昨日に引き続き、富岡製糸場を見学したときの話です。
富岡製糸場、建物の内部へ入れるのは、昨日ご紹介しました
『東繭倉庫』と今日ご紹介いたします『繰糸場』の2箇所です。
写真が繰糸場の外観です。
繰糸場とは、繭から生糸を取る作業を行っていた場所で、
当時、300の釜が設置され、世界最大規模の製糸工場でした。
生糸を取る作業とは、釜で繭を煮て柔らかくし、
生糸の先端を探し出し巻き取っていくという、
現代では気の遠くなりそうな作業のことです。
屋根は従来の日本の屋根の組み方の和小屋ではなく、
日本で最初期の斜材が入ったトラス小屋組です。
これによって、内部に柱がない広い空間が実現しています。
また、釜から立ち上る蒸気は腰屋根から排出しつつ
(腰屋根とは、屋根の一部が一段高くなった造り)
光も差し込む造りになっています。
当時の日本にはまだ無かったガラスをフランスから輸入し、
東西に高窓を配置した空間には、いっぱいの光が差し込み
作業をしていた工女たちの気持ちも
明るくしてくれていたのではないでしょうか。
*現在保存されているのは、創業時のものではなく、
昭和40年以降に設置された自動繰糸機です。
ツアーの話は、次回に続きます。