松匠創美のメールマガジン「木の家を知る・建てる・暮らす」

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こんにちは。
葉山・逗子・鎌倉を中心に無垢の木で注文住宅を建てている工務店【松匠創美(まつしょうそうみ)】です。

今日のお話は、「自分でできる登記」についてです。先日、クライアントご自身が登記にチャレンジした事もありまして、ここでご説明したいと思います。

新築をした際に必要となる登記は2種類あります。一つは「表題登記(表示登記)」もう一つは「所有権保存登記(保存登記)」です。表題登記とは、新築建物が完成した時に、それまで存在しなかった不動産が物理的に存在する事になるので、存在を公の帳簿に載せるという行為になります。一方、所有権保存登記は、表題登記した建物の所有権を登記します。所有権保存登記まで行って、自分の財産だと公に主張できるようになります。

家づくりの流れの中では、多くの場合、完成引き渡しのタイミングに合わせて、表題登記の手続きを行う事が必要となります。一般的には、建て主が土地家屋調査士に直接依頼するか、工務店を通して依頼する事になりますが、建て主本人が行う事もできます。手続きを依頼した場合、平均して9万円程の費用が掛かります。しかし、ご自身が手続きを行う事で、登記の費用を減らす事も可能になります。

表題登記の手続きは平日に法務局で行います。法務局へ足を運ぶ回数は3回(事前相談、受付、受取)程度です。

手続きに必要となる書類は、1)登記申請書、2)案内図、3)住民票、4)所有権証明書、5)原本還付証明書、6)建物図面、7)各階図面です。
この内、1)、2)、5)は、法務局に事前相談に行った日又は、提出しに行った日にでも対応できる書類です。3)は市役所にて数分で用意する事が出来ます。4)は、完成引き渡し前であれば工務店や設計事務所に準備してもらう書類です。引き渡しが済んでいれば確認申請書の原本を一式持って法務局に行けば対応できます。
一番の難関は、6)と7)の図面のみと言えます。パソコンで図面を描ける方であれば、確認申請の図面を縮尺に合わせて登記用の図面に描き写せば完成させられると思います。建築図面が苦手な人でも、図面の何を描き写すかを窓口で事前に相談すれば作図可能な内容です。もしCADを扱った事が無い、持っていない方でもフリーのJWW(JWCAD)という建築業界でも普及率の高い安心して使えるソフトを使えば、作図可能だと思います。
JWW(JWCAD)はフリーソフトという事もあり、ネット上に使い方の説明が沢山あります。「JW 登記」や「JW 使い方」などで検索してみて下さい。また、図面用の用紙もB版サイズや他にも規定がありますが、A版のコピー用紙に印刷してB版サイズに切り落とせば問題ありません。
少しハードルが高く感じられるかも知れませんが、先ずは、窓口相談と、CADに触ってみるのがお勧めです。

最後に、「自分でできる登記」ではありますが、土地家屋調査士に代理人として表題登記の手続きを依頼すると、何故平均して9万円も費用が掛かるかと言うと、書類の用意、依頼人との打ち合わせ、市役所で住民票の請求、設計事務所や工務店と重要書類の(手渡しでの)受取と返却、図面通り完成しているか建物の現地調査、図面の作成、法務局へ提出と受取、これらに費やす移動と時間と、専門知識と経験と責任、登記する財産の大きさ等々に対する費用なのだと考えると適当な費用なのだと思います。

設計:久保歩美・田中伸二
松匠創美の「家づくりの考え方

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こんにちは。
葉山・逗子・鎌倉・湘南エリアで無垢の木の注文住宅を建ててきた工務店【松匠創美(まつしょうそうみ)】です。
今日の目次は下記です。どうぞ宜しくお願い致します。

【1】  葉山の魅力散策「 くるくる市 」

【2】   家づくり雑記帖 「 省エネルギー住宅の色々 」

【3】 お知らせ

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【1】 葉山の魅力散策「 くるくる市 」

こんにちは、千葉です。
やっと夏休みも終わりに近づいてきました。お天気があまり良くない日が多い夏となりましたが、思いっきり遊んで親子ともども真っ黒に日焼け致しました。あとは宿題の追い込みのみです・・・

今日の葉山の魅力散策は、 葉山町が主催の「第10回くるくる市」というイベントのご紹介です。
“ゆずりたいものもってきてください”というキャッチフレーズのリユースをすすめるイベントですが、持ち込みは葉山町民対象で、持ち帰りだけでもOKだそうです。
持ち込みできるものは、基本ルールとして①使用可能なもの、②破損・汚れなどないものだそうです。そしてすべて無料で持ち帰りができます。袋などの提供はないので、必ずマイバックをご持参下さい。
もう必要なくなってしまったものたちが、必要とされるご家庭へ運ばれるという循環はとても素晴らしいことだと思います。

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【2】 家づくり雑記帖 「省エネルギー住宅の色々」

こんにちは、設計を担当している田中です。
最近の建築業界は、専門家でも整理しないと解らなくなる程、似た内容の言葉が沢山あります。今日は、「省エネルギー住宅の色々」と題しまして、最近よく目にする、耳にする言葉を整理したいと思います。

建築業界では、環境問題の原因となっている地球温暖化の対策の為に、さまざまな基準が作成され推進されています。その中から、今日は「H25年基準」、「認定低炭素住宅」、「ZEH(ゼッチ)」、「CASBEE(キャスビー)」、「LCCM住宅」、「HEAT20」、「スマートウェルネス住宅」、「長期優良住宅」について、特徴を説明して行きたいと思います。

現在、全ての省エネルギーの基準となっているのが、「H25年基準」です。H25年基準は、H25年以前まで求められていた最も高い外皮性能(断熱性能)を最低基準化したものにプラスして、冷暖房、換気、照明、給湯の一次エネルギー消費量も考慮した基準です。H32年に義務化が予定になっています。国の定める最低基準ですので、省エネ率は0パーセントと表現されています。

省エネ化を一歩進めたものが「認定低炭素住宅」になります。認定低炭素住宅は、H25年基準の一次エネルギー消費量をマイナス10パーセントした基準に加えて、低炭素化措置として、節水対策、エネルギーの見える化するシステム(HEMS)等の導入、ヒートアイランド対策、建築の構造体を低炭素化(劣化対策、木造化等)の内、2項目を導入した住宅です。国土交通省から補助金を受ける事ができますし、その他の税制上の優遇を受ける事もできます。省エネ率は10パーセント削減相当です。

省エネ化をもっともっと進め、国が推奨しているのが、「ZEH(ゼッチ)」になります。ZEHは、ネットゼロエネルギーハウスの略で、考え方としては小さいエネルギーで暮らし、使うエネルギーに相当するエネルギーを創り出す事で相殺し、消費エネルギーゼロとなる住宅です。こちらはH25年基準の外皮性能を強化した上に、一次エネルギー消費量をマイナス20パーセントし、太陽光発電等の再生可能エネルギーを導入して基準を満たします。エネルギーゼロなので、省エネ率が100パーセント削減です。また、ZEH(ネットゼロエネルギーハウス)と似た言葉にゼロ・エネルギー住宅があります。ZEH(ネットゼロエネルギーハウス)は経済産業省の補助金、ゼロ・エネルギー住宅は国土交通省の補助金を受けられ、性能は同じです。

また、省エネ率が100パーセント削減とまではいかないけれど、それに近づけた住宅として位置づけられている基準が、「NearlyZEH」です。ZEHとほぼ同じ基準ですが、一次エネルギー消費量の基準が少しゆるく、省エネ率が75パーセントになる住宅です。

「CASBEE(キャスビー)」と「LCCM住宅」は、国土交通省が主導して、社団法人や財団法人が行っている省エネルギーの評価基準です。どちらも高い省エネ率で、CASBEEのレベル5やLCCM住宅は100パーセント削減相当です。
CASBEEは、室内環境を快適にし、長く使い続け、ランニングコストを押さえ、ゴミも減らし、まちなみと生態系に配慮する総合的な環境評価システムの事です。一方のLCCM住宅は、建設時、運用時、廃棄時のCO2を減らし、太陽光発電等の再生可能エネルギーを設置する事で、建設から廃棄までの期間でCO2をマイナスにする住宅の事です。

これから、耳にする事が増えるのではないかと思う「HEAT20」は、完全な民間の団体が行っている基準です。環境先進国では、国の方針より厳しい基準でリードする民間団体が多く存在し、日本のそれに当たります。外皮性能を国の目標より更に高くする事で、快適性の向上を図る基準です。

最後に「スマートウェルネス住宅」や「長期優良住宅」の案内です。スマートウェルネス住宅とは、医療介護、バリアフリー、省エネルギーに関する提案住宅です。社会的に重点分野として注目されていますが、省エネルギーについて言えば明確な基準は定められていません。
長期優良住宅は、木の成長に合わせた林業のサイクルを考慮して長期に渡って住宅を利用する事が、建設、廃棄時のCO2削減につながるという考えが含まれた住宅です。省エネルギーについての基準は、現在のところ「H25年基準」と同じですが、構造強度や維持管理、劣化対策などの基準が定められています。

松匠創美では、丈夫な構造、自然の力の利用、外皮性能、良質な素材など、総合して家づくりしている為、これらの中からクライアントに合った性能をご提案していきたいと思っています。

設計:久保歩美・田中伸二
松匠創美の「家づくりの考え方

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【3】  お知らせ

千葉の担当しておりました「葉山の魅力散策」は、今回が最終回とさせて頂く事になりました。今後、「葉山の魅力散策」は、Facebookでご紹介して行きたいと思いますので、Facebookの方もチェックして頂ければと思います。ありがとうございました。

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こんにちは。
葉山・逗子・鎌倉・湘南エリアで無垢の木の注文住宅を建ててきた工務店【松匠創美(まつしょうそうみ)】です。
今日の目次は下記です。どうぞ宜しくお願い致します。

【1】  葉山の魅力散策「ライフセーバーと遊ぼう」

【2】   家づくり雑記帖 「 木造住宅の維持管理-2 」

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【1】 葉山の魅力散策「ライフセーバーと遊ぼう」

こんにちは、千葉です。
子どもたちは待ちに待った夏休みに突入致しました。毎日毎食作らなくてはいけないって本当に大変です。給食のありがたみをひしひしと感じる今日この頃です。

さて、今日は夏の葉山のイベントをご紹介致します。
葉山には海水浴場が、森戸、一色、長者ヶ崎の3か所あります。そして夏の間、その海水浴場を葉山ライフセービングクラブの方たちが、安全に海水浴ができるよう監視活動を行ってくれています。
そのライフセービングクラブで、「ライフセーバーと遊ぼう 海の安全教室2017」というイベントの企画があります。
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鎌倉・逗子・葉山が共通の課題とする海水浴場利用者のマナーの改善や、安全快適な海水浴場実現に向け、海の楽しさや、海辺での安全な過ごし方、ルールやエチケットを学び、海をはじめとした環境への理解を深めることを目的とされるそうです。
楽しい夏休みの一日に当ててみてはいかがでしょうか?
・8月6日(日) 長者ヶ崎海水浴場
・8月11日(金) 一色海水浴場
・8月13日(日) 森戸海水浴場
いすれも、事前に申し込みが必要のようですので、ご興味のある方は、ホームページよりお申込みして下さい。
NPO法人葉山ライフセービングクラブ

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【2】 家づくり雑記帖 「 木造住宅の維持管理-2 」

こんにちは、設計を担当している田中です。
前回は、木造住宅の本来持っている寿命の話や、その寿命を引き出す為にも、環境問題対策の為にも、維持管理が重要視されている。という話を書きました。今回は、前回に続いて木造住宅の維持管理方法について書いてみたいと思います。

木造住宅の寿命は、適切に維持管理をして行きますと、少なくとも100年以上とされていいます。現在、国は環境問題対策の一環として、まだまだ使える木造住宅が取り壊されてしまわぬよう、建築業界、不動産業界、金融業界、民間団体、民間の協会など、多方面からの「住まい手による木造住宅の維持管理」についてのサポート体制を整え、維持管理された木造住宅の市場価値の正当な評価、価値の見える化に取り組んでいます。
具体的には、既存住宅の建築士によるインスペクションの講習や中古戸建て住宅の不動産評価基準の整理。メンテナンスガイドラインの作成、リフォーム推進、住宅履歴情報の作成などがあります。

住まい手による木造住宅の維持管理スケジュールを、いくつかのガイドラインや国土交通省の資料を読んでみますと、おおよそ、5年毎の点検。10年から15年で防水、塗装などの表面材の修繕の検討。20年から30年で設備機器の交換の検討。30年目以上で屋根、外壁、給排水管などの修繕、更新の検討が必要になります。
これは木造住宅の立地条件や素材の耐候性、日ごろのお手入れ等で変わってきますが、お手入れされ、手が加えられた木造住宅と、そうでない木造住宅では、将来的には不動産価格に差が出る事になるので、住宅履歴情報をまとめておく事が大事になってきます。

日頃から行うお手入れで、特に注意したいのは「水」に関わる部分です。
雨から守る屋根や外壁、バルコニー、窓回り部分では、普段からの観察と、地震、台風後の目視チェックで、雨から家を守る部分に破損が無いかの点検が大切です。湿気が溜まりやすい床下、浴室、洗面所、キッチンなどでは、掃除、お手入れの際に、不適切な洗剤の使用、不適切な掃除道具の使用は避け、なるべく部材を痛めない。床下換気を妨げるようなものを置かない。開かずの扉とならない収納計画。換気の為の窓の開閉が大事です。

日本は土建国家と呼ばれ、山を切り崩して開発し、30年で住宅を取り壊して新築してきました。メンテナンスフリーも、30年サイクルの中で注目を集めたものでもありました。これからは「こまめなお手入れ」で長期的利用に耐えられる住宅が、自然環境を守り、日本の経済の基盤になっていくように国はシフトチェンジしようとしています。

設計:久保歩美・田中伸二
松匠創美の「家づくりの考え方

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