投稿

こんにちは。
葉山・逗子・鎌倉を中心に無垢の木で注文住宅を建てている工務店【松匠創美(まつしょうそうみ)】です。

今日は、「耐力壁ジャパンカップ」についてです。久保のブログでも毎年ご紹介させて頂いている通り、年に1回開催され、松匠創美では大会を観戦に行くのが行事化しています。

耐力壁とは、地震や風によって建築に加えられる横向きの力(水平力)に対して抵抗する壁の事です。木造住宅においても、この耐力壁がバランス良く配置されています。その耐力壁の日本一を競う大会が耐力壁ジャパンカップです。

大会は、実物大の木造耐力壁を組み立て、足元を固定した状態でどちらか一方の壁が破壊するまで、桁を互いに引き合わせて対戦するトーナメント戦です。

IMG_4065
最後まで勝ち進んだ耐力壁には「トーナメント優勝杯」が贈られ、また、コストパフォーマンスを示す評点が最も高い耐力壁には、ジャパンカップ優勝杯が贈られます。
ジャパンカップ優勝杯を手にする為には、耐力壁の組み立てが容易で、解体作業では短時間で分別でき、材料費が押さえられ、柳の枝のように粘り強く破壊しない壁である事が重要です。

見どころは、その年年によって違うレギュレーションの中で、チーム毎の拘りと、アイディアの結晶が、ぶつかり合う(実際は引っ張り合う)実物大耐力壁の破壊実験の結果予測です。その予測が当たっても、外れても面白いのです。

例えば、色々な拘りをあげて行きますと、伝統工法の貫材をつかう。戦後から普及している斜材も使う。現代的な合板を使う等や、固定方法では、伝統的な込み栓、クサビのみで勝負する。現代的なビスや金物を駆使する。等もあります。木材に於いても、国産材のみか、海外の固い木を用いるか、工場の加工材、DIYでも調達できる材にする等があり、各チームが、どこまで自分たちのコンセプトに拘るか、どこまで妥協するか試行錯誤しています。そして一番の拘り違いは、トーナメント優勝とジャパンカップのどちらを目指すのかです。トーナメント優勝を果たしやすい固く頑丈な耐力壁は、コストパフォーマンスが落ちてしまい、ジャパンカップを獲得しにくいルールになっているのです。

これだけ、拘りの違いが対戦する大会だけに、参加チームも様々です。
建築業界に多くの人材を輩出している東大、京大、早稲田大、理科大の研究室から専門学校の部活動まで。北は東北、南は四国の大学までも参加した事があります。企業では、埼玉県千葉県の大きなハウスメーカーやビスメーカー。過去の参加チームには、木場の製材協同組合や確認検査機関までも参加した事がありました。
耐力壁ジャパンカップは、プロアマ問わず、考え方の違いも問わず、真に耐力壁の日本一を決める大会なのです。

実は、今年の20回目の大会で一区切りとし、来年からは新しい大会に生まれ変わる予定だそうです。
過去5回トーナメント優勝を果たしたハウスメーカーの研究所の方が、「一区切りだから優勝した耐力壁を会社のイベントで5体展示しようか」という立ち話をしていました。それを聞いた僕は「5対の耐力壁を対戦させて、どの壁が一番か競わせて欲しいです」と伝えたところ、毎年レギュレーションもコンセプトも違うし思い入れもあるから、どれが一番っていうのは決め難いな。との事。
最後の最後まで、奥の深い大会だと感じました。

設計:久保歩美・田中伸二
松匠創美の「家づくりの考え方」

────────────────────────・・□■
■□・・────────────────────────

☆最後までお付き合いいただきまして ありがとうございます☆
出会い・つながる・木の住まい 有限会社 松匠創美
https://hayama-ie.jp
▲身近な写真と共にブログ更新中

〒240-0112 神奈川県三浦郡葉山町堀内785-4
Copyright (C) 2014 松匠創美 All rights reserved.

こんにちは。
葉山・逗子・鎌倉を中心に無垢の木で注文住宅を建てている工務店【松匠創美(まつしょうそうみ)】です。

今日のお話は、「自分でできる登記」についてです。先日、クライアントご自身が登記にチャレンジした事もありまして、ここでご説明したいと思います。

新築をした際に必要となる登記は2種類あります。一つは「表題登記(表示登記)」もう一つは「所有権保存登記(保存登記)」です。表題登記とは、新築建物が完成した時に、それまで存在しなかった不動産が物理的に存在する事になるので、存在を公の帳簿に載せるという行為になります。一方、所有権保存登記は、表題登記した建物の所有権を登記します。所有権保存登記まで行って、自分の財産だと公に主張できるようになります。

家づくりの流れの中では、多くの場合、完成引き渡しのタイミングに合わせて、表題登記の手続きを行う事が必要となります。一般的には、建て主が土地家屋調査士に直接依頼するか、工務店を通して依頼する事になりますが、建て主本人が行う事もできます。手続きを依頼した場合、平均して9万円程の費用が掛かります。しかし、ご自身が手続きを行う事で、登記の費用を減らす事も可能になります。

表題登記の手続きは平日に法務局で行います。法務局へ足を運ぶ回数は3回(事前相談、受付、受取)程度です。

手続きに必要となる書類は、1)登記申請書、2)案内図、3)住民票、4)所有権証明書、5)原本還付証明書、6)建物図面、7)各階図面です。
この内、1)、2)、5)は、法務局に事前相談に行った日又は、提出しに行った日にでも対応できる書類です。3)は市役所にて数分で用意する事が出来ます。4)は、完成引き渡し前であれば工務店や設計事務所に準備してもらう書類です。引き渡しが済んでいれば確認申請書の原本を一式持って法務局に行けば対応できます。
一番の難関は、6)と7)の図面のみと言えます。パソコンで図面を描ける方であれば、確認申請の図面を縮尺に合わせて登記用の図面に描き写せば完成させられると思います。建築図面が苦手な人でも、図面の何を描き写すかを窓口で事前に相談すれば作図可能な内容です。もしCADを扱った事が無い、持っていない方でもフリーのJWW(JWCAD)という建築業界でも普及率の高い安心して使えるソフトを使えば、作図可能だと思います。
JWW(JWCAD)はフリーソフトという事もあり、ネット上に使い方の説明が沢山あります。「JW 登記」や「JW 使い方」などで検索してみて下さい。また、図面用の用紙もB版サイズや他にも規定がありますが、A版のコピー用紙に印刷してB版サイズに切り落とせば問題ありません。
少しハードルが高く感じられるかも知れませんが、先ずは、窓口相談と、CADに触ってみるのがお勧めです。

最後に、「自分でできる登記」ではありますが、土地家屋調査士に代理人として表題登記の手続きを依頼すると、何故平均して9万円も費用が掛かるかと言うと、書類の用意、依頼人との打ち合わせ、市役所で住民票の請求、設計事務所や工務店と重要書類の(手渡しでの)受取と返却、図面通り完成しているか建物の現地調査、図面の作成、法務局へ提出と受取、これらに費やす移動と時間と、専門知識と経験と責任、登記する財産の大きさ等々に対する費用なのだと考えると適当な費用なのだと思います。

設計:久保歩美・田中伸二
松匠創美の「家づくりの考え方

――――――――――――――――――――――――・・□■
■□・・――――――――――――――――――――――――

☆最後までお付き合いいただきまして ありがとうございます☆
出会い・つながる・木の住まい 有限会社 松匠創美

▲身近な写真と共にブログ更新中

〒240-0112 神奈川県三浦郡葉山町堀内785-4
Copyright (C) 2014 松匠創美 All rights reserved.

こんにちは。
葉山・逗子・鎌倉・湘南エリアで無垢の木の注文住宅を建ててきた工務店【松匠創美(まつしょうそうみ)】です。
今日の目次は下記です。どうぞ宜しくお願い致します。

【1】  葉山の魅力散策「 くるくる市 」

【2】   家づくり雑記帖 「 省エネルギー住宅の色々 」

【3】 お知らせ

――――――――――――――――――――――――・・□■
■□・・――――――――――――――――――――――――

【1】 葉山の魅力散策「 くるくる市 」

こんにちは、千葉です。
やっと夏休みも終わりに近づいてきました。お天気があまり良くない日が多い夏となりましたが、思いっきり遊んで親子ともども真っ黒に日焼け致しました。あとは宿題の追い込みのみです・・・

今日の葉山の魅力散策は、 葉山町が主催の「第10回くるくる市」というイベントのご紹介です。
“ゆずりたいものもってきてください”というキャッチフレーズのリユースをすすめるイベントですが、持ち込みは葉山町民対象で、持ち帰りだけでもOKだそうです。
持ち込みできるものは、基本ルールとして①使用可能なもの、②破損・汚れなどないものだそうです。そしてすべて無料で持ち帰りができます。袋などの提供はないので、必ずマイバックをご持参下さい。
もう必要なくなってしまったものたちが、必要とされるご家庭へ運ばれるという循環はとても素晴らしいことだと思います。

20170829212528674_000120170829212528674_0002

――――――――――――――――――――――――・・□■
■□・・――――――――――――――――――――――――

【2】 家づくり雑記帖 「省エネルギー住宅の色々」

こんにちは、設計を担当している田中です。
最近の建築業界は、専門家でも整理しないと解らなくなる程、似た内容の言葉が沢山あります。今日は、「省エネルギー住宅の色々」と題しまして、最近よく目にする、耳にする言葉を整理したいと思います。

建築業界では、環境問題の原因となっている地球温暖化の対策の為に、さまざまな基準が作成され推進されています。その中から、今日は「H25年基準」、「認定低炭素住宅」、「ZEH(ゼッチ)」、「CASBEE(キャスビー)」、「LCCM住宅」、「HEAT20」、「スマートウェルネス住宅」、「長期優良住宅」について、特徴を説明して行きたいと思います。

現在、全ての省エネルギーの基準となっているのが、「H25年基準」です。H25年基準は、H25年以前まで求められていた最も高い外皮性能(断熱性能)を最低基準化したものにプラスして、冷暖房、換気、照明、給湯の一次エネルギー消費量も考慮した基準です。H32年に義務化が予定になっています。国の定める最低基準ですので、省エネ率は0パーセントと表現されています。

省エネ化を一歩進めたものが「認定低炭素住宅」になります。認定低炭素住宅は、H25年基準の一次エネルギー消費量をマイナス10パーセントした基準に加えて、低炭素化措置として、節水対策、エネルギーの見える化するシステム(HEMS)等の導入、ヒートアイランド対策、建築の構造体を低炭素化(劣化対策、木造化等)の内、2項目を導入した住宅です。国土交通省から補助金を受ける事ができますし、その他の税制上の優遇を受ける事もできます。省エネ率は10パーセント削減相当です。

省エネ化をもっともっと進め、国が推奨しているのが、「ZEH(ゼッチ)」になります。ZEHは、ネットゼロエネルギーハウスの略で、考え方としては小さいエネルギーで暮らし、使うエネルギーに相当するエネルギーを創り出す事で相殺し、消費エネルギーゼロとなる住宅です。こちらはH25年基準の外皮性能を強化した上に、一次エネルギー消費量をマイナス20パーセントし、太陽光発電等の再生可能エネルギーを導入して基準を満たします。エネルギーゼロなので、省エネ率が100パーセント削減です。また、ZEH(ネットゼロエネルギーハウス)と似た言葉にゼロ・エネルギー住宅があります。ZEH(ネットゼロエネルギーハウス)は経済産業省の補助金、ゼロ・エネルギー住宅は国土交通省の補助金を受けられ、性能は同じです。

また、省エネ率が100パーセント削減とまではいかないけれど、それに近づけた住宅として位置づけられている基準が、「NearlyZEH」です。ZEHとほぼ同じ基準ですが、一次エネルギー消費量の基準が少しゆるく、省エネ率が75パーセントになる住宅です。

「CASBEE(キャスビー)」と「LCCM住宅」は、国土交通省が主導して、社団法人や財団法人が行っている省エネルギーの評価基準です。どちらも高い省エネ率で、CASBEEのレベル5やLCCM住宅は100パーセント削減相当です。
CASBEEは、室内環境を快適にし、長く使い続け、ランニングコストを押さえ、ゴミも減らし、まちなみと生態系に配慮する総合的な環境評価システムの事です。一方のLCCM住宅は、建設時、運用時、廃棄時のCO2を減らし、太陽光発電等の再生可能エネルギーを設置する事で、建設から廃棄までの期間でCO2をマイナスにする住宅の事です。

これから、耳にする事が増えるのではないかと思う「HEAT20」は、完全な民間の団体が行っている基準です。環境先進国では、国の方針より厳しい基準でリードする民間団体が多く存在し、日本のそれに当たります。外皮性能を国の目標より更に高くする事で、快適性の向上を図る基準です。

最後に「スマートウェルネス住宅」や「長期優良住宅」の案内です。スマートウェルネス住宅とは、医療介護、バリアフリー、省エネルギーに関する提案住宅です。社会的に重点分野として注目されていますが、省エネルギーについて言えば明確な基準は定められていません。
長期優良住宅は、木の成長に合わせた林業のサイクルを考慮して長期に渡って住宅を利用する事が、建設、廃棄時のCO2削減につながるという考えが含まれた住宅です。省エネルギーについての基準は、現在のところ「H25年基準」と同じですが、構造強度や維持管理、劣化対策などの基準が定められています。

松匠創美では、丈夫な構造、自然の力の利用、外皮性能、良質な素材など、総合して家づくりしている為、これらの中からクライアントに合った性能をご提案していきたいと思っています。

設計:久保歩美・田中伸二
松匠創美の「家づくりの考え方

――――――――――――――――――――――――・・□■
■□・・――――――――――――――――――――――――

【3】  お知らせ

千葉の担当しておりました「葉山の魅力散策」は、今回が最終回とさせて頂く事になりました。今後、「葉山の魅力散策」は、Facebookでご紹介して行きたいと思いますので、Facebookの方もチェックして頂ければと思います。ありがとうございました。

――――――――――――――――――――――――・・□■
■□・・――――――――――――――――――――――――

☆最後までお付き合いいただきまして ありがとうございます☆
出会い・つながる・木の住まい 有限会社 松匠創美

▲身近な写真と共にブログ更新中

〒240-0112 神奈川県三浦郡葉山町堀内785-4
Copyright (C) 2014 松匠創美 All rights reserved.