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■ 第54号 ■

■□・・――――――――――――――――2011年08月31日

木の家を知る・建てる・暮らす

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□ 目次

【1】 こんな感じに過ごしています「 夏から秋へ~例大祭 」

【2】 「 9月1日は防災の日 」

【3】 家づくりのことば 「 コマガエシ 」

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【1】 こんな感じに過ごしてます・・・

こんにちは 田村です。

朝方に遠くから ドンドンヒャララ~と太鼓と笛の音が近づいて来るので 眠い目をこすりながら窓を開けると 森山神社(森戸大明神の兼務社)例大祭のお神輿とお囃子の山車が通り過ぎるところでした。

8月最終の土日に行われる(森山神社)例大祭を 毎年こんな感じで離れた所から眺めるだけで どんなことが行われているのか知らないで過ごしているのですが 調べてみますと神輿の他にも行事があるそうで それらは町の民俗無形文化財に指定されているとのことで驚きました。

山の中腹にひっそりとたたずむ神社の 神輿と山車が町中を巡回する様子は ゆっくりとした足取りで子供たちでも安心して参加できるのどかな行事ですので 内心甘く見ていたいましたが 来年は神社に行ってじっくり拝見してこようかと思っています。

森山神社の例大祭は (ほとんど)見逃してしまいましたが・・9月7日・8日には事務所から近い 森戸神社(森戸大明神)の例大祭が行われます。

こちらの神社は 海を目の前にして建っていて観光客などの人の入りも多いものですから お祭りもとても勢いがあり活気に溢れています。

昼はお神輿を担いだまま海の中まで入っていったり 夕方暗くなってくると神輿提灯に明かりがともり フィナーレに近づく男集の勢いが益してきます。漁師町特有の「どっこい神輿」スタイルの担ぎ方は“どっこい どっこい”の掛け声に合わせて 膝を大きく屈伸して担ぎ上げ 途中甚句が入りったりして 最後には上下に大きく揉む(揺らす)という動きが繰り返され とても迫力があります。

それを見ていると 日本人に受継がれている血が騒ぐような気がしてきます。もう少し若かったら・・その前に男に生まれていたら 是非とも担いでみたい!と 思ってしまうほど見ている方も楽しいお祭りです。(女性も担いでいたような気がしますが。)

それから境内には屋台も沢山でますのであれこれ迷うのですが 一の鳥居脇に出ている鯛焼き屋さんが美味しいので必ず買って食べています。空気も少しひんやりしてきますので 温かい鯛焼きは 格別です。

こんな感じで葉山の町中は 夏から秋に移り変わっていきます。

あぁ 8月も今日で最後なんですね。今年は結局海には入らず仕舞いでしたし 海の家にも2回ほどしか・・。

海の写真

久保のブログにも同じようなコトが書かれていて そういうものかと 画面を見ながら同じ気持ちで夏が終わるのをちょっとさみしくおもっています。

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【2】 9月1日は防災の日

こんにちは、設計の田中です。

明日の9月1日は、防災の日です。恥ずかしながら、僕は9月1日が関東大震災が起きた日だと記憶していませんでした。これではまずいと思い、今日は防災の日に因んで書くことにしました。

日本は、地震の他にも、火山活動、津波、台風、高潮、洪水、土砂崩れなどなどが頻繁に発生し、世界では自然災害のデパートとも、災害大国と呼ばれているそうです。その中でも、10万人という圧倒的な犠牲者をもたらしたのが関東大震災でした。

9月1日が防災の日に決まった理由は、震災の記憶、教訓を後世に伝えるものとして、関東大震災の発生した日に因んだものだそうですが、実はもう一つ大きな意味を持っているそうです。防災の日が決まったのが1960年。その前の年に伊勢湾台風が日本を襲っています。防災の日は、これから向かえる台風シーズンへの警戒心の呼びかけの意味も非常に大きいのだそうです。

台風は、年間30個ほど発生し、そのうち10個前後が日本に接近し列島に傷跡を残していきます。また気象庁によると年間平均2.7個、日本に上陸するそうです。年間10回前後も列島に暴風雨と高潮、河川の氾濫、土砂崩れをもたらし、多くの犠牲者を生む自然災害は大きな脅威です。

台風に対しての備えといえば、雨戸の戸締りや、窓に板を打ちつけたりなどがありましたが、これはアルミサッシとガラスの進歩によって関東ではすっかり少なくなってしまいました。その他には雨樋の掃除をしたり、植木鉢や物干し竿など飛ばされるものは家の中にしまい、懐中電灯やラジオの電池の点検などがあります。台風銀座と呼ばれる四国や九州、沖縄地方などでは、しっかりと準備をされていることと思われます。

実は、建築のデザインや構造計画の上でも強風対策はとても大きな課題となっています。例えば、梅雨のしとしと雨や夏の強い日差しを遮るのに役立つ軒や庇は、台風の時には弱点になる場合があります。ちょうど台風の時に傘をさして歩くのと同じで、屋根や庇がお猪口にならないように、しっかりと金物で梁と屋根を緊結しておかなくてはなりません。

また、地震の時は、屋根は軽い仕上げ材で出来ている方が有利ですが、台風の時はまったく逆で瓦のような重い屋根が有利です。以前に久保がブログで紹介しておりおりましたが、建物の構造計算では、地震よりも風によって建物が揺れる方が大きく揺れる場合も多く、そのため、風圧力に対して耐力壁や筋違いの量が決まったりします。これは、木造の2階建ての建物から、超高層ビルに至るまで同じ事です。

こうした設計や施工の技術進歩によって台風の影響が少ない関東あたりでは、自分も含めて備える気持ちが薄まってきている気がします。しかし、僕たちは3.11で自然の猛威を思い知らされたばかりです。この経験を今後に活かすためにも、年々勢力を増す台風に対しても準備を怠らず、厳しい気象条件に対して丈夫な構造の住宅設計をしていく一方で、自然の驚異に対して油断しない心構えを持って暮らしていきたいと思います。

設計:久保歩美・田中伸二

松匠創美の「家づくりの考え方

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【3】 家づくりのことば 「 コマガエシ 」

私(田村)が 事務所内で飛び交う会話の中に「今のは何だろう?」と思う建築用語が たくさんあります。なんとなく聞き覚えのある言葉や 初めて耳にする言葉などをここで少し紹介したいとおもいます。

○コマガエシ

いつもミーティングや伝票の入力の時に 響きから何のコトだろう・・と気になることばを ここで紹介させていただいていますが。今回は「これは知っている(聞いたことある)?」と久保に問われて教えてもらったことばです。

“コマガエシ”と言うのは 会話などによく出てきているそうなのですが 聞かれても「ハテ? そうでしたか・・。」と白状してしまうほど初耳でした。聞いたことがあるとすれば コマ送り・・なんてありますが コマ違いでした。

それはさておき 例えば京都などの古民家が建ち並ぶ街には 入り口や窓に掛った格子の間隔が綺麗に揃っているのをよく見かけると思うのですが その中で小返格子と呼ばれる格子は 材の幅と同じ空きの配列をしています。その配列を 小間がえし と言うんだそうです。

現在では木の格子を付ける家はあまり無いので 街中ではウッドデッキ・バルコニーのフェンスでこれを見かけることができます。小間がえしは 配列の感覚・見た目に自然で落ち着いた美しさがあるので 松匠創美で建てている家にも感じ良く配置されています。

古くから受継がれた工法は 形(格子からデッキ)は変わっても美しさは変わらないんですね。

ちなみに ことばの響きとしても日本語らしい音ですから 自然で逆にひっかかりが無かったのかなぁ と言ってみたりして・・・。

小間がえし の話をしている時に 次々と興味深いことばが出てきましたので 順次紹介していきたいと思っています。

○小間がえし

=格子・垂木などの配列を決定する方法の一つ。材の幅と間隔を同じにするものをいう。 「建築学用語辞典」 岩波書店より

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☆お付き合いいただきまして ありがとうございます☆

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