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■ 第228号 ■ 家づくり雑記帖 「省エネ性能義務化と樹脂サッシ」

□・・───────────────2021年10月11日

木の家を知る・建てる・暮らす (家づくり雑記帖)

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葉山・逗子・鎌倉を中心に無垢の木と自然素材で注文住宅とリフォームをしてきた工務店【松匠創美(まつしょうそうみ)】です。
最近のオンラインセミナーには、2025年に新築住宅の省エネ基準への適合義務化に向けての内容が多くなっているように感じます。その義務化へは、現在のところ樹脂サッシが大きなポイントとなっているため、今日は「省エネ性能義務化と樹脂サッシ」について書いてみたいと思います。

現在、住宅業界では、ウッドショックによる木材不足と価格の高騰、半導体不足による製品の納期の遅れに続いて、断熱性能が高く、冷暖房のランニングコストの削減に繋がる樹脂サッシの納期が大幅に遅れるという事態が起きています。
昨年の「2050年カーボンニュートラル宣言」を経て、2025年に新築住宅の省エネ基準適合義務化が進められている中で、政府の方針に沿ってなのかハウスメーカーが省エネ性能の高い樹脂サッシ導入に方向転換しました。その結果、サッシメーカーの生産力が追い付かず、納期2か月以上という大幅な遅延が起きているのです。

実は、この新築住宅の省エネ基準適合義務化は、数年前から検討と、見送りが行われています。
最初は、2015年に義務化を目指し、2013年頃から検討会が開かれましたが、設計事務所や工務店から「省エネ基準を満たしている住宅が少ないこと」「設計の自由度が失われる恐れ」、「省エネ住宅の経験値が少なく設計・施工共に対応できなく、倒産する設計事務所や工務店が増える恐れ」、「住宅の価格が上がり景気への影響の不安視」などの反対意見が多く見送られることになりました。
続いて、2020年に義務化を進めていましたが、同じ理由で見送られることになり、その代わりに、省エネ住宅について建築主への情報提供、意思確認などの説明の義務化が導入されました。

現在のところ、「2025年には義務化されるのでは」という声が多いように感じています。
今年に入り、有識者会議や、国土交通省、経済産業省、環境省の3省による検討会等を経て、来年には国会へ法案が提出される見込みになっていて、ハウスメーカーも樹脂サッシ導入など国の政策と足並みを揃えている印象ですので、義務化への準備が進んでいるように感じています。

私たちは創業以前から、省エネルギーを大切なテーマとして家づくりしてきましたので、その時代時代の省エネルギー性能の高いサッシを使用してきました。樹脂サッシについては、国が省エネ基準の義務化を検討している2013年から使い続けています。
樹脂サッシは、高い断熱性能や樹脂製ということもあって、少し骨太な印象はあるかも知れませんが、敷地周囲の環境を考慮して、窓の大きさ、種類、配置を検討することで、特殊なサッシを使用しないでも心地良い室内環境になるように設計しています。

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■ 第227号 ■ 家づくり雑記帖 「住まいの耐風性能」

□・・───────────────2021年09月6日

木の家を知る・建てる・暮らす (家づくり雑記帖)

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葉山・逗子・鎌倉を中心に無垢の木と自然素材で注文住宅とリフォームをしてきた工務店【松匠創美(まつしょうそうみ)】です。

9月になり、本格的な台風シーズンが近づいてきました。最近の台風の大型化は心配でなりません。線状降水帯にもみられる雨の量や、風の勢いも増しているように思います。今日は、住まいの耐風性能について書いて行きたいと思います。

最近の大型台風や、台風でなくても低気圧によってもたらされる強風の時、家の中にいると、家がまるで地震の時のように大きく揺れることは無いでしょうか。
2階建ての木造住宅を計画する場合に設計者が行う、構造耐力上必要な壁の量の計算では、地震よりも風に対して抵抗する壁の量で決まることもあるのです。

構造耐力上必要な壁量の計算では、床面積から割り出す壁の量の計算と、立面の見付面積から割り出す壁の量の計算の両方を満足させる必要があります。前者は耐震性能、後者は耐風性能と言います。

耐震性能と耐風性能をイメージするには、例えば辞書のような長方形のもので実験してみてください。辞書を台の上に立て、その台を指で1回、押してみてください。次に同じ力で辞書を横から指で押してみてください。こちらの方が簡単に倒れてしまいます。
ということから、実は長方形の住宅の場合、耐震性能より耐風性能で壁の量が決まることがあるのです。その結果、耐震性能は多少余力が生まれ、耐風性能はギリギリになるケースも少なくありません。

そんなこともあり、最近の強風時に地震のような建物の揺れを感じるのかもしれません。
ただ、日本の法律では、伊勢湾台風時に記録された暴風(最大風速50m/s)に対して倒壊、損傷しないよう、安全率が見込まれていることもありますので、安心ではありませんが、心配し過ぎるのも良くないと思います。

松匠創美で建てる住宅は、三浦半島の地域別風速が神奈川県で一番強く、宮崎県の日南市と同じということもあって、いつも耐風性能に対しては、法律の1.2倍程度に割り増して計算をするようにしています。また、最近は九州の家づくりの指針などにも目を向けるようにしています。

最後に、家づくりとは別の話になりますが
9月1日は防災の日です。いまいちど、避難警報のこと、避難場所のこと、家族の連絡方法のこと、土砂災害警戒区域のこと、防災グッズのことなど、家族会議をするようにしてみてください。

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こんにちは。
葉山・逗子・鎌倉を中心に無垢の木で注文住宅を建てている工務店【松匠創美(まつしょうそうみ)】です。

今回は、松匠創美の建てた家「Woodenn hut」の続きです。前回は、個性的になりすぎず、地味になりすぎずをテーマにして設計した外観についてご紹介しましたので、今日は、内部についてです。

前回ご紹介した外部の計画では、一番迷ったと言いますか、決めるのに二転三転し何度も何度も検討を重ねたのが屋根の形状でした。
実は、その屋根以上に二転三転した部分が、事務所機能を2階にするか1階にするか、靴を脱いで建物に上がるか上がらないかでした。
最終的に決まったプランは、より住宅に近い靴を脱いで上がる形式にし、事務所機能を1階、打合せとショールーム機能を2階にする計画でした。来て下さった方が建物全体と松匠創美の面々を自然と見ていただける動線にできたと思っています。

内部の仕様は、1階の床材が床暖房対応のヒノキで、2階は杉です。仕事用のキャスター付きの椅子を使用していますし、ゴールデンレトリバーの空之助が歩いた結果の傷付く具合を見て頂きたいと思っています。また、床暖房による床材の乾燥収縮も見て頂くことが出来ます。
壁と一部の天井は漆喰です。左官屋さんが塗った仕上がりと、セルフビルドで塗った仕上がりとを比べて頂けるようにしました。
殆どの天井は「敷き天井」という2階の床の梁と下地材が見えている天井です。無垢の木が露出していますので調湿機能が高まります。2階の歩行音や声の通り具合を確認して頂けると思います。
窓は、樹脂サッシと木製サッシを取り付け、樹脂サッシは窓種もなるべく豊富にして使い勝手を知って頂こうと思いました。内部の建具も開き戸や引戸、ハンガードアなどの開閉方式や素材を変えてありますので、こちらも違いを知って貰えるのではないかと思います。

水回りのタイル仕上げは変化を付けてみました。トイレはデザインタイル、キッチンは定番タイルを斜めに貼りました。ところどころに遊び心を加えると良いアクセントになると思います。

他にも、スリット階段、階段下収納、納戸、ロフト空間などを見て頂く事が出来ます。

内部の温熱環境は、断熱性能をお勧めしている仕様で建てたところ、国の定めた一次エネルギー消費量を100パーセントとした時の36パーセント程度まで押さえた性能という結果でした。これは外気の影響を受けにくく、内部の熱が逃げにくいという事で、冷暖房効率が高いという事です。夏や冬にお越しくださった場合、部屋毎の温度差が少ない事を体験して頂けると思います。

「Woodenn hut」は、普段の家づくりと同じ手法で建てたショールーム兼事務所です。見て、触って、体感して、知って頂けるようになっています。
是非、お越し頂きたいと思っています。お待ちしております。

次回は、築15年経ったショールームについてご紹介したいと思います。

設計:久保歩美・田中伸二

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https://hayama-ie.jp/thinking
ショールームへお越し下さる方はコチラからお願いします。

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