松匠創美のメールマガジン「木の家を知る・建てる・暮らす」

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■ 第55号 ■

■□・・――――――――――――――――2011年09月14日

木の家を知る・建てる・暮らす

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□ 目次

【1】 こんな感じに過ごしています

「 新しい家族~KDPさんのこと 」

【2】 「 津波警報が変わる  」

【3】 家づくりのことば 「 メスカシ 」

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【1】 こんな感じに過ごしてます・・・

こんにちは 田村です。

最近 田村家に新しい家族(犬)がやってきました。推定年齢5歳・薩摩ビーグル犬?と思われるオトコのコです。

あれ 犬っていませんでした?と思われるかとおもいますが・・・

以前に紹介しましたが 我が家には黒ラブラドールのブラウニーくんがいました。その彼がこの夏 突然というか 予想もしていなかったのに天国へ行ってしまいました。

ブラウニーは実は近所をウロウロしていた迷い犬でしたので 年齢もはっきりとはわかりませんでした。 我が家に来てくれてから一緒に過ごした時間は7年ほどで その間わがままもほとんど言わず 歩調を家族に合わせてくれるとても優しい子でした。最後の日も すーっと眠るように天国へ旅立っていきましたので 私達もひどく悲しまずに「いってらっしゃい。」と送り出すことができました。

そして次の日には「よし!KDPさんに連絡しよう!」と電話をかけていました。 KDPさんとは 葉山町と横須賀市をまたぐ湘南国際村という場所で 神奈川県動物保護センターに収容された犬たちを引き取り 新しい家族ができるまで保護をしている「神奈川ドックプロテクション」さんのことです。

ブラウニーが元気な頃からKDPさんの活動は 町中に貼られたポスターや人づてに話を聞いていたので知ってはいたのですが「凄いなぁ 偉いなぁ・・」と感心するだけで アクションを起こしたことはありませんでした。

ですが 震災後の被災地の犬たちも保護しているとの現状を知って「もう一匹くらいなんとかなるかな?」「でもブラウニーもおじいちゃんだしストレスになるとかわいそうかな・・。」と話している時に彼が亡くなってしまったので“僕はいっぱい幸せだったから 他の子も幸せにしてあげてね”と彼が言っているような気がしてならなかったので これは引き受けるしかないと連絡をしたのです。・・というか 犬のいない生活は考えられなくなっていたと言うのが本音ですが。

連絡を取って はじめて「じょうと会」に参加しました。参加している保護犬たちは 皆おとなしくていい子たちばかりでしたが辛い経験をしているので どこか淋しげでこちらの目を見てくれることはなかなかありませんでした。ゆっくりゆっくり時間をかけて触れあっているうちに ほんの少し心を許してくれるようになった時は「あぁ やっぱりワンコは人が好きなんだなぁ~。」と ジーンとしてしまいました。(最近やたらと涙もろいです。)

KDPさんは湘南国際村(通称:お山)に80頭ほどの保護犬をお世話しています。その中から決めるとなると 本当にきちんと選べるのか・・・きちんとお世話できるだろうかと不安も正直ありましたが 案ずるより産むが易し とはよく言ったものですね。結局 被災犬ではありませんでしたが この子!と決めて 家族に向かい入れたその日から「ウチの子いい子なんですよ~。」と 母が犬仲間さん達に自慢して廻るほど 手のかからない優しい子がきてくれました。

マフィン2

とは言えすんなりといけたのも 今までの犬たちとの生活があって 私たちにも基盤ができていたからだとも思っていますから 軽々しく「保護犬を引き取ってみたら?」と誰にでも言えるわけではありません。

でも まぁ おチビさんの時からでも大人になってからでも どんな子でも 犬は犬だなぁ~と思います。可愛いです。

後は飼う側・・人の問題だと思いました。

KDPさんの譲渡会は 毎月第二・第四日曜日にあります。

詳しくはこちらのウェブをご覧になってください。

KDP代表 菊池さんのブログです。これを読んで グゥ~っときてしまいました。

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【2】 「 津波警報が変わる 」

こんにちは、設計の田中です。

東日本大震災から半年が経ち、先日の9月12日に気象庁から津波警報の改善の方向性についての最終まとめが発表になりました。今日は、津波警報の改善内容についてここで紹介したいと思います。

気象庁で発表する津波に関する速報は、津波警報(大津波)、津波警報(津波)、津波注意報と3段階があります。また、津波警報(大津波)は通称、大津波警報などと呼ばれてもいます。地震や津波に関する速報の第一報は、これまで発生から3分以内に発表することを目標にと、実際に運用されてきまた。日本においては、観測機の性能やデータ、実績と経験から科学的に高い精度を保っていたようです。

しかし、東日本大震災では、地震発生から3分後に発表された大津波警報第一報では、宮城県が6m、岩手、福島県が3mでしたが、およそ30分後には、宮城県が10m以上に修正され、45分後には岩手、福島県も10m以上に修正されました。

この大津波警報の波の高さが段階的に修正されたことをどの位の人たちが見聞きしていたかを被災者にアンケートした結果、宮城県の方で26パーセントで岩手県の方が37パーセントでした。

これらの結果から気象庁では、大津波警報の発表が避難を遅らせた要因の一つとの指摘を受け止め、津波警報の改善を決めたようです。

改善の内容は簡単です。マグネチュード8.0以上の大地震の場合は、津波の高さは発表せずに危険である趣旨の内容のみを発表する、津波の高さを予想する正確性より、安全を優先したかたちになります。方法は、携帯電話やeメールも含めてあらゆるインフラの利用を考えているようです。マグネチュード8.0未満の地震の場合は、従来通りに蓄積されたデータによって発表となります。

この新しい津波警報がいつから運用されるかはまだ決まっていません。忙しく毎日を過ごしている内に、めったに起きない大津波警報がいつの間にかに変わっている場合もあり得ます。ですので、地震速報、津波警報がいつもとは違って、ただ危険を知らせる内容のみだった場合には、油断せずに冷静に避難を始める必要があります。

一方、より安全を確保する為には、新しい津波警報を知ると共に津波の特性を理解する必要があります。例えば、津波の到達時刻は地形や海の深さに大きく関係している為、たとえ隣の市であっても30分以上も到達時刻が違う場合があります。また、決して第一波が最大の波とは限らず、第一波と最大津波とで一時間以上も違う場合もあります。安全な場所にどれ程の時間待機していなければならないのかとても重要な事です。

東日本大震災から半年が経った今、改めて思う事としては、建物が重大な破損をしたとしても安全に避難できるような粘りある構造を計画し続けていく事が木造住宅の設計者としての役割だと言う事です。

設計:久保歩美・田中伸二  松匠創美の「家づくりの考え方

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【3】 家づくりのことば 「 メスカシ 」

私(田村)が 事務所内で飛び交う会話の中に「今のは何だろう?」と思う建築用語が たくさんあります。なんとなく聞き覚えのある言葉や 初めて耳にする言葉などをここで少し紹介したいとおもいます。

○メスカシ

我が家の和室の畳を新しく張替えました。イグサのなんともいい香りが風にのって 隣りの部屋まで届きます。

猫がそこで昼寝をはじめましたので 思わず真似をしてゴロンとしたところ 天井板が綺麗に並んでいるのが見えました。目をこらすと板と板のつなぎ目にわずかな隙間があることがわかりました。

実は先日久保に「目透かし」と言うことば(施工方法)を教えてもらい その中に「目透かし天井」というのがあること知りました。天板と天板をつなぎ合わせる時 ピッタリと繋ぐのではなく 板の厚み分ほどの隙間をあけて張り合わせる方法で そうすることによって木材の微妙な厚みの違いや 季節による動き(夏は湿気で膨らみ冬は乾燥で縮む)によるズレが目立たず 隙間のスッと通ったラインが見た目(意匠的)に美しい仕上がりになるのだそうです。

この施工方法は和室の天井だけでなく 壁などの仕上げの板材や大理石などを貼る時にも用いられるそうです。

ピッタリとつなぎ合わせる方が簡単なんじゃない・・と思ってしまいますが 理由を知れば 材の特徴などをよく考えた細やかな方法だとわかりました。

事務所では階段 踊り場の手摺(手の当る握り部分の仕上げ)にこの施工方法が用いられていてます。訪れる方たちに「綺麗ですね。」と言って頂けているのが 今回のことで納得!よくわかりました。

○目透かし

=2つの部材の接合部において、多少隙間をあけた目地の形状。「建築用語辞典」より

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■ 第54号 ■

■□・・――――――――――――――――2011年08月31日

木の家を知る・建てる・暮らす

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□ 目次

【1】 こんな感じに過ごしています「 夏から秋へ~例大祭 」

【2】 「 9月1日は防災の日 」

【3】 家づくりのことば 「 コマガエシ 」

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【1】 こんな感じに過ごしてます・・・

こんにちは 田村です。

朝方に遠くから ドンドンヒャララ~と太鼓と笛の音が近づいて来るので 眠い目をこすりながら窓を開けると 森山神社(森戸大明神の兼務社)例大祭のお神輿とお囃子の山車が通り過ぎるところでした。

8月最終の土日に行われる(森山神社)例大祭を 毎年こんな感じで離れた所から眺めるだけで どんなことが行われているのか知らないで過ごしているのですが 調べてみますと神輿の他にも行事があるそうで それらは町の民俗無形文化財に指定されているとのことで驚きました。

山の中腹にひっそりとたたずむ神社の 神輿と山車が町中を巡回する様子は ゆっくりとした足取りで子供たちでも安心して参加できるのどかな行事ですので 内心甘く見ていたいましたが 来年は神社に行ってじっくり拝見してこようかと思っています。

森山神社の例大祭は (ほとんど)見逃してしまいましたが・・9月7日・8日には事務所から近い 森戸神社(森戸大明神)の例大祭が行われます。

こちらの神社は 海を目の前にして建っていて観光客などの人の入りも多いものですから お祭りもとても勢いがあり活気に溢れています。

昼はお神輿を担いだまま海の中まで入っていったり 夕方暗くなってくると神輿提灯に明かりがともり フィナーレに近づく男集の勢いが益してきます。漁師町特有の「どっこい神輿」スタイルの担ぎ方は“どっこい どっこい”の掛け声に合わせて 膝を大きく屈伸して担ぎ上げ 途中甚句が入りったりして 最後には上下に大きく揉む(揺らす)という動きが繰り返され とても迫力があります。

それを見ていると 日本人に受継がれている血が騒ぐような気がしてきます。もう少し若かったら・・その前に男に生まれていたら 是非とも担いでみたい!と 思ってしまうほど見ている方も楽しいお祭りです。(女性も担いでいたような気がしますが。)

それから境内には屋台も沢山でますのであれこれ迷うのですが 一の鳥居脇に出ている鯛焼き屋さんが美味しいので必ず買って食べています。空気も少しひんやりしてきますので 温かい鯛焼きは 格別です。

こんな感じで葉山の町中は 夏から秋に移り変わっていきます。

あぁ 8月も今日で最後なんですね。今年は結局海には入らず仕舞いでしたし 海の家にも2回ほどしか・・。

海の写真

久保のブログにも同じようなコトが書かれていて そういうものかと 画面を見ながら同じ気持ちで夏が終わるのをちょっとさみしくおもっています。

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【2】 9月1日は防災の日

こんにちは、設計の田中です。

明日の9月1日は、防災の日です。恥ずかしながら、僕は9月1日が関東大震災が起きた日だと記憶していませんでした。これではまずいと思い、今日は防災の日に因んで書くことにしました。

日本は、地震の他にも、火山活動、津波、台風、高潮、洪水、土砂崩れなどなどが頻繁に発生し、世界では自然災害のデパートとも、災害大国と呼ばれているそうです。その中でも、10万人という圧倒的な犠牲者をもたらしたのが関東大震災でした。

9月1日が防災の日に決まった理由は、震災の記憶、教訓を後世に伝えるものとして、関東大震災の発生した日に因んだものだそうですが、実はもう一つ大きな意味を持っているそうです。防災の日が決まったのが1960年。その前の年に伊勢湾台風が日本を襲っています。防災の日は、これから向かえる台風シーズンへの警戒心の呼びかけの意味も非常に大きいのだそうです。

台風は、年間30個ほど発生し、そのうち10個前後が日本に接近し列島に傷跡を残していきます。また気象庁によると年間平均2.7個、日本に上陸するそうです。年間10回前後も列島に暴風雨と高潮、河川の氾濫、土砂崩れをもたらし、多くの犠牲者を生む自然災害は大きな脅威です。

台風に対しての備えといえば、雨戸の戸締りや、窓に板を打ちつけたりなどがありましたが、これはアルミサッシとガラスの進歩によって関東ではすっかり少なくなってしまいました。その他には雨樋の掃除をしたり、植木鉢や物干し竿など飛ばされるものは家の中にしまい、懐中電灯やラジオの電池の点検などがあります。台風銀座と呼ばれる四国や九州、沖縄地方などでは、しっかりと準備をされていることと思われます。

実は、建築のデザインや構造計画の上でも強風対策はとても大きな課題となっています。例えば、梅雨のしとしと雨や夏の強い日差しを遮るのに役立つ軒や庇は、台風の時には弱点になる場合があります。ちょうど台風の時に傘をさして歩くのと同じで、屋根や庇がお猪口にならないように、しっかりと金物で梁と屋根を緊結しておかなくてはなりません。

また、地震の時は、屋根は軽い仕上げ材で出来ている方が有利ですが、台風の時はまったく逆で瓦のような重い屋根が有利です。以前に久保がブログで紹介しておりおりましたが、建物の構造計算では、地震よりも風によって建物が揺れる方が大きく揺れる場合も多く、そのため、風圧力に対して耐力壁や筋違いの量が決まったりします。これは、木造の2階建ての建物から、超高層ビルに至るまで同じ事です。

こうした設計や施工の技術進歩によって台風の影響が少ない関東あたりでは、自分も含めて備える気持ちが薄まってきている気がします。しかし、僕たちは3.11で自然の猛威を思い知らされたばかりです。この経験を今後に活かすためにも、年々勢力を増す台風に対しても準備を怠らず、厳しい気象条件に対して丈夫な構造の住宅設計をしていく一方で、自然の驚異に対して油断しない心構えを持って暮らしていきたいと思います。

設計:久保歩美・田中伸二

松匠創美の「家づくりの考え方

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【3】 家づくりのことば 「 コマガエシ 」

私(田村)が 事務所内で飛び交う会話の中に「今のは何だろう?」と思う建築用語が たくさんあります。なんとなく聞き覚えのある言葉や 初めて耳にする言葉などをここで少し紹介したいとおもいます。

○コマガエシ

いつもミーティングや伝票の入力の時に 響きから何のコトだろう・・と気になることばを ここで紹介させていただいていますが。今回は「これは知っている(聞いたことある)?」と久保に問われて教えてもらったことばです。

“コマガエシ”と言うのは 会話などによく出てきているそうなのですが 聞かれても「ハテ? そうでしたか・・。」と白状してしまうほど初耳でした。聞いたことがあるとすれば コマ送り・・なんてありますが コマ違いでした。

それはさておき 例えば京都などの古民家が建ち並ぶ街には 入り口や窓に掛った格子の間隔が綺麗に揃っているのをよく見かけると思うのですが その中で小返格子と呼ばれる格子は 材の幅と同じ空きの配列をしています。その配列を 小間がえし と言うんだそうです。

現在では木の格子を付ける家はあまり無いので 街中ではウッドデッキ・バルコニーのフェンスでこれを見かけることができます。小間がえしは 配列の感覚・見た目に自然で落ち着いた美しさがあるので 松匠創美で建てている家にも感じ良く配置されています。

古くから受継がれた工法は 形(格子からデッキ)は変わっても美しさは変わらないんですね。

ちなみに ことばの響きとしても日本語らしい音ですから 自然で逆にひっかかりが無かったのかなぁ と言ってみたりして・・・。

小間がえし の話をしている時に 次々と興味深いことばが出てきましたので 順次紹介していきたいと思っています。

○小間がえし

=格子・垂木などの配列を決定する方法の一つ。材の幅と間隔を同じにするものをいう。 「建築学用語辞典」 岩波書店より

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■ 第53号 ■

■□・・――――――――――――――2011年08月17日

木の家を知る・建てる・暮らす

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□ 目次

【1】 こんな感じに過ごしています 「 Lifetree さん」

【2】 「 借りぐらしのアリエッティ 」 を見て

【3】 家づくりのことば  「 キリヅマ屋根  」

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【1】  こんな感じに過ごしてます・・・

こんにちは 田村です。

松匠創美のウェブサイトにリンクもさせていただいている“天然素材で作る日常着”をコンセプトに雑貨・本・CDも展開しているお店「Lifetree」さんに 前回の葉山さんぽでお邪魔した時についてのことを紹介したいと思います。

事務所近くの森戸川沿いに建つ古い家を 松匠創美が改修工事をさせていただいてお店がオープンしたのが2009年の夏だそうで その日から川に架かる橋の上から見えるお店に「行ってみよう」と思いながらもなかなか行くことができなかったものですから 店内はどの様になっているのかとても楽しみでした。

Afa

外観は“木造の小さな小屋”といった素朴な建物なので そんなに広くないのかなと思っていましたら 木枠にガラスの入った扉を開けると 大きな窓から降り注ぐ光が柔らかく店内を照らし 白い空間がふわっと広がっていて 外見から想像するよりゆったりとした店内でしたので 少しビックリしました。

入って左側に こちらのオーナー兼デザイナー真砂三千代さんが手掛けられた天然染め(草木・鉱物)オーガニックコットン素材の日常着が 涼しげに並んでいます。オリジナル商品の他にも作家さんの作品も取扱しているそうで ちょうど「と う め い な 夏」・・・という企画展をしている最中でした。(現在は終了しています。)

荒川尚也さん(ガラス作家・晴耕社ガラス工房)の工房から出た屑ガラスで作ったリサイクルグラスが大きなテーブルに沢山並んでいて どれもみな形や表情が微妙に違っていて 自分の手にあったグラスを探すのが楽しくて色々試していると 店員さんに「可愛い風鈴もあるんですよ」 と声をかけて頂きました。

ゆびが指す天井の方を見てみると 透明なグラスとは対照的な色とりどりの小さな風鈴がいくつか風に揺れていました。

そちらは ヒサマツエツコさんの「ココロスズ」という風鈴のような姿をしていますが 風で音がするのではなく 長く垂れた糸を揺らして音を鳴らす作品だということでした。

商品の説明を受けながら「散歩をしながらこちらまできました。」と話すと 葉山の街のコトや芸術祭に参加している時は お店の裏にある工房を開放するコトなど 色々なお話をしてくださってとても楽しく過ごすことができました。

9月からは「はぎれ市&Sale」が始まるそうです。

これを機会に ちょくちょくお邪魔させていただこうと思います。

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【2】   「借りぐらしのアリエッティ」を見て

こんにちは設計の田中です。

夏の始めに、久保を半ば強制的につき合わせて、ジブリ映画の「コクリコ坂から」を見てきました。それを皮切りに、レンタルをして来た「借りぐらしのアリエッティ」や、同年代のお客様との会話で盛り上がった子供の頃に見たTVアニメ「ふしぎな島のフローネ」を誕生日プレゼントに頂いたりと、すっかりアニメづいています。

今日は、僕のコーナーも夏休みという事にして「借りぐらしのアリエッティ」について書きたいと思います。

「借りぐらしのアリエッティ」の主人公は小人の少女です。人間の家の床下で、人間に見つからないように両親と一緒に「借りぐらし」の生活を送っています。必要な道具は自分たちでつくり出し、炊事や洗濯、掃除など人間と殆ど同じ暮らしをしています。ですが、たまに人間の家の中に忍び込み「狩」をするようです。

その「狩」をするシーンは、まるでルパン三世さながらで、人間の生活用品をちょっと拝借するのです。

「狩」で狙うものは、盗みという視点で見れば「ちょっとくらいなら人間にバレたりしない」物や量を狙うようでした。しかし狩という視点で見るれば、「捕りすぎると、いつか捕れなくなる」ことを避ける掟。また、量が減ったのに気付いたとしてもメルヘンチックに考えれば、妖精のイタズラで済まされる程度なのかも知れません。

映画の中では、主人公が「盗みではなく借りている」ことを感情的に訴えるシーンがありましたが、人間の畑を荒らす動物の訴えの様にも聞こえ、動物好きの僕の心を打ちました。

天敵のいない人間は誰に対して「借りている」という謙虚な気持ちを持たなきゃならないのか? なんて事も思ったりします。

住宅建築の視点に置き換えてみると先ずは地鎮祭。土地の神様に対して「しばらくお世話になります」と言う挨拶の意味が含まれています。

計画段階では、ついついとクライアントは夢が、設計者は理想が膨らみがちになります。建物はそんな住まい手や設計者の気持ちがストレートに形に現われてしまいます。窓が多すぎたり、照明が明るすぎたり、家のボリュームが大きすぎたり。そんな事にならぬように、謙虚な気持ちを持っていると「ちょうどいい家」に自然と出来上がっていくものだと思います。

また、工事の時は近隣の方に対して「一切ご迷惑お掛けしません」という事は現実には難しいことです。

「ご迷惑お掛けする場合もある」「ご協力頂かねばならない時はある」という謙虚な気持ちで工事を進められればと思います。

テーマは大きいですが「謙虚な家づくり」をこれからも心がけていこうと思いました。

設計:久保歩美・田中伸二

松匠創美の「家づくりの考え方

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【3】  家づくりのことば・・

私(田村)が 事務所内で飛び交う会話の中に「今のは何だろう?」と思う建築用語が たくさんあります。

なんとなく聞き覚えのある言葉や 初めて耳にする言葉などをここで少し紹介したいとおもいます。

○キリヅマ屋根

このコーナーを担当してから 普段何気なく歩いていた町中の家々を少し意識して歩くようになってきました。

このお家は霧除がついているな。とか 1階と2階では外壁の仕様が違っていておもしろいなぁ。とか・・まだまだその程度ですが 見て歩くとそれぞれの家の特徴などが解り どんどん面白くなってきています。

そして今回見つけたことばを知って さらに視野が広がってきました。

キリヅマ屋根 というのは屋根の形のひとつです。どう言った形かと言いますと 本を広げて伏せたような形・・よく言う「三角お屋根」の事です。

私の中では“屋根は三角だ”という知識で止まっていましたので三角ではなく切妻と呼ぶ事にも驚きましたが その他に「片流れ」や「寄棟」「方形(ホウギョウ)」などが基本としてあり そこからドーム型や駒形などなどさらに広がっていると 久保に「屋根のデザイン百科」(彰国社)という本を見せてもらいながら説明を受けた時は こんなにも沢山あるのか!と息を留めて見入ってしまったほどでした。

屋根は単に雨風を家の中に入れない為のモノ 程度にしか考えていませんでしたが 屋根素材も草や瓦・金属だったりとさまざまで その地域の気候・気象や景観・デザイン性などを踏まえて それぞれ変化していったということ 日本の気候は世界的に見ても激しい条件なので それに耐えられるようにと 雨風をしのぐことの大変さ 重要性が高い事を改めて気づくことができました。

久保が「建築条件によっても 室内空間を上手く活かせるように屋根形状を考えるんだよ。」と最後に付け加えて教えてくれ そうして廻りを見上げてみると本当に様々な屋根があって もっと知りたいなぁと興味がでてきました。

屋根のデザイン百科」・・ちょっと欲しくなっています。

○切妻屋根=大棟の両側にのみ流れをもつ屋根形式のこと。「建築用語辞典」岩波書店より

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