投稿

■ 第53号 ■

■□・・――――――――――――――2011年08月17日

木の家を知る・建てる・暮らす

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□ 目次

【1】 こんな感じに過ごしています 「 Lifetree さん」

【2】 「 借りぐらしのアリエッティ 」 を見て

【3】 家づくりのことば  「 キリヅマ屋根  」

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【1】  こんな感じに過ごしてます・・・

こんにちは 田村です。

松匠創美のウェブサイトにリンクもさせていただいている“天然素材で作る日常着”をコンセプトに雑貨・本・CDも展開しているお店「Lifetree」さんに 前回の葉山さんぽでお邪魔した時についてのことを紹介したいと思います。

事務所近くの森戸川沿いに建つ古い家を 松匠創美が改修工事をさせていただいてお店がオープンしたのが2009年の夏だそうで その日から川に架かる橋の上から見えるお店に「行ってみよう」と思いながらもなかなか行くことができなかったものですから 店内はどの様になっているのかとても楽しみでした。

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外観は“木造の小さな小屋”といった素朴な建物なので そんなに広くないのかなと思っていましたら 木枠にガラスの入った扉を開けると 大きな窓から降り注ぐ光が柔らかく店内を照らし 白い空間がふわっと広がっていて 外見から想像するよりゆったりとした店内でしたので 少しビックリしました。

入って左側に こちらのオーナー兼デザイナー真砂三千代さんが手掛けられた天然染め(草木・鉱物)オーガニックコットン素材の日常着が 涼しげに並んでいます。オリジナル商品の他にも作家さんの作品も取扱しているそうで ちょうど「と う め い な 夏」・・・という企画展をしている最中でした。(現在は終了しています。)

荒川尚也さん(ガラス作家・晴耕社ガラス工房)の工房から出た屑ガラスで作ったリサイクルグラスが大きなテーブルに沢山並んでいて どれもみな形や表情が微妙に違っていて 自分の手にあったグラスを探すのが楽しくて色々試していると 店員さんに「可愛い風鈴もあるんですよ」 と声をかけて頂きました。

ゆびが指す天井の方を見てみると 透明なグラスとは対照的な色とりどりの小さな風鈴がいくつか風に揺れていました。

そちらは ヒサマツエツコさんの「ココロスズ」という風鈴のような姿をしていますが 風で音がするのではなく 長く垂れた糸を揺らして音を鳴らす作品だということでした。

商品の説明を受けながら「散歩をしながらこちらまできました。」と話すと 葉山の街のコトや芸術祭に参加している時は お店の裏にある工房を開放するコトなど 色々なお話をしてくださってとても楽しく過ごすことができました。

9月からは「はぎれ市&Sale」が始まるそうです。

これを機会に ちょくちょくお邪魔させていただこうと思います。

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【2】   「借りぐらしのアリエッティ」を見て

こんにちは設計の田中です。

夏の始めに、久保を半ば強制的につき合わせて、ジブリ映画の「コクリコ坂から」を見てきました。それを皮切りに、レンタルをして来た「借りぐらしのアリエッティ」や、同年代のお客様との会話で盛り上がった子供の頃に見たTVアニメ「ふしぎな島のフローネ」を誕生日プレゼントに頂いたりと、すっかりアニメづいています。

今日は、僕のコーナーも夏休みという事にして「借りぐらしのアリエッティ」について書きたいと思います。

「借りぐらしのアリエッティ」の主人公は小人の少女です。人間の家の床下で、人間に見つからないように両親と一緒に「借りぐらし」の生活を送っています。必要な道具は自分たちでつくり出し、炊事や洗濯、掃除など人間と殆ど同じ暮らしをしています。ですが、たまに人間の家の中に忍び込み「狩」をするようです。

その「狩」をするシーンは、まるでルパン三世さながらで、人間の生活用品をちょっと拝借するのです。

「狩」で狙うものは、盗みという視点で見れば「ちょっとくらいなら人間にバレたりしない」物や量を狙うようでした。しかし狩という視点で見るれば、「捕りすぎると、いつか捕れなくなる」ことを避ける掟。また、量が減ったのに気付いたとしてもメルヘンチックに考えれば、妖精のイタズラで済まされる程度なのかも知れません。

映画の中では、主人公が「盗みではなく借りている」ことを感情的に訴えるシーンがありましたが、人間の畑を荒らす動物の訴えの様にも聞こえ、動物好きの僕の心を打ちました。

天敵のいない人間は誰に対して「借りている」という謙虚な気持ちを持たなきゃならないのか? なんて事も思ったりします。

住宅建築の視点に置き換えてみると先ずは地鎮祭。土地の神様に対して「しばらくお世話になります」と言う挨拶の意味が含まれています。

計画段階では、ついついとクライアントは夢が、設計者は理想が膨らみがちになります。建物はそんな住まい手や設計者の気持ちがストレートに形に現われてしまいます。窓が多すぎたり、照明が明るすぎたり、家のボリュームが大きすぎたり。そんな事にならぬように、謙虚な気持ちを持っていると「ちょうどいい家」に自然と出来上がっていくものだと思います。

また、工事の時は近隣の方に対して「一切ご迷惑お掛けしません」という事は現実には難しいことです。

「ご迷惑お掛けする場合もある」「ご協力頂かねばならない時はある」という謙虚な気持ちで工事を進められればと思います。

テーマは大きいですが「謙虚な家づくり」をこれからも心がけていこうと思いました。

設計:久保歩美・田中伸二

松匠創美の「家づくりの考え方

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【3】  家づくりのことば・・

私(田村)が 事務所内で飛び交う会話の中に「今のは何だろう?」と思う建築用語が たくさんあります。

なんとなく聞き覚えのある言葉や 初めて耳にする言葉などをここで少し紹介したいとおもいます。

○キリヅマ屋根

このコーナーを担当してから 普段何気なく歩いていた町中の家々を少し意識して歩くようになってきました。

このお家は霧除がついているな。とか 1階と2階では外壁の仕様が違っていておもしろいなぁ。とか・・まだまだその程度ですが 見て歩くとそれぞれの家の特徴などが解り どんどん面白くなってきています。

そして今回見つけたことばを知って さらに視野が広がってきました。

キリヅマ屋根 というのは屋根の形のひとつです。どう言った形かと言いますと 本を広げて伏せたような形・・よく言う「三角お屋根」の事です。

私の中では“屋根は三角だ”という知識で止まっていましたので三角ではなく切妻と呼ぶ事にも驚きましたが その他に「片流れ」や「寄棟」「方形(ホウギョウ)」などが基本としてあり そこからドーム型や駒形などなどさらに広がっていると 久保に「屋根のデザイン百科」(彰国社)という本を見せてもらいながら説明を受けた時は こんなにも沢山あるのか!と息を留めて見入ってしまったほどでした。

屋根は単に雨風を家の中に入れない為のモノ 程度にしか考えていませんでしたが 屋根素材も草や瓦・金属だったりとさまざまで その地域の気候・気象や景観・デザイン性などを踏まえて それぞれ変化していったということ 日本の気候は世界的に見ても激しい条件なので それに耐えられるようにと 雨風をしのぐことの大変さ 重要性が高い事を改めて気づくことができました。

久保が「建築条件によっても 室内空間を上手く活かせるように屋根形状を考えるんだよ。」と最後に付け加えて教えてくれ そうして廻りを見上げてみると本当に様々な屋根があって もっと知りたいなぁと興味がでてきました。

屋根のデザイン百科」・・ちょっと欲しくなっています。

○切妻屋根=大棟の両側にのみ流れをもつ屋根形式のこと。「建築用語辞典」岩波書店より

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☆お付き合いいただきまして ありがとうございます☆

出会い・つながる・木の住まい

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