今日は、9月18日に日本建築専門学校で開催されました
木造耐力壁ジャパンカップ決勝トーナメントの話です。
今年新たに追加されたルールがありまして、
それは、壁に45センチ角の開口を空けるというものです。
このルールにより新鮮な壁による対決が見られました。
それでは、最初の対戦からご紹介いたします。
予選1位通過の壁『メケメケ』(上の写真)は、
東京木場製材協同組合、株式会社シネジック、
東京大学木質材料学研究室による連合チームです。
オールヒノキ材で、土台のみ集成材を使用とのことですが、
さすが、東京木場製材協同組合さんの用意された
節のない素晴らしい材です。これをネジメーカーである
シネジックさんのロングビスによりしっかりと固定しています。
対するのは、予選を7位で通過した
滋賀職業能力開発短期大学校の壁、『八龍』です。
金物などの非木材を一切使わずにカシの込み栓のみで
アカマツによる構造部材の接合部を固定しています。
この2体、デザイン的には近しい感じも致しますが、
予選通過順位からも推察される通り、
見るからに材積に差があり、強度の違いは明らかでした。
斜材により初期剛性はそこそこあったのですが、
その分、脆性的破壊が起こりやすいリスクもありました。
結果、柱が破断し、勝敗は決まりました。
実際の建物も筋違いが使われていますので、
建物が脆性的破壊により倒壊することがないよう
如何に粘らせるかが、大切な構造要件となります。
初戦からいい勉強をさせて頂きました。
耐力壁ジャパンカップの話は、続きます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。