今日は、昨日に引き続きまして、9月18日に

日本建築専門学校で開催されました

木造耐力壁ジャパンカップ決勝トーナメント第3戦目の話です。

第3戦目も予選4位通過対予選6位通過の対戦と言う事で、

好勝負を期待したいところです。

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写真左、予選6位の壁『グレコ』は、

少し前に校舎を見学に伺いました、

ポラス建築技術訓練校のチームです。

短時間に施工可能で金物を使用していない壁は、

仕口にそれぞれ工夫を凝らしているとのこと。

写真右、予選4位の壁『紬~Final~』は、

久しぶりにエントリーのアキュラグループ+

東京大学木質材料学研究室+篠原商店のチーム匠です。

金物や接着剤を一切使わず、国産針葉樹材を用いた壁は、

縦貫材をギッシリ並べ、力の分散を狙ったとのことです。

最終回と言う事で、帰って来た大横綱チーム匠に対して、

ポラス建築技術訓練校チームがどこまで対抗できるか

金物を使用していない同士の壁対決楽しみです。

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結果は、『グレコ』の柱が破断したことで、

『紬~Final~』の勝利です。

やはり斜材の接合部が厳しかったようです。

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第2戦では、縦横の格子壁が

面材をビスで固めた堅い壁に敗れましたが、

第3戦では、縦横で紡いだ壁が

斜材の入った堅目の壁に勝利しました。

こんなことも楽しいところのひとつです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今日は、9月18日に日本建築専門学校で開催されました

木造耐力壁ジャパンカップ決勝トーナメント第2戦目の話です。

第2戦目は、予選5位通過対予選3位通過の

対戦になりますので、好勝負が期待されます。

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予選5位の壁『格子くん』(上の写真左)は、

東京理科大学永野研究室野田醤油コーラ′sチームです。

柱の内側にもう1本ずつ柱を抱かせ、6本の横貫と

格子に編んだような構造ですが、上部と下部の一部に

スギの面材が入っています。金物は使用されていません。

一方の予選3位の壁『伊達なビス絵巻』(上の写真右)は、

シネジックwithKMC チームです。

シネジックは、ビスメーカーさんですので、

今回もしっかりとビスを使用した壁で臨みます。

しかし、今回は金物重量制限ルールがありまして、

木材による込み栓も併用して対応したとのこと。

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結果は、ジャッキが引ける長さ一杯の450㎜に達した時点で

変位の小さい方の勝ちというルールにより、

450㎜に達した時点では、どちらも壊れていないのですが、

より変位の大きかった『格子くん』の敗退が決まりました。

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『伊達なビス絵巻』はビスで固めた堅い壁でしたので、

貫構造の柔軟な壁の『格子くん』は、変位が大きく、

足元の土台にだいぶ負担がかかっていたようです。

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良く見ますと貫を固定すクサビの形状に工夫が見られます。

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簡易に解体できるようにも工夫したと言うだけあって、

学生さんでも、あっと言う間に解体を終える事が出来ました。

『伊達なビス絵巻』壁、準決勝進出おめでとうございます。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

今日は、9月18日に日本建築専門学校で開催されました

木造耐力壁ジャパンカップ決勝トーナメントの話です。

今年新たに追加されたルールがありまして、

それは、壁に45センチ角の開口を空けるというものです。

このルールにより新鮮な壁による対決が見られました。

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それでは、最初の対戦からご紹介いたします。

予選1位通過の壁『メケメケ』(上の写真)は、

東京木場製材協同組合、株式会社シネジック、

東京大学木質材料学研究室による連合チームです。

オールヒノキ材で、土台のみ集成材を使用とのことですが、

さすが、東京木場製材協同組合さんの用意された

節のない素晴らしい材です。これをネジメーカーである

シネジックさんのロングビスによりしっかりと固定しています。

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対するのは、予選を7位で通過した

滋賀職業能力開発短期大学校の壁、『八龍』です。

金物などの非木材を一切使わずにカシの込み栓のみで

アカマツによる構造部材の接合部を固定しています。

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この2体、デザイン的には近しい感じも致しますが、

予選通過順位からも推察される通り、

見るからに材積に差があり、強度の違いは明らかでした。

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斜材により初期剛性はそこそこあったのですが、

その分、脆性的破壊が起こりやすいリスクもありました。

結果、柱が破断し、勝敗は決まりました。

実際の建物も筋違いが使われていますので、

建物が脆性的破壊により倒壊することがないよう

如何に粘らせるかが、大切な構造要件となります。

初戦からいい勉強をさせて頂きました。

耐力壁ジャパンカップの話は、続きます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。