松匠創美のメールマガジン「木の家を知る・建てる・暮らす」

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■ 第28号 ■

■□・・――――――――――――――――2010年08月18日

木の家を知る・建てる・暮らす

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□こんな感じに過ごしてます・・

先週の日曜日(15日)に 葉山森戸海岸で「森戸の浜の盆踊り大会」が開かれました。

前回ご紹介した「葉山の花火大会」で “あまり思い入れがなかった・・”と 冒頭書きましたが こちらの「盆踊り」も実は参加したことがありません。

話では かなり盛り上がると聞いていましたので 気にはしていたのですが 自宅近所の盆踊りで満足していました。

友人Nちゃんに「森戸の盆踊りは当然行くんでしょ?」と 聞かれたので 「行ったことないよ・・・。」と答えると 昨年葉山に越してきたばかりのはずの彼女は すでに経験者で「え~行ったことないの?すごく楽しいのに?!」と もったいないなぁ~顔を されてしまいました。

ちょっと悔しくなったので・・時間があったら見に行ってみるかなぁ~ と そんなに興味ないもんね という態度で返事をして 当日を迎えました。

開演時間は7時半・・・ですが8時を過ぎたころに のそのそと支度をして こそこそと会場へ覗きに向かうと 砂浜のほうから「やっしよ~ぉ まかしょ♪」と楽しそうな歌声が 聞こえてきました。(会場は砂浜なのです。)

その声や太鼓の音色を聴いているうちに 体がうずうずしてきて 足も気持ち早足に。
砂浜に着く頃には 手拍子まで打っていました。

やぐらはどこかと 人だかりのするほうを見ると 普通なら高く組み上げられた やぐらがあるはずの場所には 砂浜に直接 竹(棒)を四方に立て 網縄を張り巡ぐらせただけの 素朴な舞台がありました。

そしてその中に 太鼓や笛・ギターやベース・トロンボーンなどの 盆バンドなる人たちがいて 生で盆踊りの曲を演奏しています。歌声ももちろん生です。

その周りを 3重~4重ほどの輪ができていて 浴衣を着ている人や外国の人たちもいて 華やかに踊りが繰り広げられていました。

浴衣姿のNちゃんと 同じく「この盆踊り日のために 日々生きてきている!」と熱く語っていたYちゃんを見つけましたが あまりに楽しそうに踊っているのを見ていたら 踊りを止めるのが悪いような気がして 声をかけそびれてしまいました。

生の演奏と唄は 耳にも体にも ここちよく響き 「あんなに楽しいのに?!」と言っていたNちゃんの気持ちがよくわかりました。

浴衣着てくればよかったなぁ~・・と 素直になれなかった自分に後悔しながら 盆踊りグッズの 手ぬぐいを買って踊りに参加した気分になりつつ 会場を後に・・・来年こそは 葉山音頭(葉山オリジナル音頭です。)をマスターするぞ!と誓う田村なのでした。

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こんにちは、設計の田中です。

お盆も終わり、夏もいよいよ後半になってきました。
今日は、プライベートなことで申し訳ありませんが、このお盆休み中に、久保のブログにも登場した愛犬「花」を
亡くしましたので、その花の紹介と、愛犬との生活で改めて感じた家のことについて書きたいと思います。

花の犬種は、ブリタニースパニエルというフランスの中型犬で、運動量がとても豊富な狩猟犬でした。
特に花は興奮しぃなところがあり、走り出すとまさに弾丸のような子でした。

花との出会いは、里親の会(保健所で捕獲された犬を、最後まで責任を持って育ててくれる里親を探す会)を通してでした。

初め、僕をリーダーとして理解するまでは狩猟犬の鋭い目つきをしていましたが、毎日、会社に連れていき、たくさん散歩し、愛情いっぱいに接しているうちに、目は真ん丸くなり、誰からも「美人さん」と言ってもらえる様になりました。

2009_0315AA

そんな花でしたが晩年は、後ろ足の股関節痛を煩い、白内障、耳も鼻も日々鈍感になり、半分介護のような状態でした。

花の様に運動能力がもともと高い犬でも、目が悪くなると壁に添って歩く、人間でいう伝わり歩きをするようになったり、足腰が悪くなると自分の力で立ち上がるのも難しくなりました。

花は自分の家と松匠創美の事務所を行き来して暮らしていましたが、僕の家の床が、絨毯敷きと偽者のフローリグで、松匠創美の床が、無塗装の無垢のフローリングです。

絨毯敷きの上は歩き安いのですが、夏は暑そうにしていました。
偽者のフローリグは、夏に冷たいのは良いのですが、足が滑ってしまって苦労していました。
無垢のフローリングは、少々暖かいのですが総合的には一番暮らしやすそうにしていたと思います。

子供の頃、なぞなぞで「はじめに4本足で、次に2本足、最後に3本足になるモノな~んだ?」っとありましたが、杖は使わず、伝わり歩きをする住まいの中では、4本足にもなります。
花との生活で、改めて手足の触れるところは、なるべく無垢の木に拘わりたいと思い、これからも、みなさんに勧めていきたいと思いました。

設計:久保歩美・田中伸二
松匠創美の「家づくりの考え方

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□家づくりのことば・・

私(田村)が 事務所内で飛び交う会話の中に「今のは何だろう?」と思う建築用語が たくさんあります。
なんとなく聞き覚えのある言葉や 初めて耳にする言葉などをここで少し紹介したいとおもいます。

〇あがりかまち

この夏 あまりの暑さのせいで 私の頭の回転は 通常の2倍・・いや 3倍くらい遅くなっています。 遅いならまだしも 停止している時も多々あります。

無意識のうちに「あつぃ・・あつぃ」を連呼していたり ミスを連発してみたり・・じゃなくて してしまったり(すみません・・本当に反省しています。)

久保や田中にも「こんなに暑がりだとは しらなかったっ」と笑われちゃいました。

冬に熊が冬眠するように 夏に夏眠させてもらえないかと モンモンしていると 暑い中でも 暑いなりに眠っている人・・・じゃなくて空ちゃん(ゴールデンレトリーバー)が視界に入ります。

ずっと同じ場所で寝ている ということはさすがにありませんが 涼しいところを探し探し 眠っています。

その睡眠ポイントの一つが 玄関の土間部分です。
玄関から部屋への一段上がった部分に 首をちょこんと乗せて ちょうど枕のようにして眠っています。大型犬だからできる体勢です。

その一段上がる部分に 一本の木が横向きに入っています。玄関と部屋の段差が一目でわかるというのもあると思うのですが「アクセントにもなって素敵♪」なんて密かに思っていたら その木にも名前があるんだそうです。

空ちゃんが寝ていると 時々交代しない?なんて 耳元でつぶやいていましたが・・・
「僕は ただ寝てるだけじゃいんだよ。 家づくりのことば のヒントを時々教えてあげてるんだぞぉ。しっかり書きなさい。」と言われちゃいそうです。

〇上り框(あがりがまち) =玄関の上がり口で、靴などを置く床部分と廊下や玄関ホールの床との段差部分に水平に渡した横木材料のことをいう。

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■ 第27号 ■ ■□・・――――――――――2010年08月04日

木の家を知る・建てる・暮らす

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□こんな感じに過ごしてます・・

こんにちは、田村です。

先月の28日 葉山では花火大会がありました。

葉山の花火大会は 1時間に1000発ほどの小さな催し物ですが 程よい間合いで打ちあげられる花火は 風情があると地元住民には評判です。

花火の様子は 久保のブログに 写真が載っていますのでそちらをご覧いただくと よくわかります。

久保は 毎年のように 森戸海岸沖から打ちあげられる花火を 目の前の森戸海岸の砂浜で楽しんでいるそうですが いつも隣の海岸やら 湘南国際村の公園からしか 見物したことがない私は 実はあまり葉山の花火大会に 思い入れがありませんでした。

今年も どこかで適当に観れたらいいかな・・・などと 消極的でいましたが 友人Yちゃんが 「今年は我が家で BBQをしながら 花火を観賞しよう♪」と誘ってくれましたので行ってみることにしました。

Yちゃんの家は 森戸の海を見渡せて さらに 遠くに江ノ島や富士山が望める これぞまさに“The 葉山”と呼べるような場所に建っていますので そこからの花火は きっと期待できるんではないかと ワクワクしながらお宅に上がらせてもらうと そこには私と同じような思いのお仲間たちが 今か今かと 花火が上がるのを待っていました。

そして富士山を背に 夕日が沈んでしばらくすると ひゅ~・・ドンッと 音が聞こえてきました。

急いで窓辺に向かい 海面から すーっ と花火が上って行くのを 初めて観た私と その他何人かのお友達は 「おぉ~っ」とか 「綺麗だなぁ~」とか 終始口を ぽかっ~ と開けながら 楽しみました。

葉山花火 2010_0728 001

(ブレブレ写真ですみません・・・。綺麗な花火はブログでどうぞ)

そして クライマックスに 大きな金色の花火がいくつか上がると 「今年の葉山は頑張っているなっ!」と 拍手が沸き起こりました。

なぜなら 今年は不景気で花火大会が開かれないのではないか・・・という話が持ちあがっていたのです。 無事に終わったことで 見ている人たちの感動もいつもより大きかったのだと思います。

もちろん私も 期待以上に楽しませてもらえて 大満足「やっぱり葉山の花火は 味があっていいねぇ~。また来年もよろしくっ☆」なんて調子よく Yちゃんにお礼を言って 家に戻りました。

すると「今年は 一色海岸からも 花火が上がったわね。見えた?」と母から 衝撃の発言が・・・。

森戸海岸の隣 一色海岸(御用邸のある海岸)で 20発?程度らしいのですが 花火を同時に打ちあげていたらしいのです。(どうやら水中花火だった様子。)残念ながら その花火は私がいた場所からは 観ることができませんでした。

しかしながら・・・葉山町さん ほんとうに頑張っちゃったんですね(笑)
来年も また綺麗な花火が観れますように 期待してますよ!

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こんにちは、設計の田中です。

いよいよ8月に突入し夏本番となりました。

真夏になると、暗い室内から窓越しに明るい外の風景を眺めていると、何故だか目を奪われてしまい、ぼ~っと時間が経つのを忘れてしまうことがあります。

今日は、夏の建具のことについて書いてみたいと思います。

「夏座敷」という言葉があります。これは夏の季語だそうです。
広辞苑でひくと、「襖(フスマ)や障子をとり払い、簾(スダレ)や簾戸(スド)などで涼しそうに装った座敷」と書いてあります。

襖や障子から簀戸に交換することは「建具替え」と呼ばれ毎年、衣替えと同じ日に、地域によっては、今でも行われているようです。

簀戸は、細い竹を編んだり組んだりして作られた建具で、障子紙の部分が簾になっている建具です。
家の中に、風の通り道をつくり、家や畳、家具から調度品までも乾きやすくします。

昔は、6月になると、夏座布団を準備し、軒先に風鈴をぶら下げ、簾や葦簀を引っ張り出した上に、「建具替え」をすることで、いかにも涼しげな 夏座敷 が完成したのだと思います。

まさに、家の衣替えです。

因みに、この「夏座敷」を使った代表的な句は

「山も庭もうごきいるゝや夏座敷」芭蕉
松尾芭蕉もついついぼ~と見惚れてしまったのでしょうか?

「他の人の見るもはづかし夏座敷」一茶
こちらは、看板犬の空の寝姿が目に浮かびます。

今回、「家の衣替え」をテーマに書こうと調べものをして、あらためて暮らしは家と共にあるんだなぁと、感じてしまいました。

設計:久保歩美・田中伸二
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□家づくりのことば・・

私(田村)が 事務所内で飛び交う会話の中に「今のは何だろう?」と思う建築用語が たくさんあります。なんとなく聞き覚えのある言葉や 初めて耳にする言葉などをここで少し紹介したいとおもいます。

〇SGとPG

各業者さんから届く見積もりを PCに打ち込んでいくお仕事も はじめたてのころは 商品名などを気にする余裕はありませんでした・・

しかし ここ最近では「この○○っていう物は なんだろう?」と気にすることができるような余裕?がでてきました。

作業をしていて ある物件の サッシ(窓)の見積を入力していたところ 商品名は同じでも「○○PG」と「○○SG」という違いがある事に気が付きました。

つまり「PG]という商品と「SG」という商品が 同じ窓で検討されているのです。

「さてはて??これはいったいどうしてなんだろう?」と少し考えた末 「ははん これはきっと材質の違いで PGはポピュラーで SGはスペシャル なんだなっ☆」と 調べもせずに またまた1人で納得してしまいました。

そして どちらも入力作業ができたことを報告しに 久保の机に向かい「入力できました。」と 告げた時です・・・久保が「○○のシングルガラスは~~。」と言ったのです。

「えっ?SGって シングルガラス(窓ガラス)のことなんですか??」と 聞き返してしまいました。

「そうだよ、SGはシングルガラスで、PGはペアガラスのことよ。」

ひぇ~そうだったのかぁ! なんてシンプルなお答え。

そういえば(よく見れば) PGの方が SGよりもお値段が少しお高かった・・。

ポピュラーが スペシャルより高いわけないですもんね。

余裕なんて言った人 誰だっけ・・。

〇シングルガラス= 単板ガラス 一枚でできたガラス のこと。
ペアガラス       = 複層ガラス 二枚のガラスの間に乾燥した空気の層を封じ込めたガラス。空気の層の効果で断熱性と遮熱性に優れ 結露も防ぐ。

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■ 第26号 ■

■□・・―――――――――――――――2010年07月21日

木の家を知る・建てる・暮らす

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□こんな感じに過ごしてます・・

こんにちは、田村です。

今月の連休を利用して 長野県の松本市に遊びに行ってきました。

旅の前日まで 夏風邪をひいてしまい少々焦りましたが 当日はうまい具合に熱も下がり 朝6時ころ車に荷物を積んで 葉山を後にしました。

特に渋滞もなく お昼前には松本駅に到着。

お昼にカツカレーが美味しいというお店「たくま」さんへ。 外観が蔵造りのお店は ボリューム感と味が評判なうえ 松本民芸の家具が客席に使われていることが雑誌に取り上げられていたので 行ってみることにしたのです。

今回の旅の目的は「松本民芸家具」を見たり 触れたりすること。

お昼の後は「松本民芸館(松本市博物館付属施設)」に立ち寄りました。ここは 創館者の丸山太郎さんが「美しいものが美しい」という思いで 松本民芸家具を始め 国内外の民芸品を多数に収集した博物館です。

雑木林に囲まれた建物は 静かで気持ちの良い空間でした。

そして 松本市内を松本城を中心に観光しようと歩き出したのですが・・あまりの猛暑に 松本城に登ることも諦めて 早々とお宿に向かいました。

今回お世話になったお宿は 美ヶ原温泉(松本市)にある「金宇館(かなうかん)」さん。

昭和三年に建てられた木造建てのお宿は お部屋数も9部屋と とてもこじんまりとしていて 昭和のレトロな雰囲気の建具や家具(松本民芸家具)を 大切に引き継いでいるのが 随所に伝わってきます。

お風呂上り用にと 女将が手作りで漬けた“梅ジュース”を自由に頂くことができる談話室があって 金宇館さんのブログに「早い者勝ちですよ。」と書かれていたのを思い出し 荷物を置いてお風呂も入っていないのに 早々頂いてしまいました。
もちろん お風呂の後も(笑)

松本 2010_0718 043

「暑さに夏バテしそうになりますが、そんなときは天然クエン酸たっぷりの梅ジュースが一番です。」という心づかいがほんとうに素敵で 贅沢なのに派手さはなく とてもここちの良い また行きたくなるお宿でした。

そうそう お食事(創作懐石料理)も 最高で 「幸せになりました☆」とお礼を思わず言ってしまいました。

ここまでこうして書いてみると 最初の旅の目的「松本民芸家具」を見たり 触れたりすること・・よりも「美味しかった☆」という説明に熱がこもっているような?

やっぱり本当の目的は「美味しい物たべたいっ」でした・・白状します。

最後にカッコつけさせてもらえるなら・・松本の町は まち並みも美しくて 歴史も感じさせながら 新しいものも上手に取り入れられているように感じました。
松本民芸家具の作りも そんな背景があるからなのかな?と 思えた旅でした。

松本 2010_0718 052

松本 2010_0718 062

☆「松本民芸館(松本市博物館付属施設)」はこちら
http://ow.ly/2dNr0

☆信州 松本美ヶ原温泉「金宇館」さんはこちら
http://ow.ly/2dNub

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こんにちは、設計をしている田中です。

梅雨が明け、関東地方にも夏がやってきました。

松匠創美の事務所では、当初エアコンは取り付けず年に数日ある、耐え難いほどの暑い日には「打ち水」をするなどして暑さを凌いでいました。
しかし、この2、3年の猛暑で、さすがに戸締りをした家で留守番をする看板犬達のことを思いエアコン取り付けることにしました。

松匠創美では、不覚にもエアコンを取り付けてしまいましたが 今日は、電気がない時代から受け継がれている日本人の「暑さ対策」の話しをしようと思います。

予てより日本の木造建築と言えば、夏の暑さ対策が建物の形を特徴付けていると言われています。
大きな開口部が家の中の風通しを良くし、深い軒先が強い日差しを室内の奥にまで差し込まないように遮ります。
瓦屋根は、瓦を重ねた隙間から熱を逃がすことで屋根が熱くなるのを防いでいました。

そして暮らし方の工夫の一つには、開口部の外に簾(すだれ)を掛けたり、軒先に葦簀(よしず)を立てて涼を得る方法がありました。

簾や葦簀は、太陽の高さに関係なく、深い日影を作り出しますが、風は良く通します。
開口部と簾、葦簀の間に空間を明けておくと、温まった空気が溜まらず、涼しい風が入りやすくなります。

また、竹や葦(あし・よし)のようにストロー状の素材が使われていることも、空気が温まりにくくする効果があるのではないかと思っています。

更に、打ち水や、簾、葦簀を水で湿らせて使うと涼風を得る原理はエアコンとほぼ同じで、意外にも高度なシステムだったりします。

そんな風に動力に頼らない、ちょっとした工夫を家づくりに活かしていきたいと思っています。

設計:久保歩美・田中伸二
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□家づくりのことば・・

私(田村)が 事務所内で飛び交う会話の中に「今のは何だろう?」と思う建築用語が たくさんあります。
なんとなく聞き覚えのある言葉や 初めて耳にする言葉などをここで少し紹介したいとおもいます。

○仕口

私の名前は「あり」と言います。

ありと言うと 虫のありを思い浮かべる方が多いと思いますが 漢字では「蟻」ではなく「亜里」と書きます。

「田村亜里」四角い漢字が並ぶ地味な字体なので“蟻”という字に変えたいなぁ・・と 昔 友達に話したことがあります。

義という漢字が(入っていて) 正義とか忠義とか なんとなくカッコイイと思ったのです。

「やめておきなさい。」と 即ダメだしをされ 笑われましたが いまでも 蟻という字には 憧れがあります。

そんなこともあって なんとなく建築用語にも使われてないかな?と探してみたら「蟻」という用語をみつけてしまいました。

なんだか嬉しくなったのと アリってなんだろう?という疑問がムクムクと湧いたので 久保に教えてもらいました。

家を建てる際に 木材と木材を継いだり 組合せたりする部分を「仕口」と総称し 木材を継ぐ時には「継手」木材を組む時は「組手」と呼ぶそうです。

その仕口に「蟻」と言う形状があるということです。

蟻というのは 一番シンプルな仕口で 簡単な継手方法なので 柱・梁など強度が必要な木材には 「蟻落とし」「大蟻」などの蟻を応用した強固な納まりがあるそうです。

シンプルなスタイルで 実は臨機応変に変化できるところなど 名前と同様に私にも共通するところがあるような・・??

・・・そんな生き方がしてみたいです。

○継手(つぎて) 材料の長さが足りない時、木材の強度を落とさずに、木材を直線的に継ぎ足す際の方法(技術)。

組手(くみて) 直交(交差)する材料を、強度を落さずに接合する際の方法(技術)。

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