松匠創美のメールマガジン「木の家を知る・建てる・暮らす」

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■ 第49号 ■

■□・・――――――――――――――――2011年06月22日

木の家を知る・建てる・暮らす

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□ 目次

【1】 こんな感じに過ごしています「 muffinはいかが  」

【2】 「 京都へ。その1 」

【3】 家づくりのことば 「クツズリ 」

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【1】 □こんな感じに過ごしてます・・・

こんにちは 田村です。

葉山にまだおしゃれなお店が少なかった10年ほど昔にオープンした焼き菓子のお店「Beach muffin」さん。

店内には 有機栽培や無農薬の材料を使ったマフィンやケーキなどのお菓子の他に アメリカなどから輸入した食材や小物などが並び とてもポップでカラフルな外国の匂いがするかわいいお店です。

場所は逗子方面から葉山御用邸まで続く道 地元ではロイヤルロード*と呼ばれている国道134号線の道沿いで 以前紹介した葉山緑地の近くです。
(*天皇一族がこの道を通って 御用邸入りされる為そう呼ばれています。)

私は仕事の帰りに寄り道をしては マフィンを買い食いしています。
甘い香りのするマフィンを家まで我慢することができないのです(笑)

店主のマリコさんは とても明るくひとなつっこい人柄で vegan(動物性の物を含まない)のお菓子作りのスペシャリストです。 夫のLarryさんはアメリカ出身で 日本語はカタコトですがユーモアがあり いつも笑わせてくれます。

お店がオープンした当時 オーガニック食材の存在をほとんど知らなかった私はこのお2人に出会い よけいな味をつけなくても十分に美味しいお菓子や料理ができるということを教わりました。 そして クリスマスやホームパーティなどのアメリカ文化にも触れさせてもらい 沢山のお友達もできました。

この思い出いっぱいのお店が来月7月に 葉山からお隣の逗子に移転することが決まりました。

葉山のお店は小さい為販売のみの営業でしたが 逗子ではカフェもできるとのこと。元々は「Coya」という料理家/根元きこさんが開いていたカフェだった場所で 根元さんが沖縄に引っ越しをされたので その後に店を構えることになったのだとか。

お店がちょっと遠くなるのは寂しいのですが 今度からは買い食いではなくて ゆったりとお茶ができるのは嬉しいことです。

逗子の海

7月14日(木)・・あっ! 田中の誕生日にオープンらしいですので 皆さんお祝いついでにいらしてみてはいかがでしょうか。

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【2】「京都へ。その1」

こんにちは、設計の田中です。

先日、久保のブログでもご報告をいたしましたが、東京ガスの家庭用燃料電池エネファームの工場見学ツアーに参加しに滋賀・京都まで行ってきました。 はるばる京都まで来ましたので、少し観光をさせてもらいました。今回はその時のことを書こうと思います。

今回の僕の第一希望は清水寺。余力があれば三十三間堂。久保の希望が智積院。その他にも町並みや建築の散策が出来ればと思っていました。

京都の町並み散策は、工場見学の後の夕食の時に早速実現しました。行った先は先斗町。狭い路地ですが賑わいがあります。町屋建築が行灯風の看板と共に連なり、あまりの通りの狭さに電柱すらSの字に立っていました。夕食を食べたお店は、古い町屋を改修したものでした。基本的な間取りの町屋で、間口が狭く、奥行きが長い。暗くなりやすい建物の中央には中庭もちゃんとありました。町屋のこの間取りが生まれた理由は、間口の広さで税金が決まっていた安土桃山時代からの節税対策なのですが、細長い敷地の「光が降りそそぐ階段室のある家」で使ったアイディアは400年前から伝わるものでした。

先斗町の町屋で鴨川を眺めながら食事をした後は、夜の京都を散歩しました。
今度は、祇園の花見小路です。花見小路は、小路とは言え道幅がだいぶ広く、先斗町に比べ一軒一軒の間口が広く感じましたので、地図で確認してみました。すると、花見小路も奥に細長い町屋の造りになっていました。この通りは、より昔の雰囲気を出す為に、電柱はもちろん、街灯すらも見当たりません。看板もとても控え目で、足元を照らす程度です。とても静かな小路で、ついつい会話がヒソヒソ話になってしまいそうです。

この先斗町と花見小路。面白いことに、今も昔もまったくの正反対な性格を持った町並みなのだろうと想像しました。一方で、大きさは違いますが両方とも細長い町屋の造りは同じで、京都らしい雰囲気と感じてしまいました。
控え目だけど個性があって、違わないようだけどオリジナルがあって。それを見つける喜びと、見つけてもらう喜び。そんな町人のお洒落感覚と暮らしぶりを想像してしまいました。

つづく

設計:久保歩美・田中伸二
松匠創美の「家づくりの考え方

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【3】 □家づくりのことば・・

私(田村)が 事務所内で飛び交う会話の中に「今のは何だろう?」と思う建築用語が たくさんあります。
なんとなく聞き覚えのある言葉や 初めて耳にする言葉などをここで少し紹介したいとおもいます。

○クツズリ

現在建築中の家がもうすぐ竣工します。そんな中でのミーティングで でてきたのが「クツズリ」と言うことばです。

話の前後から推測してみたところ 玄関などの出入り口などを検討している時にでてきましたので “家に上がる前に 靴の底に付いた泥などを擦りつけて落とす為の部材”のことじゃないのかな?と考えました。

・・・でも よくよく思い直すと我が家の玄関にそんな便利なモノはあったかしら?と 少し疑問が湧いてきました。
玄関にマットを敷いているお宅はよく見かけますが 床に泥を落とす為の何かが設置されている家は見たことがありません。
となると 玄関マットのことを“靴ずり”と言っているのかな?と・・。

設計はただ間取りなどを考えるだけでなく ランプシェードやカーテンの柄など細かいところまで検討して商品を選ぶことがありますので 玄関マットも選んだりするんだなぁ~と そこまで考えましたが またまた1人で暴走しているんじゃないかと不安になりまして 久保にちゃんと聞いてみることにしました。

「玄関先に靴の泥などを落とすような仕様のことなんですか???」と怪しげに聞いてみると(笑) クツズリのクツは田村さんが思っている靴じゃなくて“沓”の方で ズリは手摺と同じ “摺り”で擦るほうじゃないんだよ。

やっぱり・・ということで 泥落としのマットでは無いことがわかりました。
(玄関だけではなく)部屋の出入り口など 開口部に設けられた枠の下の部分を「沓摺」と言うのだそうです。

ドアを閉める時 床との間にすき間ができないようにする為や 仕上がりが綺麗になるよう設けるそうで すこし段差がつきます。
その為 足が触れるので沓摺と言うようですが 他に下枠や框(カマチ)とも言います。

「沓摺・下枠・框」・・用語の多さに関心するばかりですが それを理解している設計や大工・・家つくりに係る人達には いつもながら感心をしてしまいます。
私の思い込みには寒心・・・でしょうか。

○沓摺(くつずり) 出入り口の下方の枠のこと。 「建築用語辞典」岩波書店より

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■ 第48号 ■

■□・・―――――――――――――――2011年06月08日

木の家を知る・建てる・暮らす

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□ 目次

【1】 こんな感じに過ごしています 「 一色海岸書店へ 」

【2】 「 日本の国民性と間取り 」

【3】 家づくりのことば  「サネ 」

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【1】 こんな感じに過ごしてます・・・

こんにちは 田村です。

御用邸のある海岸として知られる一色海水浴場の入り口に 先月14日「一色海岸書店」(2011年7月の期間限定オープン)という本屋さんがオープンしました。

と言っても商店街にあるような本屋さんではなく 美術作家として広く活躍されていた永井宏さんがアトリエとして利用していた古い民家を開放して 永年大切に読まれていた500冊以上にもなる本(美術書・音楽・写真・文芸などなど)を並べ販売している 小さな小さな本屋さんです。

永井さんはご自身でもいくつかの本を出版されています。10年ほど昔友達に勧められて読んだ本には 葉山でゆったりと過ごす生活はいいものなんだという内容が書かれていて 当時 都会にばかり目を向けていた私は 小さな衝撃を受けました。

そして 3年ほど前友人の結婚パーティでご本人にお会いした時 始めは誰なのかわからなくって 長髪の大きな体の小洒落たおじさんが お酒で顔を
赤くしながら バンジョー片手に唄を披露したかと思えば 詩の朗読をはじめたり 「この人はいったい??」何者なのかと 遠巻きに見ていました。
友人に「永井宏さん」だと教えてもらった時は「エェ あの本を書いた人が!!」と 失礼ながらも想像していた雰囲気と違っていたことに 大きな衝撃を受けました(笑)もっと小柄で繊細なタイプだと想像していたのです。

ですが 少し会話をしてみると とても気さくで優しいオ―ラが感じられ 沢山の人が永井さんの廻りに集まってくるのがわかったように思えたのを覚えて
います。そんな方なので 本に出会って葉山に移り住んで来た人も大勢いてクリエーターという人達は少なからずとも永井さんの影響を受けて活動をしているようです。

今年4月オープンを間近にして 残念なことにご病気の為永井さんは天国に旅立たれました。

「葉山という気候風土にあった、まあ、いつも変わらぬのんびりとした空間をひとつ作る(書店オープン前に書いたあいさつ文より)」という思いを受継いだ
お仲間達が 金・土・日の週末3日間お店を開いていると言う事で 日曜日にお邪魔してきました。

玄関を上がってすぐの部屋の壁に沢山並んだ本たちは 今では入手困難と思えるものがほとんどなのと 永井さんの思いが詰まっているようで手に触れて良いのかと 少しドキドキしました。
興奮も落ち着いたころに 素敵な写真集を見つけ値段もとても良心的でしたので 迷わず購入しました。

店内には永井さんファンと思われるお客さんが殆どでしたが 永井さんを知らないと言う方でも 宝物さがし感覚で十分に楽しめると思います。
7月中旬までの期間限定を予定しているそうなので 初夏の海岸を散歩しつつその帰りに覗いてみてはいかがでしょうか。

一色海岸書店 003

入り口奥に見えるのが 永井さんのバンジョー・・。

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【2】 「 日本の国民性と間取り 」

こんにちは、設計の田中です。

最近、NHKの朝の連続テレビ小説「おひさま」にはまっています。
物語とは別に、番組を見ていると当時の暮らしの様子から、住まいに対する考え方が気になってきたりします。
特に、1900年代の前半の安曇野で、女学校に通う主人公に個室が割り当てられているという点が、主人公の父親はいったいどんな人物なのだろうかと想像を膨らましてしまいます。
ということで、今日は日本の変わらない国民性と、移り変わる間取りのについて書いてみようと思います。

漠然と、日本の住まいの形態は「寝食を共にする」などと言われ、最低限の座敷で形成されていたことは良く知られています。
それが、文化、生活レベルの発展につれ、少しづつ変化し、形を変えていきます。

例えば、川崎市のたてもの園にあるような江戸時代の初期から中期の有力な農家の家では、座敷の奥に床の間のある一室を設けるようになり、お偉いさんを一晩泊められるようになります。
また、玄関は元々侍しか設けることが許されていませんでしたが、江戸の末期になると、やはりお偉いさんを招きいれる為として、立派な町民には玄関が設けることが許されるようになります。
一般の家庭でも、明治には一室しかなかった座敷が、表座敷と奥座敷に分けられるようになり、お金持ちの家では西洋に習って洋風な客間が南側の明るい位置に配置されるようになります。
日本の住まいでは、住んでいる家族より、お客さんを招くことがとても重要視されてきました。

一方、西洋の住まいの考え方は、子供部屋にも大きな影響を与えていきます。
それまで、日本の子供は、家のどこかで寝て、人の隙間を見つけて勉強していましたが、大正時代に入り、欧米の教育方針が伝わると子供部屋が流行します。
自立心を養うための子供部屋の考え方は、日本人の立身出世感を刺激し、経済発展と共にまたたく間に広がります。

こうした客間と子供部屋のある洋風な住宅は、文化住宅と呼ばれとても流行したそうです。
文化住宅の間取りの考え方自体は、その後もつい最近まで大きく影響してきましたが、土地事情、人付き合いの変化から玄関脇の客間は次第に無くなり、お客さんを招き入れたい気持ちは「友達の集まるリビング」として、立身出世の思いは「東大生の勉強方法」から「勉強コーナーのあるリビング」へ共に姿を変え今も間取りに活かされています。

日本のお茶の間文化が実は今も続いていることが面白いところです。

設計:久保歩美・田中伸二
松匠創美の「家づくりの考え方

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□家づくりのことば・・

私(田村)が 事務所内で飛び交う会話の中に「今のは何だろう?」と思う建築用語が たくさんあります。
なんとなく聞き覚えのある言葉や 初めて耳にする言葉などをここで少し紹介したいとおもいます。

○サネ

次の「ことば」は何がいいかと考えていた折のミーティングで 出てきたサネということば。
意味も漢字もわからないので 田中が貸してくれている建築用語辞典でこっそり下調べしてみました。

辞書には「サネハギ」と載っていまして 木の板を接合する方法の事だと説明されていたのですが その漢字表記をみて「あっ!!」と思わず声が出てしまいました。

実は 材木屋さんから送られてくる材料の明細伝票で ずっと気になっていたことががあったのです。 それは床材の板で [等級:実付き]と書かれていました。それを見付けた時 実(み)って・・木の実のことかな?実が付いたままの状態で送られてくるのかな?と そんな板を見たこともありませんでしたので とても不思議でたまりませんでした。

それでも 実付の板は“枝付きレーズン”みたいに どことなく高級な床板なのかもしれない 野菜も土付はいい品だと言うし・・・等級が高い板なんだなぁ 木材も色々あるもんだと 毎回そのまま流していました。

そんなこともあった中今回調べたサネの漢字が『実』と書かれていて もしかしてあの「実付き」とは「さねつき」のことではないかと ピン!ときたのです。
会話だけで聞いていたら解らなかった「サネ」が「実」だと判明して 興奮してしまいました まさに“アハ体験”です(・・ちょっと古いですか。)

板と板を繋ぎ合せるために一方に凸 他方を凹に加工するのですがそのデコ凸がサネ=実と言う訳です。
つまり 実付はサネ加工された(板)ということなんですね。

等級とは仕様のことでした まんまとひっかかりました・・といっていいのやら 変に考えるのは私だけなのでしょう・・反省です。

○実(サネ)=一方の板の側面に作る細長い突起。
○実はぎ=一方を凸、他方を凹に彫って合せる板の接合方法のこと。「建築用語辞典 岩波書店」より

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■ 第47号 ■

■□・・――――――――――――――――2011年05月25日

木の家を知る・建てる・暮らす

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□ 目次

【1】 こんな感じに過ごしています 「 不思議な丘 」

【2】「 耐震診断・耐震改修 」

【3】 家づくりのことば  「 テスリコ 」

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□こんな感じに過ごしてます・・・

こんにちは 田村です。

前回紹介しました「葉山芸術祭」などで 「すこし高台ショップ*1」(2021年3月で閉業)というお店を出しているまみさん夫婦から「自宅を引っ越ししました。」とハガキをいただきました。(*1 まみさん夫婦が お友達のかなえさん夫婦のお家で一緒に開いている 植物やハンドメイドバック・小物などが並ぶお店です。)

以前住まわれていたお家は 窓の外が深い森になっていて どこかの別荘地にでも来たかのような感動を覚えただけに そこから転居するなんてもったいないなぁ と正直思いましたが「今度は裏山が竹藪なんですよ。」という事で場所を聞いてみると 通勤の際自転車で通る道沿いの 私の家からも近い丘の麓でした。

先日お邪魔した際 案内された部屋の窓から外を眺めると なるほど竹がシュシュッと沢山伸びた斜面が見えました。

実はここ 私がまだ小学生の頃祖父から「この丘の木を切り倒そうとすると 必ず怪我や病気になるんだよ。」と教えられていた不思議な丘なんです。
悪く言えば“祟り山”ですが・・祖父の話によると 源頼朝の時代にこの辺りで戦があり その落ち武者がまださまよっていて この森を守っているとか 他にもちょっと怖かったり不思議な話をしていました。

まぁ 都市伝説みたいなお話で ちゃんとした証拠もないので私をからかっていただけだと思いますが なんとなく今でも特別な場所なのではないかと遠目に眺めていましたから まみさんに「山頂に小さな広場があるよ。」と教えてくれた時は ちょっと驚きました。
人が入って大丈夫なの・・・?と。

後日それを確かめに 仕事帰り寄ってみると 山道の入り口付近は思いのほか住宅が並んでいましたが 一歩中に入るとと竹林が広がっています。少々時期が過ぎましたが竹の子も生えていたりして 1本頂いて帰ろうかと思ったくらいです。

そこから進んで行くと けっこうな急斜面になっていて 丘と言うより山のようで階段がなければ登れないくらいです。2~3分ほどですが広場に付いたときはハァハァ・・と息を吐いていました。

辺りは竹から背の高いモチノキの林に変わっていて 夕方でしたので他に人影もなく 祖父の話もあって(笑) 益々不思議な場所にいるように思えてきました。ちょうど“トトロの住む森”のような感じでしょうか。

麓には「葉山大道(はやまおおみち)」という大きな交差点もあって 車の通りも頻繁なのですが 町中にいることを感じられないほど木々が生い茂りとても静かでした。。

家の近くに自然が大切に残されているのは ちょっと怖い話がおまけについていてもいいものだなぁ と思います。人(私)が入っても大丈夫でしたから 麓に住むまみさん夫婦はいい場所みつけたなぁと なにか特別なお家のようにみえて 以前にも増してちょっとうらやましかったりして。

この不思議な丘 本当は葉山緑地と言って「かながわトラストみどり財団」が保存・管理している保全緑地なんです。
葉山町には この他にも長柄緑地や葉山堀内緑地などいくつかの緑地があります。 いつもそばにある事を忘れがちというかあたり前に思っていましたが こうして大切に残されていると言う事を改めて知りました。

20110522 葉山緑地 002

こうした緑を壊すことなく これからも暮らしていきたいと思いました。

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□ 「耐震診断・耐震改修」

こんにちは、設計の田中です。

先日、久保が11年前に設計をさせていただいたお客さんから連絡を受け、ご自宅に伺わせて頂きました。

お客さんは東北地方太平洋沖地震の後に色々と不安になってしまったとの事でしたので、自宅の耐震性も含めて検査調査をさせて頂くことになりました。
地震後は「耐震診断」が急上昇検索ワードの上位にあったこともありますので、今日は耐震診断について、ご紹介させていただきたいと思います。

1995年1月、兵庫県南部地震が発生しました。ビルが道路に横たわり、途中階がすっかり折れて無くなり、細い道路で密集した木造家屋の町並みはがれきの山と化していました。多発的に発生した火事や倒れた高速道路をヘリコプターから撮影した映像は、とても現実のものとは思えませんでした。

この大災害を踏まえ、同じ年の12月に耐震改修促進法が施行されました。
兵庫県南部地震では、1981年の建築基準法改正(新耐震基準)以前に建てられた建物に被害が集中したことが調査の結果で判明しました。
この1981年以前に建てられた建物の耐震強度を現行の法律に見合うように、診断し、改修することが法律の大きな目標になっています。

木造住宅の耐震診断では、
1・建物の床面積、平面と立面の形状から必要な耐力を求めます。
2・地盤や基礎、建物本体の劣化を考慮した保有耐力を求めます。
1と2で求めた必要耐力と保有耐力から建物の倒壊の可能性についての判定をします。
判定の種類は、「倒壊しない」「一応倒壊しない」「倒壊する可能性がある」「倒壊する可能性が高い」の4種類になっています。
改修工事する場合、「倒壊しない」「一応倒壊しない」を目指して行います。

兵庫県南部地震の後では、耐震診断をせずに飛び込み営業で、無計画に高価な金物補強をする事業者が増え問題になりました。
そのことが影響したかは判りませんが、耐震診断が始まって10年間は、思うような成果が上がらなかったようです。

2006年の法律の改正に伴って、知識の向上と普及の為に技術指針がまとめられ、地方行政による促進計画の策定がなされました。今では、皆さんがお住まいの市役所でも、登録診断士、耐震診断の補助金、耐震改修の補助金が用意されていると思います。その他にも、資金面では銀行ローンもあり、改修によって床面積が増えてしまうことに対する法律の緩和措置もあります。

古い家屋を耐震改修をすることことは、人命の安全や財産の保護の予防をすることばかりではなく、町の財産を守ることでもあると思っています。
そして、地震が起きたときには避難路や輸送路の確保に繋がり、仮設住宅の減少、円滑な救助活動、早期の復興に大きく影響してきます。

日本の古い家屋をお持ちの方や興味のある方は、前向きに考えて見ることもお勧めしたいと思います。

設計:久保歩美・田中伸二
松匠創美の「家づくりの考え方

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□家づくりのことば・・

私(田村)が 事務所内で飛び交う会話の中に「今のは何だろう?」と思う建築用語が たくさんあります。
なんとなく聞き覚えのある言葉や 初めて耳にする言葉などをここで少し紹介したいとおもいます。

○テスリコ

手すりは 階段を登り降りする時 体を支えるために手を添える横に伸びた棒状の物ですが その手すりの間から人が落下しないために縦に付いている材を「手摺子」と言うのだそうです。

まず 縦に同じ間隔で並んだ格子状になっているものがほとんどだとおもいますので 私はことばがあるとするなら「手摺格子」と言うものではないかな と思っていました。

“格子”ではなく“子”だけなのは 何故なんでしょう?

と不思議に思っていましたら 皆で私にわかりやすいようにと階段が載ったカタログをひっぱり出して見せてくれました。

そこには親柱(オヤバシラ)という 手すりを支える端や曲がりの部分にある太い柱と 子柱(コバシラ)という 補助的な細い柱の写真が載っていました。

その子柱が 手摺子と呼ばれるものでした。
親子の子だったんですね。

私は縦に並んだ柱は同じことばなんだと勘違いしていた訳です。
ざっくりしてました・・。

デザイン上などで 手摺子が付いていない階段を見かけることも多いですが 高いところが苦手な私には必要なことば(部材)だと今回よくわかりました。

○手摺子(テスリコ)=子柱
手すりを支持し、手すり下部からの落下を防止するための格子状の部材。 「建築用語辞典 岩波書店」より

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☆お付き合いいただきまして ありがとうございます☆

出会い・つながる・木の住まい
有限会社 松匠創美

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