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■ 第44号 ■

■□・・────────────────2011年04月13日

木の家を知る・建てる・暮らす

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□ 目次

【1】 こんな感じに過ごしています 「桜(春)を感じられれば
いいんです。」

【2】「仙台 江戸から伝わるイグネの暮らし」

【3】 家づくりのことば 「いってこい階段」

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□こんな感じに過ごしてます・・・

こんにちは 田村です。

前回 つくしが顔を出しましたね・・・と書いたと思っていたら 葉山では 桜が見ごろとなっています。

今年はここ何年かで一番美しく開花しているんではないかと思うくらいの華やかさがあります。

2011 0412 さくら 006

近くに見えるソメイヨシノと 遠く山間に見える山桜がいっせいに咲いたのは本当に久しぶりで こんな贅沢はないなぁと 日本はなんて美しい国なんだろうと 改めてうっとりしてしまいます。

花びらが散ってしまう前にお花見でもしなくちゃ♪と張りきっていた朝に 喉がイガイガして どうも腫れている様子です。・・・次第には鼻水まで出る始末で 同時にクシャミも止まりません。

こんな時に風邪をひいてしまうとは。

外でお酒を呑みながらお花見が出来ないなら どうしたらいいの・・と悩んでいた時に閃いたのが この時にしか食べれない物で桜(春)を感じられればいいんじゃない と言う事です。

真っ先に向かったのは事務所近く 葉山元町商店街の中程にある和菓子屋「力餅家」さん。

この時期に出てくるお目当ての和菓子といえば「さくら餅」と「草大福」です。

塩漬けされた桜の葉と ヨモギを練りこんだお餅は どちらも餡子との相性が良く理想的な甘みで 香りも味も 桜(春)を感じさせること間違いなしです。

お目当ての品が買えて満足ながらも 後3回は買いに来たいなと思いながら「いつ頃まで 買う事ができますか?」と聞いてみると 「そろそろ終わりだね。」と残念なお知らせになってしまいました。

今年はこれで最後のさくら餅と草大福かぁ・・と鼻をすすりながらちょっと淋しい思いでいましたら 力餅屋さんのブログ(現在はFACEBOOKに移行)に力強く「柏餅 はじめました!」と書かれた柏餅の写真付きコメントを見つけてしまいました。

桜は終わっても ツツジに紫陽花・菖蒲と お花見もお菓子もまだまだ楽しめそうです。

あっ まだ葉山の桜は散っていませんので安心して下さい。

2011 0412 さくら 002_1

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「仙台 江戸から伝わるイグネの暮らし」

こんにちは、設計の田中です。

地震発生から1ヶ月が過ぎ、気がつけば春真っ只中。
深刻な話題が多い中、今週にも東北方面の桜も開花を迎えるそうです。
桜の開花は、何か復興への希望を持たせてくれるような気がしてとても嬉しい知らせです。

今日は、僕の希望のひとつ、いつの日か取り戻して欲しい仙台の「イグネ」について紹介したいと思います。

最近、2002年にNHKで放送された「イグネ 仙台平野に浮かぶ緑の島」という番組を見ました。

イグネとは、仙台の農家が暮らす広大な屋敷林のことで、番組は、今回の津波が押し寄せた、若林区が舞台になっていました。
ササニシキの田んぼの中に点々と浮かぶイグネの姿は、陸の松島のようで、とても美しいものでした。

イグネは、もともと江戸時代初期に仙台平野を開墾した農民が、奥羽山脈から吹き降ろす北西の風から茅葺屋根を守るために植林を始めたことにより始まります。以後、400年間にわたり先祖代々、少しずつ植林を続け今の姿になったそうです。

内部は、一番北西側には凍てつく風を防ぐ常緑樹が植えられ、その内側には果実のなる木、その内側には花の咲く草花が植えられ用水路から水を引き、まるで豊かな里山のようでもありました。

番組は、四季を通してイグネでの暮らしを紹介しています。

春になると、「種まき桜」と呼ばれる一番古い桜の花が咲き、稲の種まきの時期を知らせてくれます。
夏にはご先祖への感謝を込めて育てた花をお供えに代々のお墓参りへ
秋には採れたキノコ類が食卓にのぼり、野菜や果物も季節ごとに採れます。
来年の為の種に至るまでも買って来ることは無いそうです。
また、枯れ枝で「ほうき」をつくり、落ち葉を集め、籾殻はお風呂を沸かす為にも使います。

極めつけは、建て替える家の木材でさえも、イグネから伐採した木だけで建ててしまいます。
樹齢100年200年を超える木でも伐採し、世代を超えて暮らせるようにと大事に使います。
障子や下足入れに至るまでイグネの木を使い、そしてまた植林をします。

松匠創美が考えている「100年愛される住宅」の基礎となっている家と樹木の循環が、山の植林地とではなく、裏庭で行われていることにとても衝撃を受けました。

現在の家は茅葺屋根では無いので、イグネの持っていた本来の目的は無くなってしまったと主人は言っていましたが 「イグネから得たものは、イグネに返す」という習慣は、これからも続けていくと言っていました。

調べ物をする中で、続いていた物事がとぎれてしまうことを意味する、途絶えるの「途」は、古くは杜の都の「杜」の字も使われていた事を知りました。
今年の春は、「種まき桜」が咲いても、直ぐには種まきが出来ないのかも知れません。

でも、長く続いた習慣が杜絶えてしまわぬようにと願うばかりです。

設計:久保歩美・田中伸二
松匠創美の「家づくりの考え方

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□家づくりのことば・・

私(田村)が 事務所内で飛び交う会話の中に「今のは何だろう?」と思う建築用語が たくさんあります。
なんとなく聞き覚えのある言葉や 初めて耳にする言葉などを ここで少し紹介したいとおもいます。

○いってこい階段

形や段数は違っていても 階段はカイダンとしか思っていませんでした。

けれど先日のこと 木材を仕入れる際の伝票に「階段:上がり切り」と書かれていることに気が付き 上がり切り・・って何だろう?と思いました。
まずは自分で調べてみたところ 一直線で上り下りする階段のことだと解りました。

・・そういえば 円を描いた階段の事は「らせん階段」って言うんだったと思いだし 他にもまだ何があるんだろう?と興味が湧いてきました。

さらに調べてみると「行って来い階段」なるものが。

それは(中間に踊り場がある)折り返し階段の事だそうで  上がりと下りが同じ位置にあるので (高さは違いますが)行って戻ってくる動きから 「いってこい」というユニークな名前になったようです。

ことばの響きが面白いと思ったので 朝のミーティングで 次は「いってこい階段」を書いてみたいと報告すると みつけちゃったのね・・・と少し笑われながら「いってこい」はそんなに使われることはなくて 一般的には「廻り階段」と言うよ と教えてくれました。

でも 久保は「いってこい」を使うそうで もうひとつ面白い呼び方に上がり切りは「鉄砲階段」とも言うのだと 教えてくれました。
「どうして鉄砲なんですか?」と聞くと「真っ直ぐだからね。」と ストレートな答えが。

まだ他にもいくつかあるそうなので 外出した時にでも「単なる階段だ」と思わず これは何と言うのかな?と注目してみたいと思っています。

○行って来い階段=廻り階段・折り返し階段ともいう。階段の上りと下りが同じ側にあり、この階段は階段スペースを最小限に抑えることができる。

*階段= 上下階などへの昇降のために設けられた、異なる高さの床面をつなぐ段状の構造物のこと。「建築学用語辞典」岩波書店より

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☆お付き合いいただきまして ありがとうございます☆

出会い・つながる・木の住まい
有限会社 松匠創美

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