■ 第45号 ■

■□・・────────────────2011年04月27日

木の家を知る・建てる・暮らす

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□ 目次

【1】 こんな感じに過ごしています 「 無理なくできることを 」

【2】「 公共建築物(低層)は木造化を原則義務化 その1 」

【3】 家づくりのことば  「 イラカ 」

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□こんな感じに過ごしてます・・・

こんにちは 田村です。

電力の供給不足を機に 「電気に頼らない生活を」という久保の考えから事務所の珈琲メーカーを マシンから*フレンチプレス式のポットに変えました。

粉と水を入れて スイッチオン!でお手軽だった今までと違い お湯を沸かし飲みたい量をビーカーで計り・・・4分待ってという手作業を教わった時は 美味しく入れられるかなぁ。。。と少々不安になりました。

でも 新しくてピカピカに美しく輝くステンレス製のポットを使ったその日に 何だか気分も明るくなってきました。

「節電しなくちゃいけない!」というプレッシャーを少なからずも感じて過ごしていたので 無理なく気持ちよく暮らしていけるんだなと気づかせてもらい 自分も気分良くできることはないかなと考えました。

そこで 背中の中ほどまであった重く長い髪を 思い切って肩まで短く切りました。
節電とどんな関係が?と思うかもしれませんが シャンプーで使う水の量も ドライヤーで乾かす時間もかなり使っていましたので イメージも変えられ さらに自然と節約できると思ったのです。

さっぱりして清々しい気分になった美容室の帰り 寄り道したセレクトショップでポットと同じメーカーのタンブラーを見つけました。
ポットと同様 そのデザインと保温性に一目惚れしてしまい 気分も良かったので迷わず購入しました。

それまで3年間使っていたタンブラーは 母親が使ってくれることになり 無駄に捨てることなく済みました。
短くなった髪も 自分で思った以上にシャンプーとドライヤーの時間が短縮されたので その分湯船にのんびり浸かったり眠い時は早めに布団に入れたりと 余裕ができて得した気分です。

不安だった珈琲を入れることも 2・3日も過ぎた頃には手順も身に付いて 手作業だけに今まで以上に美味しく入れられるよう意識するようになりました。

「珈琲美味しい♪」と言う声もチラホラ聞こえてきたりして。

慣れてしまえば何でもないこと もっとシンプルに生活して行こうと思います。

*-フレンチプレスとは-
フレンチプレスは、ヨーロッパではとてもポピュラーな圧縮式のコーヒーメーカーのこと。もともとイタリアから始まったといわれています。第二次世界大戦後、フランス・パリのカフェでよく使用されるようになり、「フレンチプレス」と呼ばれるようになりました。
bodum」さんのHP

2011 0426 たんぽぽ 005

こちらは 震災後いつも持ち歩けるようにと買ったSIGGのボトル。 パンダ来日記念ということで(笑) 事務所のドアを背景に・・。

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「公共建築物(低層)は木造化を原則義務化 その1」

こんにちは、設計の田中です。

恐らく、一般にはあまり知られていない事だと思うのですが、昨年の10月に「公共建築物木材利用促進法」と言う法律が施行されました。
この法律の注目点は、「国や地方が整備する低層公共建築物は原則的に木造とする」という内容です。
林業が衰退したと言われている日本で、とても大きな起爆剤になりそうな気がしています。

今日は「公共建築物木材利用促進法」が施行された背景について時代を追って紹介したいと思います。

戦後、日本は95パーセント以上を国内の木材を活用して建物を建てていましたが、復興事業が進む中、深刻な木材不足に陥ってしまい、徐々に木材を輸入するようになっていきます。
一方で国は将来の建築資材として有効な杉や桧の植林を勧めていきました。

更に、急速な経済成長は続き、やがて団塊世代の住宅需要が高まってきます。当然のことながら、植林されたが杉や桧が育つにまだまだ時間が足りません。
需要拡大と好景気によるコストメリットもあり、輸入建材が着々とその量を増やしていく一方、国産材は正当な価格で買い取られなくなります。
買取価格の低下により、山を維持管理する費用は得られなくなり、林業が成り立たなくなって行きます。

バブル崩壊後も国産材は低迷を続け、木材自給率の低下は続きます。そして、1990年代後半にはついに10パーセント台にまで落ち込んでしまったそうです。
その頃、戦後植林された杉や桧が、やっと伐採期を迎えることになります。
しかし、売れる木材として安価で供給が安定していた輸入材に対して、国産の荒廃した山で育った杉や桧は、品質にばらつきがありました。また、乾燥技術の方もすっかり海外に劣ってしまっていていたのでした。

国産材の悪戦苦闘は続きます。

やがて21世紀に入り、原油高とも重なり、輸入建材との価格差は次第に埋まり始めます。
更には、温暖化ガス問題、世界でも有数の木の文化、地方の雇用問題、山の治水量と災害問題、様々な方向から林業の大切さが取り上げられるようになって行きます。
粘り強い努力もあり、国産材の木材自給率は約30パーセント近くまで回復してきています。

このような背景の中、木材自給率を50パーセントまでに高めることを目標に「公共建築物木材利用促進法」が制定されました。
また、文部科学省や林野庁も木造校舎の建設に前向きに検討を進めています。

松匠創美では、今まで国産の無垢材で家づくりをしてきましたが、ゆくゆくは、久保がブログで書いていた様に県産材で家づくりをしたいと考えています。

この法律が山の環境保全と、それを取り巻く資源を循環させる社会づくりに一躍を担ってくれると期待しております。

次回は、「公共建築物木材利用促進法」の内容について紹介したいと思います。

設計:久保歩美・田中伸二
松匠創美の「家づくりの考え方

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□家づくりのことば・・

私(田村)が 事務所内で飛び交う会話の中に「今のは何だろう?」と思う建築用語が たくさんあります。
なんとなく聞き覚えのある言葉や 初めて耳にする言葉などをここで少し紹介したいとおもいます。

○イラカ

お昼ご飯の時 田中に「鯉のぼりの歌と言えば・・・何?」と聞かれ そりゃ「屋根よ~り たぁーかーい~♪」でしょ と唄ってみました。

それもそうなんだけど もう一つ「イラカの波と雲の波~」ってのもあるでしょう?と言われて あぁ そういえば・・・と子供の頃は 出だしの「イラカの波~」って何のコト??と 意味も解らず唄っていたんですよね と思い出しながら言うと 「そのイラカって今は知ってるの?」と聞かれました。

「瓦のことですよね。」と答えられたのですが・・実は意味を知ったのは松匠創美でお仕事をするようになってからですので 恥ずかしながら何十年も知りませんでした。

この歌を教わった頃 私は都内に住んでいました。

バブル絶頂期の渋谷区には ビルが建ち並び始め瓦葺きの屋根がほとんどなかったので 瓦をあまり見たことがありませんでしたし 先生も意味までは教えてくれませんでした。

葉山でも 最近では瓦葺きの屋根を見かける事は少ないですが この時期 波打つ瓦の屋根に勢い良く泳ぐ鯉のぼりを見かけると 歌詞の力強さは 元気な男の子に育って欲しいと言う親の願いが込められているんだなぁと 少し解るような気がします。

瓦は重いから・・と敬遠されがちだそうですが 日本の風景には欠かして欲しくないと思いました。

○甍(いらか)=瓦 また 瓦葺きの屋根。「―の波」
大辞泉/監修:松村明 出典:小学館より

鯉のぼり」 の歌載ってます。
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☆お付き合いいただきまして ありがとうございます☆

出会い・つながる・木の住まい
有限会社 松匠創美

https://hayama-ie.jp
▲身近な写真と共にブログ更新中

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