今年も東京大学大学院 農学生命科学研究科 准教授の
稲山正弘先生の「実務者のための木構造について」の
講習会(全4回)が始まりました。
*写真は弥生講堂アネックス、設計は河野泰治さんで、
構造設計を稲山正弘先生がされました。
そこで今回、稲山先生が話されていた中に
日本の木造軸組工法は世界的にも貴重な存在である
というお話がありましたので、今日はそのお話です。
では何故世界的に貴重な存在なのでしょうか?
それは木造住宅の建て方は、
組立てが簡単で技術力が必要とされない
アメリカ生まれのツーバイフォー工法が世界を席巻していて
その国固有の工法は各国で伝統工法として
細々と建てられている程度になっているからと言うことです。
そんな中、日本では技術大国と言われた技術力で
それまでは熟練の技術力を必要とされた
大工が木材一本一本手で加工していたものを
機械によって木材を加工出来るように適合させ
価格的にもツーバイフォーに対抗できるようにしたことで
現在も普通に独自の工法で木造住宅を建てている
世界で唯一の国と言うことです。
大工の熟練の技術力はカケガイノナイ宝ですが、
まずは、「木造軸組工法が広く残っていくこと」
それも大切なのかもしれないと思うのでした。