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■ 第40号 ■

■□・・―――――――――――――――2011年02月16日

木の家を知る・建てる・暮らす

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□こんな感じに過ごしてます・・・

こんにちは 田村です。

月曜日はここ葉山でも積もるくらいの雪が降りましたが その前日の日曜日は お出かけ日和と言ってもいいほどの暖かい天気で 自転車に乗って少し遠くまで出かけることにしました。

葉山(事務所のある堀内周辺)は 車1台が通るのがやっと という細い路地が多いので案外知らない道が沢山あって「ココとココが繋がるのかぁ~?」と キョロキョロしながら走って葉山を抜け 最初の目的地逗子の山手にある披露山(庭園住宅)へ到着しました。

「日本のビバリーヒルズ」と言われるほど 立派なお宅が建ち並ぶ街並みは ちょっとした観光スポットでもあって 散歩をしている人たちが沢山います。

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実は 私はここへ来るのが今回初めてで 話に聞いていたとおりの高級感にあんぐりと口が開きっぱなしでしたが しばらくして目が慣れてくると 電信柱や電線がどこにも無い事と塀がない事に気がつきました。なんと電線や電話線は地中に埋め込まれて 塀がないのは建築協定という決まりごとがあって 人工的な塀を造る事は制限されているんだそうです。

どこのお宅もとても広い敷地を持っているのですが 目を遮る物がないので さらに広々として見えるよう考えてある事に感心してしまいました。

目が満腹になった頃 お腹がすいてきたので 鎌倉でご飯でも食べようと披露山を下り 逗子マリーナで有名な小坪を走っていると 革ジャンを着た大柄な男性3人が かき揚げの入った丼を食べているのが目に飛び込んできました。

思わず「おいしそうっ!」と声に出てしまい 自転車のスピードがついていたので1度は通り過ぎたのですが その場所まで戻ってみるとそこは「めしやっちゃん」というご飯屋さんでした。

我慢できず鎌倉へ行く前にココで お昼を食べることにして 沢山あるメニューの中から 本日のおすすめ「カレイとアンコウのから揚げ定食」を頼みました。

男性3人がいたテラス席を選んで待っていると お店の前をまっすぐに延びる道の脇に 等間隔で植えられたヤシの木が見えます。

先ほどの披露山と並んで こちらも高級リゾート地として知られているところで ヨットハーバーやテニスコートがあり 高級マンションが建ち並んでいます。
どちらも私が産まれる前からある住宅地ですので 歴史は感じられますが 解放感のあるゆったりとした空間が保たれている事が 今でも人気がある証拠なのかなぁ・・と思いました。

さて 定食はお値段が手頃なのに 2~3種の小皿やアラ出し汁など から揚げのお魚も新鮮でとても美味しく頂きました。

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書ききれないので省略しますが その後鎌倉・藤沢まで足をのばし 暗くなる頃 葉山へ戻ってきました。
車の速度では見過ごしてしまう様な景色を見る事ができたことと案外自分の体力が続いた事に 満足した一日でした。

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こんにちは、設計の田中です。

今日は、昨年末に完成した松匠創美の建てた家を紹介をしたいと思います。

「光が降りそそぐ階段室のある家」(写真はコチラです)

クライアントご夫婦は、元々東京にお住まいで、不動産関係のお仕事につかれている方でした。

前々から気になっていた土地が、ちょうど売りに出たので直ぐに購入を決めたそうです。
敷地は北側道路で、南北に細長く平坦。東西の隣地は、計画自体はありましたが、まだ建物が完成していない状況でした。

今はご夫婦お二人だけですが、将来は子供を1人、そして犬が一匹の家族をご希望でした。

建物についてのご要望は多くなく。丈夫な木の家で、内装は自然素材で仕上げたいというものでした。
と言のも、ご主人はハウスダストによるアレルギーをお持ちで、笑いながら「家では常に掃除している感じなんです」と言うほどだったからです。

南北に長い敷地の形状からすると、東西からの採光は期待できないことが予測できました。
また、南側の隣地にも2階建ての住宅が境界線に寄せて建っていましたので、2階リビングで計画を進めました。

1回目の計画案で方向性は固り、2回目以降の早い段階で模型や、通風のシュミレーション検証や東西のお隣さんの窓の位置を教えていただき、窓が鉢合わせにならない様に、位置や開き勝手を調整していくことが出来ました。

完成した建物は、玄関ホールから扉を開けて奥へ進むと、建物の中ほどに位置する階段室です。
階段は、1階からロフトまで通じていて、ロフトの高窓から1階まで光を届けてくれるライトウェル(光壷)の役割をしています。
また、この空間は、1階南側に位置する子供室の気配をリビングへと伝えてくれます。

その階段を上ると吹抜以上に明るいリビングが南北に貫いた形で配置されていて、周囲からのプライバシーはしっかり保たれつつ、近くの山々が臨めるほど、開けた空間になっています。

クライアントが引越して1カ月後くらいにご挨拶に伺いました。

その時、甥っ子が泊まりに来た時に喜んでキッチンの回りや家中を走りまわって、壊されるのでは?と心配になった話や、会社に着ていく洋服は階段室の床暖房で暖めておくというお話しなど、楽しく暮らしている様子を聞かせて頂きました。

お話を伺って、こちらも幸せな気持ちになりました。

設計:久保歩美・田中伸二
松匠創美の「家づくりの考え方」  「建てた家

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□家づくりのことば・・

私(田村)が 事務所内で飛び交う会話の中に「今のは何だろう?」と思う建築用語が たくさんあります。
なんとなく聞き覚えのある言葉や 初めて耳にする言葉などをここで少し紹介したいとおもいます。

〇ふかす

2月から着工しているお家(現場)の図面を見ながら ミーティングをしている際に設計の二人が 同じ言葉を何度も何度も繰り返していました。

いったい何を検討しているのか気になったので 首を伸ばして図面を見てみると どうも内壁の辺りを指しながら「ふかす」とか「ふかして」と言っています。

言葉自体は珍しくはありません 私が“ふかす”で思い浮かべたのは「車のエンジンをふかす または お芋をふかす・・」この二つです。

しかし どちらも(その)意味がわかっていても 壁(の辺り)コト?では繋がりそうにありません・・・。

話している内容をじっくり聞いてみると 照明やプラグなどの配線を壁の中でどうすれば巧く収まるのかを検討しているようで その過程で“ふかす”と言う言葉が使われているようでした。

それでもやはりしっくりこないので ミーティング後 久保に聞いてみると イラストを交えながら話をしてくれました。

壁を造る工程は 柱と柱に石膏ボードを直接貼るのが一般的なのですが 電気の配線は壁の中を通したいので その為のルートを確保しなければなりません。そんな時 柱と石膏ボードの間に1~2cmの胴縁と呼ばれる木材をはさむ事で隙間を作ることを“ふかす”と表現するのだと教えてくれました。

(画面向かって右がボードを貼った後で 左が貼る前の状況です。)AR 2008_0718

それを聞いて コンセントの位置などもあたり前に付いていると思ってたので そうは簡単にいかないことに少し驚きました。

漢字はどう書くのか?とさらに突っ込んで聞いてみると「普段はカタカナで書いていたから 特に疑問にも思わなかったけれど・・どんな字なのか知らないかも。」と 二人も興味が湧いてきた様子です。

田中が建築学用語辞典なるものを 棚からひっぱりだして確かめてみたところ「蒸す=ふかす」と表記されていました。

残念なことに由来まではわかりませんでしたが “芋を蒸す”と同じ字を書くなんて思わなかった!と とても面白い発見をしたことに 事務所内が盛り上がりました。

○蒸す=仕上げ面などを決められた面、あるいは標準的な面よりも前面に張り出して造ること。(建築学用語辞典 岩波出版より)

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☆お付き合いいただきまして ありがとうございます☆

出会い・つながる・木の住まい
有限会社 松匠創美

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