松匠創美のメールマガジン「木の家を知る・建てる・暮らす」
木の家を建てるときに役立つ知識やメリット・デメリット、暮らしてからのメンテナンス。気になる社会情勢の影響や、助かる補助金の情報など。
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神奈川県三浦郡葉山町
堀内785-4 〒240-0112
✆ 046-876-3275
営業時間 : 9:00-17:30
定 休 日: 日曜日・祝日
■ 食欲の秋ですね。
■ 第58号 ■
■□・・―――――――――――――2011年10月26日
木の家を知る・建てる・暮らす
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□ 目次
【1】 こんな感じに過ごしています
【2】 「 耐力壁ジャパンカップ2011 」
【3】 家づくりのことば 「 カチ 」
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【1】 こんな感じに過ごしています
こんにちは 田村です。
マフィン(ビーグル犬)が家にやってきてから 海までの散歩に行くことが多くなりました。
と言うのも 海までは2キロほどの距離ですが 先代のブラウニー(黒ラブ)は おじいちゃんなうえにとっても太っていたため 長い時間歩くことができなかったのです。
犬と一緒でなくても行けるのでは?と思いますが “いつでもいける”と思うとなかなか足が運ばないもので・・それと 一人で歩くのも何となく淋しいと言うか 味気ない感じがするのです。
私が好きな一色海岸は 何度か紹介していますが御用邸がある海岸で そこまでの散歩コースの途中には 現在進行中の現場があります。
普段 私は現場に行くことはありませんので 少しづつ家が出来上がっていくのが見れるのが 密かな?楽しみになりました。
話が反れましたが 犬と一緒に散歩する楽しさは 行き帰りに出会う色々な種類の犬たち(飼い主さん)との交流です。もちろん 全ての人と会話をするわけではありませんが 犬同士が興味を示すと 飼い主同士も会話が弾みます。特に海岸に行くと 必ずと言っていいほど 犬のお仲間さん達がいて 初めは緊張しますが皆さんとてもフレンドリーなので すぐに仲良くなれるのです。
先日 海岸で知り合ったムーさん(ジャックラッセル)の飼い主さんは白髪のスラリとした紳士で 家がご近所だということで海から一緒に並んで帰ることになりました。
葉山の暮らしはどうですか・・などと話をしていくうちに 自然と「どこのお店は美味しい?」という話になりました。ちょうど夕飯の前だったので お腹が空いていたのかもしれません。何店か名前が挙がったなかで 2人の意見が一致したのが とんかつ「ししょうざん」さんです。
このお店は 葉山でも山側の奥にあって 景色などは特に「葉山らしさ」はないのですが 駐車場には県外ナンバーの車も多く停まっていたりしてわざわざ食べにくる人も多く また 地元のタクシー運転手さんもよくお昼ご飯を食べているのをみかけますので なかなかの人気店です。
私も何度か行っていますが 海と一緒で“いつでもいける”と思って暫く行っていなかったので ムーさんの飼い主さんに「カラッと揚がったとんかつはなかなか家では食べられないよね。」と言われた時には もう食ベに行く気満々になりました。
そして久々の「しょうざん」さん ヒレ串かつ定食を頼んでみました。
串にはお肉と玉ねぎが交互に刺されていて とてもボリュームがあり高く盛られた千切りキャベツの山に2本ものっています。中休みになるとお店のなかからトントン♪とリズムよく キャベツを千切りする包丁の音が聞こえてきますので キャベツがシャキシャキ美味しいわけが良く解ります。
その他 小皿にしらすが掛った大根おろしとお漬物 ご飯とおみそ汁が付いてきます。
正直私は完食できないほどのボリュームですが お隣の席にいた若くて上品な女性がぺろりと綺麗に食べ終えているのには驚きました。そして満足げに帰って行くのを見て 老若男女「美味しいプラスお腹が満たされる」のがここの人気の秘密なのだなぁと思いました。
あれ 海への散歩の楽しさの話はなんでしたっけ?とりあえずムーさんの飼い主さんに やっぱり美味しかったと報告しなくては!
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【2】 「 耐力壁ジャパンカップ2011 」
こんにちは、設計の田中です。
今、久保のブログでシリーズで更新していますのでご存知の方も多いと思いますが、先ごろ去年に引き続いて耐力壁ジャパンカップを見てきました。
今日は大会の流れと見所についてご紹介していきたいと思います。
大会の概要は(大会パンフレットより)、「実物大の木造耐力壁を組み立て、足元を固定した状態でどちらか一方の壁が破壊するまで、桁を互いに引き合わせて対戦させるイベントです。
一般公募16体によるトーナメント戦を行います。最後まで勝ち進んだ耐力壁には、トーナメント優勝杯が贈られます。
決勝トーナメント戦に勝ち進んだ耐力壁8体の中で、コストパフォーマンスを示す評点がもっとも高い耐力壁にはジャパンカップ優勝杯が贈られます。
出場する耐力壁は、与えられた条件を満たす仕様の範囲内で、さまざまに工夫されたオリジナルのものとします。」となっています。
大会は3日間で行われ。
予選1日目に8体分の施工時間計測と対戦を行い。
予選2日目も残りの8体分の施工時間計測と対戦を行います。
3日目が決勝となり、予選を勝ち抜いた8体によるトーナメント戦が行われます。
手順としては、
(1)材料の搬入(データシートとの照合)
(2)環境負荷費を算定するための重量計測
(3)施工、組立て(制限時間は1時間)
(4)プレゼンテーション(制限時間は5分)
(5)水平加力による対戦(耐力壁による綱引き)
(6)解体(時間を計測します)
さて、主役の耐力壁の考え方には、大きく別けて2つあります。
剛に造って外力に対してガッチリと耐える壁と、柔に造って外力をギシギシと吸収する壁です。
欧米では前者の考え方が一般的です。地震大国の日本の木造家屋は後者の考え方が一般的でした。
しかし、日本の建築基準法が、大きな地震や台風などの災害が起きる度に改正を加えられ、今では単純な部材で構成され構造計算が比較的に容易で、施工精度が影響しにくい前者の壁が日本でも一般的になっています。
一方で複雑な部材構成と大工技術を要する伝統的な建築の柔軟性、靭性に富んだつくりは、実験を重ね、再評価されて来ています。
過去の耐力壁ジャパンカップを振り帰ると、トーナメンを勝ち上がるために、強さを求めて剛な壁が圧倒的に多く参加していました。
また、大会を重ねるごとに少しづつレギュレーションも変更されて、金物に重量制限をしたり、今年は材料費の上限を設けたりすることで、徐々に釘や金物を使わない柔の壁を造るチームが増えて来ているようです。
そして、今年は決勝トーナメントに残った8チームの内、半分が伝統工法の壁を造るチームになりました。そのハイレベルな戦いは、法律で定められている最強の壁(5倍壁)の、そのまた5倍から10倍の強度で戦っています。
一緒に見に行った自動車好きな友人は、決められたレギュレーションの中で、強度、技術、経済性、リサイクル性が絡み合い優勝争いをしている様子を「まるでF1のようだ」と例え、僕は、金物でガチガチ派かギシギシの伝統派か、強さの追及か、実用性の探求か、といったポリシーとプライドの戦いが「Wカップサッカーの様だ」と思ったりしています。
久保のブログもいよいよ準決勝で、サッカーで言うところのブラジル対ドイツの対戦に入ります。
松匠創美としては、伝統的な工法で家を建てることが出来なくならないことを望んでいますので、今後も大会を応援していきたいと思います。
設計:久保歩美・田中伸二
松匠創美の「家づくりの考え方」 松匠創美の「丈夫な構造」
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【3】 家づくりのことば
私(田村)が 事務所内で飛び交う会話の中に「今のは何だろう?」と思う建築用語が たくさんあります。
なんとなく聞き覚えのある言葉や 初めて耳にする言葉などをここで少し紹介したいとおもいます。
○カチ
前回 建具や開口枠の縦・横の材料の角を斜め45度にカットした木口同士を接合する方法「留め」を紹介しました。
繰り返しになりますが 堅木でない無垢の場合は 木の動きがでるのでこの方法は後のズレが美しくないという事から 松匠創美では別の接合方法を使っています。
それを「勝ち」と言うそうです。勝ちには「縦勝ち・横勝ち」があって縦勝ちは 縦枠が横枠を挟み込むように接合した方法。その逆が横勝ちになるそうです。
横勝ちは木口が横から見える為 目に付きやすいのでほとんどが縦勝ちを使用しいるようです。そして 夏の湿気で木が膨らむことを考えて縦枠を横枠より広く幅を取って 横枠の木口がはみ出さないよう納めると動きがあっても 美しさが保たれるそうです。(横勝ちの場合は この逆をします。)
1ミリほどの段差ですが つけるかつけないかで美しさが変わってくるのには いつもながら細やかな仕事だと感心します。
私が初めて事務所にきた時 表現が下手で申し訳ないのですが・・素朴で落ちついた美しさがある空間だなぁと思いました でもそれがどうしてなのかは 壁の色・木の配置などくらいかとよくわかっていませんでした。ことばを勉強して 少しづつですが何が違うのかわかってきたように感じています。
○縦勝ち・たてかち(横勝ち・よこかち)
=縦材か横材のどちらかを優先させることを「勝ち」と呼ぶ。縦材を優先させ、横材の木口を縦材にぶつける納まりは「縦勝ち」。縦材と横材の見込みを変えることで木口を見せずに、美しく納めることが出来る。
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☆お付き合いいただきまして ありがとうございます☆
出会い・つながる・木の住まい
有限会社 松匠創美
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■ 葉山クッキー
■ 第57号 ■
■□・・―――――――――――――2011年10月12日
木の家を知る・建てる・暮らす
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□ 目次
【1】 こんな感じに過ごしています「 葉山クッキー 」
【2】 「 台風被害は火災保険で 」
【3】 家づくりのことば 「 トメ 」
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【1】 こんな感じに過ごしています
こんにちは 田村です。
自転車通勤の途中に 三角形の土地に建っている三角形の小さな木造2階建ての建物があります。
不動産屋さんの店舗で(外から覗いてみただけですが)1階はお客さまと打合せができるようなスペースで2階は事務所のようです。
フロアーに5人も入ればいっぱいというこじんまりとした広さですが何かお店を開くならば 丁度良さそうな広さだなぁ 知り合いでお店を開きたい人いないかなぁ~と色々想像して前を通り過ぎていました。
休日に 葉山で「Conejo」という小物ブランドを展開している友人の彩香ちゃんに会い話をしていた時 彼女が「あそこでお店を構えてみたいと思っている。」と偶然言い出したので「トイレやお茶を沸かせるくらいのキッチンはあるのかな?」「1階を 展示スペースと作業所にしたら素敵だよね。」と 彼女の夢を膨らませて2人で盛りあがりました。
しばらくすると 不動産屋さんがお店を閉めることになりました。建物も取り壊しかと残念・・・に思っていましたが 何日過ぎても取り壊す気配がないので 彩香ちゃんに「空き店舗」になったようだと伝えると「実は空き物件で出てないか調べてみたけれど見当たらない。」という答えが返ってきました。
建物は・・店舗は今後どうなるのか解らないままのある日 軽トラックが2台ほど店舗の脇に停まっていて 中で作業をはじめているのが見えました。
「あぁ ついに人手に渡ってしまったか・・。」と すっかり彩香ちゃんと一緒に夢を見てしまったせいかガッカリはしたものの 早くも今度はどんなお店ができるのかワクワクしてきました。
そうして 窓やドアの位置、壁の色は変わりましたが 三角形の建物はそのままの形を残して新しいお店が完成しました。
お店の名前は「マスカット」さん すこし懐かしい味がする手造りのクッキー専門店さんです。
実は 以前葉山の別の場所で営業されていたのですが お店が閉店してしまい残念に思っていたのでオープン当日の朝 新しいお店から甘くて香ばしい香りが道いっぱいに広がっているのを嗅いだ時 とても嬉しくなりました。
仕事の帰りに 勢い良くお店のドアを開け「またクッキーが食べられるのが嬉しいです。」と店主さんに伝えると「ありがとうございます。」と笑って喜んでくださいました。お店の名刺を頂いて気づいたのですが なんと5分ほど歩いた近くには「カフェ マスカット」さんという パフェやワッフルなどのお菓子とお茶が飲めるお店を営業していたそうで そこでクッキーが買えていたようなんです・・・知りませんでした。
彩香ちゃんには「先を越されちゃったのは残念だけど 同じように狙っている人がいたのは納得!」仕方がないと話し合い「次空いたら・・頑張って!!」なんてねと まだ夢を膨らませているところです。
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【2】 「 台風被害は火災保険で 」
こんにちは、設計の田中です。
先月の台風15号上陸の後、数人の友達やご近所さん、それから同居している親からまで、被害について相談の電話をもらいました。
話しをしてみますと、皆さん火災保険で台風被害の修繕費用が出ることを知りませんでした。
そんな事もありましたので、今日は火災保険について簡単にご説明したいと思います。
まず、契約をされている火災保険は、損害額いくらから保険金が支払われるのかを調べてみてください。
一般的に20万円からと言うものが多いようです。中には、特約でもっと安い損害額から支払われる保険もあるようです。また、家財保険が付いていた場合、家の損害額と家財の損害額を合わせて20万円以上であれば保険金は支払われたりします。
ここで注意をしたいのは、20万円と言うのが損害額だということです。
火災保険の申請をする為に見積の作成をします。その見積の内容は、処分費用だとか色々と含まれた修繕費用です。実は、修繕費用イコールが損害費用ではないのです。
例えば、今回の台風で僕の実家の屋根は、棟板金と呼ばれる三角屋根の一番上の金物が吹き飛ばされ雨漏れが起きました。
実家の場合、屋根が急勾配の為に家の四周と屋根の上までの大規模な足場を掛けないと修理が出来ません。しかし、保険金が支払われるのは、飛ばされてしまった棟板金と屋根材の損害額(減価償却後の時価)です。保険会社に過剰な足場だと査定されてしまうと、修理費用の全額が出ないことも考えられるそうです。
また、親戚の家では道路沿いの竹垣が倒れました。竹垣を処分した場合、査定で費用をどう判断されるか微妙なところだそうです。
あまり見積もり額が嵩んでしまうと、保険金の支払いを請求した場合の査定が厳しくなるそうです。
あくまで損害額は被害部分の減価償却後の時価という考え方なので、処分費は竹垣の価値とは関係ありません。こういう場合も全額支払われないケースも考えられるようです。しかし、一戸建ての家の場合は門や塀、カーポートなども対象になる事はありがたいことです。
友人の家では、僕の実家と同じく屋根の棟板金が飛ばされ、玄関ホールの天井が落ちてしまいました。火災保険では、台風を起因に起きてしまった雨漏れによる内装の被害も対象内です。こういう場合はよくあるケースのようで、見積金額が全額支払われることもあると聞きました。
因みに、単なる窓の閉め忘れによる被害では、保険の対象になりません。
保険金の請求手続きでは、写真と見積が必要になり、鑑定人や調査員による現場の調査もあります。
いつも見積の金額がそのまま支払われるとは限りませんが、厳しい査定を受けないような正直な見積を作成するのがコツと保険屋さんは言っていました。
と、ここまで保険金の請求について、ややこしく書いてきましたが、以外な点もあります。
たとえば、修理後の写真や検査は無く、保険金支払い後については干渉してきません。それどころか支払われた保険金を別のことに使っても良いとも言われています。これは、保険金が修理費用に対して支払われるのではなく、損害額に対して支払われているからだと言うことのようです。
台風被害は予定外な事だけに、とてもショックな事だと思います。ですが早めに保険会社と工務店などに相談してみてください。
手を掛け愛着を持たれた家以上のECOハウスは無いと思います。
設計:久保歩美・田中伸二
松匠創美の「家づくりの考え方」
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【3】 家づくりのことば
私(田村)が 事務所内で飛び交う会話の中に「今のは何だろう?」と思う建築用語が たくさんあります。
なんとなく聞き覚えのある言葉や 初めて耳にする言葉などをここで少し紹介したいとおもいます。
○ トメ
「留め」と書きますので 何かを固定するんだな?と解りやすいですが はじめは固定する道具か何かと思いました。残念ながらそうではなくて 3回ほど部材の接合方法を紹介してきましたが 留めもその1つです。
窓枠や絵を入れる額縁の縦と横の材料の角が それぞれ斜め45度にカットされくっついているのをよく目にしていると思います。そのように接合する方法を留めと言うそうです。
どうして斜め45度にカットされているかというと 部材の切断面が見えないように綺麗に納める為だということです。
工場で生産されたプライウッドなどの材は 動きが少ない為 留めのような接合方法でも問題はありませんが 堅木でない無垢の材の場合 動きがでるのでこの方法では後々ズレが出て美しくなくなる場合があると言うことを 久保が教えてくれました。
松匠創美では 窓・玄関や各部屋の扉の開口枠など 別の接合方法で納めているということです。
次回は その接合法をご紹介します!
○留め
=小口を見せないで、45度に組む仕口。建具や開口部枠・額縁の角で、縦材と横材の納め方の方法。「建築専門用語/住宅編」より
=隅角部における部材接合法の一つ。それぞれの部材の木口が見えないような接合法。「建築用語辞典」より
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■ 台風が過ぎて
■ 第56号 ■
■□・・――――――――――――――――2011年09月28日
木の家を知る・建てる・暮らす
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□ 目次
【1】 こんな感じに過ごしています「 台風が過ぎて 」
【2】 「 埋蔵文化財包蔵地とは 」
【3】 家づくりのことば 「ツキツケ 」
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【1】 □こんな感じに過ごしてます・・・
こんにちは 田村です。
葉山に住んでいて「台風凄かったねぇ~。」と言う会話を あまりしたことがありませんでしたが 先週の台風には驚かされてしまいました。
久保もブログで紹介していますが 道には風で散らされた葉と折れた枝 それに混じって何処から飛んできたのかわからない家の部材などが落ちていたり デッキフェンスや樹木なども 強い風に押し倒されていたりと あまり目にした事のない光景があちらこちらで起こっていました。
さらに驚いたのが 庭の花や樹 今年流行りの緑のカーテン(ゴーヤ・朝顔)や野菜が 一晩で枯れてしまっているのを見た事です。
私の母は庭で植物や野菜を育て 花が綺麗に咲くことや収穫をとても楽しみに暮らしていますが たった一晩でその楽しみを奪われ落胆してしまいました(涙) 葉野菜が駄目になったので 三浦方面の農家に買い物をしに行ったら「台風でほとんどやられてしまったよ。」と農家のお母さんたちも悲しそうでした。
雨があんなに沢山降ったのに どうして枯れるなんてことになるのかと枯れ具合を観察したら 日に焼けたように葉が茶色く染まりカサカサした状態でした。「舐めてみるとしょっぱいよ。」と農家のお母さんが苦笑いしながら教えてくれたその原因は 海水が雨になって降ってきたことの「塩害」によるものでした。
なんでも雨として降り続けていれば 塩は溜まらずに流れでるそうですが あの日は雨が降ったのは3~4時間ほどで その後の強い風が吹き続いた事で水分だけ飛ばされ 塩の浸透圧が強くなってしまったそうです。
自転車や車、エアコンの室外機などが 海から吹く塩風で錆びやすいと 葉山に住んでいる人達の間では日常の悩みの種ではありましたが 植物や野菜が枯れてしまうという経験は初めてのことでした。
そして台風から4日過ぎても ガソリンスタンドに洗車待ちをしている塩まみれの車の列が途切れない風景が続いたことも「台風凄かったねぇ~。」と言わずにはいられない出来事でした。
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【2】「 埋蔵文化財包蔵地とは 」
こんにちは設計の田中です。
久保のブログでも紹介がありましたが、先日、埋蔵文化財包蔵地に指定された敷地の工事が着工しました。
市の教育委員会による立会いの下、掘削工事を行ったのですが、もし、住居跡などが出てきたら大幅な予定変更になるところでした。今日は、その埋蔵文化財について簡単にご紹介したいと思います。
たいてい都市部の敷地は、防火地域や商業地域など様々な地域、地区が都市計画法によって指定されています。建ペイ率、容積率、高さの制限、防火規定の内容は、この地域、地区によって変わってきます。埋蔵文化財包蔵地とは、これら都市計画法とは別に、文化財保護法によって指定された地域で、遺跡や遺物などが地面の下に埋まっている可能性が高い場所が指定されています。
この地域に指定されていると、工事で地面を掘った際に遺跡や遺物を破壊してしまわないように、手続きと工事立会い調査が必要になります。法律では、遺跡が出てきた際に自らが勝手に発掘調査をすることを禁じ、また遺跡への対応をまったくしないで工事や開発を進める事も禁じています。
工事の立会い調査は、少しの深さでも地面を掘るのであれば実施されます。工事の初日に教育委員会の人の監視の下で慎重な掘削作業を行い、それらしい物が出てきたら一旦作業止め調査します。問題なければ再開し、所定の深さまで掘っても何も出てこなければ終了になります。
もし50センチ以上地面を掘る様な工事の場合は、工事着工の前に2mx3mほどの範囲で教育委員会が試掘を行います。大きな重機で大切な遺跡を傷つけない様にするためです。
もし遺跡が出てきてしまった場合は、その後の工事は中断して本調査の段取りに入ります。本調査は予約だけで数ヶ月待ち、調査期間は遺跡の状況で様々です。また、本調査に掛かる費用は市町村によって異なります。全額を市町村が負担する場合もあれば、事業主(施主)が全額負担しなくてはならない場合もあります。
埋蔵文化財包蔵地に指定されている地域は、深く掘れば掘るほど遺跡が出てくる可能性が高くなります。地盤が軟弱だった場合には、重い建物を建築するには地盤改良が必要になる場合があります。その場合には遺跡に当たってしまう可能性が高くなるなど、デメリットはあるのですが、メリットもあります。
例えば、先日の立会い調査の時は室町時代くらいの地層から素焼きの食器の破片が出てきました。これは、この辺りに暮らしが営まれていたことを示すもので、住居跡そのものが出てきた訳ではないとのことでした。という事で、結果は、本調査の必要無しと判断され、工事は予定を変更することなく、進めることが出来ることになりました。
今回のように、家を建てるにあたって大きな影響も無く、昔の人が生活の場に選んだ歴史ある地域に暮らせるという事はひとつのメリットではないかと思います。宮城県の復興計画で高台に暮らすか否かで話題になったような昔の人の知恵が、きっと隠されていると信じています。
土地選びはとても大変な作業だと思いますが、施主が選ばれた土地の目に見えにくいメリットにも目を向けて行きたいと思います。
設計:久保歩美・田中伸二 松匠創美の「家づくりの考え方」
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【3】 □家づくりのことば・・
私(田村)が 事務所内で飛び交う会話の中に「今のは何だろう?」と思う建築用語が たくさんあります。なんとなく聞き覚えのある言葉や 初めて耳にする言葉などをここで少し紹介したいとおもいます。
○ツキツケ
前回紹介した 目透かしや小間返しという施工方法は 部材をつなぎ合わせる際に隙間を設ける施工をしますが その逆で 接合部分に隙間をあけず合せることを「突き付け」と言うのだそうです。
目透かしのように隙間をもうけることで木材などの微妙な厚みや動きのズレを避けれない分 節などの少ない筋のいい材料(往々にして高価である場合が多い)を選ぶことが重要で さらに 見えない部分に添え板や金物などを補強するなどの工夫を必要とするため 手間も費用もかかるそうです。
「木は動く」と知らなかった頃は 隙間なく合せることがあたり前のように思っていたのですが ピッタリとつなぎ合わせることが難しいのではなくて 維持をさせることが重要で技術が必要なのだと 久保が教えてくれてからは 予算なども含めたそれぞれのプランで施工方法を使い分け 家が建っていくのだなぁと改めて思い感心してしまいました。
○突き付け=部材の接合法の一つ。部材端部を切断しただけの状態で突き合せて接合する。「建築用語辞典」岩波書店より
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