋根は暮らしを守る大事な部分ですので、気候や文化、地域性が顕著に現れ印象に残りやすいのかも知れません。

屋根の形には一つ一つ名称が付けられています。
一番単純な三角の屋根は切妻(きりづま)屋根。
入母屋(いりもや)屋根は、日本らしい形状の一つで誰もが一度は目にしたことがあると思います。
牧場に良く見られるのは腰折れ屋根。真平らな屋根にも名前があって陸(ろく)屋根と呼びます。

その他にも、寄棟(よせむね)屋根、方形(ほうぎょう)屋根、片流れ屋根、招き屋根などいくつもの名前があります。

一見、統一感が感じられる古いまち並みでも、同じ形の家は2軒とありません。
その統一感、特に遠景の時に大きく関わってくるのが屋根の仕上げ材です。
その地域で採取しやすく、製造しやすいものが屋根材として選ばれ、屋根材の種類と降水量によって屋根の勾配が決まります。
結果、白川郷や金沢のような景色ができあがりるのです。

仕上げ材は、時代と共にどんどん豊富になって屋根の角度も様々にります。
茅葺屋根から瓦の屋根に変わり屋根の角度は少し緩くなり、鉄板の屋根では更に緩い角度まで可能になります。
今では様々な屋根材がありますが、それぞれの材に適した屋根の勾配がちゃんと決まっているのです。

松匠創美では、まちの景色の一部になり、いつしか地域の定番になる家づくりを心がけています。
屋根の材料や角度が自由になった今だからこそ、屋根の設計では何度も何度も検討を重ねます。
しかし、その検討する項目も外観だけではなく、内観や機能、法律、近隣と関わることが多く互いに影響しあいます。
次回は、そんな屋根の設計についてご紹介します。

設計:久保歩美・田中伸二
松匠創美の「家づくりの考え方

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【3】 家づくりのことば 「  」

私(田村)が 事務所内で飛び交う会話の中に「今のは何だろう?」と思う建築用語が たくさんあります。
なんとなく聞き覚えのある言葉や 初めて耳にする言葉などをここで少し紹介したいとおもいます。

○ネイレ

前回紹介しました「根切り」の次に来るのがこの「ネイレ」です。

パソコンに「ねいれ」と打ち込むと値入と一番に表記されます。根切りを聞いた時に 値切り=値切ることだと思った旨を書きましたら 久保が「あっそうだよね、それもあったんだ」と 笑いながら驚いたので あたり前の事だと思ったことが逆だったので 私も驚きました。
そして それほど基礎を作る事は 家づくりにはとても大切な工程なんだということも感じました。

ネイレとは「根入れ」と書きます。地盤を掘削する根切りをした後に 基礎が地中に埋まる部分が根入れとなります。

家の基礎は地面のうえに直接つくると弱い・・という事を前回お話したように 基礎の1部分は地中に埋めて ズレや傾きを軽減させます。私はその根切りした面を見たことがなかったので きっと綺麗に平らな状態を作っていると思っていましたら 実はいくつかの凹凸した部分がある事を知り また驚きました。

それは 基礎の一部分を根入れする事でズレなどに強くなりますがさらに引っかかりを設けることで 強度がずっと上がるのだと教えてもらいました。

これは私の解釈ですが 同じ根と書く植物の「根」も 1本よりも数おおくあるほうが地に強く根付きますから 家の根の部分の基礎も 引っかかりを多くすることで しっかりとした物になるのだと思いました。

松匠創美のウェブページに「丈夫な構造」というコンテンツがありますので そちらを見ていただくと 地盤や基礎の大切さがもっとわかっていただけると思います。

○根入れ
=基礎や杭を土中に入れること。 とくに、直接基礎にあっては地表面からさらに深くまで設ける こと。
「建築用語辞典・岩波書店」より

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出会い・つながる・木の住まい
有限会社 松匠創美

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ご近所さんからのご依頼で
ウッドデッキを造らせて頂きました。
ご依頼くださりありがとうございます。

ワンちゃんが外に飛び出さないようにと
少し高めの手摺にしました。

扉はこんな感じです。
海から帰ってきてウッドデッキで乾かしたり
お風呂の後にウッドデッキで乾かしたり
しているみたいです。

■ 第34号 ■

■□・・―――――――――――――――2010年11月10日

木の家を知る・建てる・暮らす

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□こんな感じに過ごしてます・・・

こんにちは 田村です。

今月の3日(水)は文化の日 各地で色々とイベントが開かれたと思います。

葉山では森山神社(御用邸近く)境内で “葉山たきびマーケット”(現在HP削除済)という 葉山周辺のお店や農家の方たちが集まったイベントが開催されました。
なんでも Twitter上で「マーケットしませんか?」と言う つぶやきから始まったというこのイベント 主催者も特に決まっていなかったそうで・・・なんともゆるりとしたところが葉山らしい感じです。

私の知り合いも何人か出店していましたので 遊びに行ってみました。

森山神社は 葉山では森戸神社(森戸海岸近く)の次に知名度がある神社なのですが 普段はとても静かでひっそりとした所なんです。
あまり大々的に告知をしていなかった様子なので ちゃんとお客さんが来ているのかなぁ と心配を勝手にしていたのですが 境内に着いてみると どこにお店があるのだろう?と一瞬迷うくらい 沢山の人で溢れかえっていました。

松匠創美で新築中のクライアントのご夫婦も 建築現場を確認しに来たその後に足を運んだという事なので 告知は上手く広がっていたようです。

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以前紹介しました葉山の「ARAHABAKI]さんも小皿や箸置き、裂き織りバックなどなどひっさげ出店していて かのさん(店主)に声をかけると「開始前からお客さんが沢山来てくれてびっくり!」ととても嬉しい声をあげていました。

お天気も良くて気持ちのいい空の下 たきびマーケットと謳っているように 境内広場の真ん中に焚き火を囲み おしゃべりしたり コーヒーを温めたりとお客さん達ものんびりと楽しんでいるのがうかがえました。

RIMG0988

その焚き火担当の「3knot」寒川さんにも挨拶すると「いやぁ~すごいでしょ~。」と 忙しいながらも大成功な事に いつにも増してのニコニコ顔でした。

そんな中人負けしそうになりましたが(笑) お目当ての「artless」まりこさんのお菓子(栗が入ったガトーショコラ)と ARAHABAKIさんでは大江憲一さんの土鍋。その他にりんごジュースにウールのショールなどを手に入れて 私も大豊作のイベントでした♪

次の日のTwitterや寒川さんのブログには「1000人ほどのお客さんが集まったのに ゴミ掃除は15分ほどで終わりました!」と書かれてありました。
マイカップ、マイ箸、マイ皿持参で ゴミは持ち帰りを皆で実践した結果だそうです。

私は出掛けた時間がちょっと遅くて ご飯を食べるチャンスを逃してしまい実践できませんでしたので 来年をとても楽しみにしています。

(写真は撮り損ねたので、寒川さん撮影のものを送っていただきました。ありがとうございます!)

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こんにちは、設計をしている田中です。

前回は、長期優良住宅と大規模木造建築に対する国の予算の話題に触れました。
今回は、長期と言う点と大規模の木造のつながりで世界最大の木造建築と世界最古の木造建築の話しを書こうと思います。

実のところ、この二つは日本にあります。

世界最大の木造建築は東大寺大仏殿、世界最古は法隆寺です。

現在の東大寺大仏殿は棟までの高さが約49m。
建築の世界では、31mを超えると消防隊の梯子車も届かない高層建築物といわれています。

この高さは、ギリシャのパルテノン神殿など比べ物にならず、ニューヨークの自由の女神の台座からトーチまで高さを超えパリの凱旋門とほぼ同じ高さです。
周囲に高さを比べやすいものがあると良いのですがこれはかなりの大きさです。

もう一つの、世界最古の木造建築の法隆寺は、今から1300年程むかしに建てられたものだそうです。

ロマンチックなことを言うようですが、星が生れる瞬間の光と言われているオリオン座大星雲は地球から1300光年の距離にあるそうです。
法隆寺とオリオン座大星雲は同世代なんです。

そんなオリオン座大星雲を見ることが出来なかった1300年前には、誰もが知っているピサの斜塔やディズニー映画にもなったノートルダム寺院は、まだまだ建っていませんでした。
ヨーロッパの建築史の中でも同年代として紹介できる有名建物を探すのが難しくなるくらいです。

世界最大と世界最古の木造建築が日本に建っているなんてとても誇らしいことだと感じています。
世界に誇れる木の文化を今後も繋いでいきたいとも感じています。

設計:久保歩美・田中伸二
松匠創美の「家づくりの考え方

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□家づくりのことば・・

私(田村)が 事務所内で飛び交う会話の中に「今のは何だろう?」と思う建築用語が たくさんあります。
なんとなく聞き覚えのある言葉や 初めて耳にする言葉などをここで少し紹介したいとおもいます。

〇束

「次のメルマガ(の言葉)は、何にするの?」と、田中に尋ねられました。

発刊日が近づくと私は「○○の事を書きたい。」と言って、久保などに相談をするのですが、今回はなかなか思いつかずにいたので、気にしてくれたようです。

そこで「最近(伝票で)目にした鋼製束(こうせいつか)が気になるんですけど?」と答えると「そもそも鋼製束の束(つか)って何のことかわかる?」と聞かれました。

「えっ 束ってだけの言葉があるんですか??私が調べたら、床束(ゆかつか)って床下に使う部材があると書いてあったんですけど・・。」と言うと「ホラ あそこ。」と吹きぬけの上の方を指さして「梁と天井の間に短い柱があるでしょ。あれも束だよ。」と教えてくれました。

「えへぇ あれもそうなんですかぁ??」と あんぐり口を開けて眺めていると 天井にあるのが「小屋束(こやつか)」で、梁の上に立てて屋根の重みを支え受けているんだよ。鋼製束などの床束は、床下で床にかかる重みを支え、その重みを地盤に伝えているんだ。」と教えてくれました。

その他にも色々な箇所で使われているという事だそうですが 家が完成してからはほとんど見る事ができない束は 小さい(短い)ながらも人知れず頑張っているところなんか、まるで私みたいじゃない?!と、とても親近感が湧いてきちゃうのでした。

束(つか)=木造建築の短い垂直の部材をいう。

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☆お付き合いいただきまして ありがとうございます☆
出会い・つながる・木の住まい
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