今日から、鎌倉で住宅の新築工事が始まりました。

鎌倉には、文化財保護法で定められた史跡や

埋蔵文化財包蔵地として、指定をされている地域が、

38ヵ所あります。

今回の敷地は、この指定を受けています。

敷地を60cm程度しか掘らない場合には、

発掘調査は必要ないのですが、

今回の敷地は、道路と敷地に高低差がありますので、

3メートル程度、掘らなければなりません。

2011_0920AH

そこで、埋蔵文化財発掘の届出を市に提出し、

工事の概要を確認していただいた上で、

市教育委員会の方の立会いの元、掘削を行います。

そして、今日はその立会いの日でした。

2011_0920AO

写真のように、市教育委員会の方が地層を確認して、

貴重な資料となる地層や遺物などを調べます。2011_0920AR

今回は、古い地層から生活に使われていたと思われる、

素焼きの食器の破片が出てきましたが、

住居跡などではなく、この周辺で生活していた痕跡とのことで、

特に、これ以上の発掘の必要は無いと判断されました。

発掘調査となりますと、平気で半年くらい

工事に取り掛かることが出来なくなりますので、

結果を聞いて、ホッとしました。

これで、予定通り工事を進めることが出来ます。

今朝、空を見上げると、雲の裏側から太陽が姿を現す所でした。

ほんの数分間でしたが、とても幻想的な場面でした。

2011_0916AB

先日、辻井伸行くんのピアノを聴いたときに思ったのですが、

ピアノを上手に弾く技術だけでは、

脳みそを感動させることしか出来ず、

そこに、演奏をする方の奥行きがプラスされることで、

心も感動するのではないでしょうか。

さらに、辻井伸行くんのピアノのように、「何か」が加わると、

細胞が喜ぶような感動が生まれるような気がします。

2011_0916AJ

住まい手の方たちの細胞が、暮らしていて幸せを感じるような、

そんな家づくりを心がけて行きたいと、

太陽を見上げて、思うのでした。

葉山に建築中の家は、クライアントさんのご要望で、

アイアンによる手摺などを計画しています。

そこで昨日は、具体的なディテールを決めるために、

今回アイアンの製作して下さる工房へ、

クライアントさんと一緒にお邪魔いたしました。

2011_0911AB

工房は、これまでにされて来たお仕事の遍歴を

随所に垣間見ることが出来る、大変興味深いところでした。

2011_0911AF

鉄の丸棒を実際に機械で叩いて見せてくれました。

それは、もの凄く迫力が感じられる作業風景で、

他にも、いろいろなサンプルや作品が所狭しと並んでいて、

なかなか、これだけのアイアン作品に囲まれることはないので、

貴重な体験でした。

2011_0911AU

工場を後にする頃には、すっかり日も暮れてしまいました。

長い時間ありがとうございました。